XBOX360版の獣王記 ー 最近観た映画の感想

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話

f:id:baumkuchen:20210430212848j:plain

このシリーズは本当に面白いのだけど、人に勧めるのが困難で。どうやったら普通の人に「女子高生が戦車で戦うアニメ」を観させることができるのか分からない。俺自身、劇場版が話題になるまでは「またこういうのか」って思ってましたし。

「こういうの」。キャンプやら釣りやらの男性比率が異様に高い趣味を女子高生にやらせる漫画やアニメってのは大量にあって、多くはホンワカフワフワした日常系。

これもその亜流かと思いきや、劇中の殆どの時間は戦車で戦っているという。

足を止めて砲撃する移動砲台ではなく「高い機動性を持った戦闘車両」として、大量の戦車が錯綜しながら交戦し、主砲をぶっ放しあう。架空のスポーツ「戦車道」をでっち上げることによって実現したあり得ない絵面の戦車バトルが最高なのです。

この第3話は知波単学園の成長ぶりが観られて良かった。旧日本軍を模した突撃バカ共、劇場版での初登場時には足を引っ張る勤勉な無能というコメディリリーフだった彼女たちが思考停止の「突撃という伝統」と決別し、勝つために知恵を絞って行動する。

部活ものの王道、弱小チームの大躍進。今回、意図的にライバルチームを主役ポジションに置いているけれど、こういうの観ると他の対戦カードもじっくり描写してもらいたくなっちゃいますね。

1話48分は短いわ。

ガーディアンズ

f:id:baumkuchen:20210430213443j:plain

ロシアが頑張って作ったマーベル映画みたいなやつです。誰も困らないと思うのでネタバレしますけど、嫌なら読み飛ばしてください。

旧ソビエト時代の強化人間がロシアを崩壊させんとする科学者に立ち向かう。キャプテンアメリカや仮面ライダーに通ずる、ヒーローものとしては古典的といっても良いやつ。

どのシーンも静止画で観るとそこそこ格好いいのですが、動いた途端どうにももっさりする不思議な映画。上のイメージビジュアルの通り、凶暴化して暴れるというハルクのポジションにクマチャンの半獣人がいるのですが、彼が変身して暴れると「そうそう、XBOX360版の獣王記ってこんな感じ」と存在しないゲームの幻覚が見えてしまう前時代感がたまらない。

とにかくガーディアンズの面々が弱い。モブ兵に負けて全員拘束される。ちなみにメンバーの一人である念動力使いは「手ごろな石が無くなった(石しか動かせない)」という原始人のような理由で負けます。

そして救出されたあと石を沢山くくりつけたスーツなどの新装備と訓練でパワーアップするんですが、また普通に負けます。

最後はそれまで使っていた超スピードや透明化といったスーパーパワーに関係なく、4人ですげえ遠くからかめはめ波みたいなの撃って建物ごとラスボス吹っ飛ばしてました。

特別面白いわけでもなく、色々と雑なのですが、なぜか嫌いになれないこの味わい。続編作る気満々の終わり方してたけど本当にやるの? 観るけど。(見放題なら) 

ガーディアンズ(字幕版)

ガーディアンズ(字幕版)

  • アントン・パンプシニ
Amazon

ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密

f:id:baumkuchen:20210430222843j:plain

一代で莫大な財を成した有名ミステリー作家の自殺。警察の捜査では不審な点は見つからなかったものの、現場には依頼を受けた名探偵が現れる。

いざ殺人事件と疑ってみると、親族は殆どが故人とのトラブルを抱えており、遺産相続を前にして全員が容疑者として浮かび上がってくるのだった。

という長ーい容疑者紹介が終わってからのテンポの良さが素晴らしい。体感的には20分に1回ぐらいのペースで「おいおい、面白くなってきやがったぜ……」と思わせる展開や新事実、または新たな謎が。

邦題は名探偵だの館がどうのと本格ミステリーのようなトリックと推理を予感させますが、全くそういう映画ではないですね。

探偵が真相に辿り着くのは視聴者の知らない証拠によってだし、ノックスの十戒によれば推理ものとして反則。ただ、この映画で楽しむべきは推理じゃなくて立て続けに発生する急展開と、それらが全部つながる怒涛のネタばらしなので。

ミステリーの捜査シーンなんて、名探偵が推理を開陳する前のタメ、下手したら単なる情報提示だけのシーンに成り下がるわけですが(「オリエント急行殺人事件」なんかはわりとそんな感じ)、本作ではそれらがことごとく面白かった。

どうせ真相は最後まで分からないようになっているので、筋道立てて推理するのはダニエル・クレイグに任せて、我々はシーンごとに適当な憶測をしたりビックリしたりしてればいいやつです。

ちなみに俺は家が全然刃の館じゃないことにビックリしました。なんだこの邦題。

孤狼の血

f:id:baumkuchen:20210501002208j:plain

「ヤクザこええ」って思いました。小学生でももっとマシな感想言いそうなもんですが。

暴対法施行直前の昭和ヤクザによる抗争。それを食い止めるべく犯罪スレスレを2・3歩通り過ぎた違法捜査を行うベテラン刑事の役所広司。と、コンビを組まされた若手刑事の松坂桃李。

実際のマル暴の刑事さんもそうなんでしょうが、役所広司のガラの悪さが素晴らしいですね。大卒のエリートの松坂桃李がそれに振り回されつつも、最終的には立派なマル暴の刑事として覚醒する。まあそんな感じなんだろーなと思ってたらそんな感じでした。

そこに至るまでがなかなかに生々しくショッキングで、どうしても「ヤクザこええ」が一番最初に来る。この手の単純かつ理不尽な暴力の恐怖を映画で感じることってあまり無いので新鮮に感じます。

ヤクザによるバイオレンス描写は韓国ノワールでよく観ますが、やっぱり海外映画だと自然と現実離れしたファンタジーとして捉えちゃうんですよね。それが邦画で吹替ではない日本語を話しているだけで自分と地続きの世界と感じられてしまう。これは邦画ならではの楽しみですね。

松坂桃李は普通に演技上手いのですが、強面のおっさんまみれの宇宙にただ1人存在する若いイケメンなので画面内の違和感がものすげぇですね。そもそもそういう役どころなので仕方ないんですが。

本作で立派なマル暴として覚醒済みの松坂桃李が、近々公開されるらしい続編でどんだけスレて画面に馴染んでいるかが結構楽しみだったりします。 

孤狼の血

孤狼の血

  • 役所広司
Amazon

前の

一覧

己嫁語り(おれよめがたり)

f:id:baumkuchen:20210418210455j:plain

書き置きのコレクションがだいぶ増えました。

※名川太郎さんは2019年3月で番組を引退されました

前の

狂気の沙汰のストップモーション「JUNK HEAD」他 ー 最近観た映画の感想

ルーザーズ

f:id:baumkuchen:20210404203737j:plain

なんのひねりもない映画が観てぇなぁと思って、NETFLIXのおすすめから何のひねりもなさそうなこの映画を選んで観てみたらなんのひねりもなくて良かったです。

これはべつに皮肉で言ってるわけではなく、シンプルな筋書きに銃撃戦と爆発があるだけの映画ってたまに観たくなるもんなんですよね。

何者かの謀略により、南米で爆殺された特殊部隊のメンバーたち。しかし彼らは生きていた。存在ごと表舞台から消された彼ら「ルーザーズ」がCIA内部にいるという黒幕に報復するため立ち上がる。

んで、この黒幕が大量破壊兵器でテロを企てて、気に入らない相手、ちょっとミスした人間をバンバン殺す「ぼくのかんがえたすっごいわるいやつ」なので、必然的に復讐劇が世界を救う戦いになります。がんばえー。ルーザーズがんばえー。

中身はメンバーがそれぞれ違った技能を活かして戦う「特攻野郎Aチーム」みたいなやつです。それ以上でも以下でもないですが、こういう映画、疲れてるときに丁度いいんですよね。 

ルーザーズ (字幕版)

ルーザーズ (字幕版)

  • ゾーイ・サルダナ
Amazon

星の王子ニューヨークへ行く

f:id:baumkuchen:20210404212630j:plain

30年ぶりの続編が話題になっていたので、まず1から観てみようと思い。

アフリカ・ザムンダ王国の王子であるエディ・マーフィが親に決められた結婚相手を良しとせず、自分で花嫁を探しに自由の国アメリカへ。

「大金持ちの王子」ではなく、「本当の自分」を愛してくれる女性を探すのだ、と身分を隠しオンボロアパートに居を構えバイト生活。貴種流離譚の一つのパターンでしょうか、結構既視感のあるタイプのお話。

古典的だけど鉄板なネタ満載のコメディ。今観ても普通に面白いのですが、30年前の価値観に基づいた人種差別、女性蔑視、拝金主義なネタは正直キツイ部分も多々あります。相手の素性を見てクルクル手のひらを返すタイプの登場人物をギャグとして使うのは俺は本当に苦手なんですけども、30年前ならウケてたんでしょうかこれ。

30年でどう変わるのかというのは興味深いので2もいずれ観ます。

あと、ちょい役で若かりし日(といっても当時39歳)のサミュエル・L・ジャクソンが出てました。出世したんだねぇ。

ところでこれは数年前に道端に落ちていたサミュエル・L・ジャクソンの特攻服です。

この映画とは全く関係ありません。 

JUNK HEAD

f:id:baumkuchen:20210406205910j:plain

その工程を思うだけで圧倒されます。ストップモーションで制作された長編映画。

自作のパペットを使い、微妙に動かして一コマづつ撮影、つなぎ合わせることで作成する秒間24フレームのアニメーション。それが5分のショートムービーではなく、99分の映画一本分。

個展を開けばそれだけで金が取れるようなクオリティのフィギュアやセット。それを「ひとりで」動かして映画を撮ろうなんて、思いついたとしても実際にやるかそんなこと。

……という狂気の沙汰が本当にスクリーンに映し出されているのがもう面白い。想像もつかないような面倒くささの結晶が映画館の大スクリーンで動いとる。

人類滅亡を回避するための生殖遺伝子を求めて、主人公は義体に乗り込み地下3000m以深の世界へダイブする。しかし途中で撃墜されて、頭を残して全身バラバラ。気がついたときには地下の住人たちによって非力なボディに換装されていたのだった。

地下はかつて人類に反旗を翻して戦った人造生物マリガンの世界。奇妙奇怪な生物で満たされたこの地下世界から、はたして主人公は目的を果たして生還することができるのか。

ということで、ストーリーはずっと地下世界で展開されるのだけれど、地下なのにとんでもない広大さを感じさせるセットの作り込みがすごい。これ、陽の光のあたらない穴ぐらの中の話でありながら巨大建造物ものなのです。

煤けたコンクリートと錆びた鉄、そしてグロテスクなクリーチャーと生体パーツで形作られる広大な地下世界。スチームパンクとも廃墟ともつかない薄汚れた風景。

CGではなくミニチュアセットで作られたことによって生まれるリアリティというものは確かにあります。なんというか「本物っぽすぎない」から「そういうものが実際にカメラの向こうにある」ことが良く分かるんですよね。

この映画のセットを眺める喜びって、巨大かつ複雑怪奇な構造体に興奮を覚える工場マニアのそれに近いと思うのですが、この風景がグリーンバックの合成ではなく現実のミニチュアとして存在していると知っているだけで、CGとは別種の感動が生まれます。

CGによるこういうボロけた鉄の世界といえば「アリータ:バトル・エンジェル」のクズ鉄街あたりも最高ですが、それとは別タイプの体験であるということが言いたいのです。どちらも素晴らしい。

実のところ、俺はアニメーションは置いといてこれらのセットが観られただけでも満足できてしまいました。

映画の半分ぐらいは野生のマリガンに追い回されているか、この世界の中を彷徨していたばかりの印象なのですが、この映画は主に風景とマリガンたちの奇怪な文化、そしてクリーチャーたちの動きを楽しむものだと思うので、個人的にはそれで十分です。

セットの素晴らしさだけじゃなくて、マリガンたちにも愛嬌があって本当に良いんですよね。ラボでグロいペットとじゃれ合う3バカとか、エレベーターを操縦しているマリガンとか本当好き。そして一度見たら絶対に忘れられないクノコ屋店内。

これはディスクが出たら一時停止しながらじっくり観たい。セットとマリガンを並べたJUNK HEAD展、本当にやってくんないかな。

前の

一覧

超美麗キアヌ無双「ジョン・ウィック:パラベラム」他 ー 最近観た映画の感想

ザ・ベビーシッター

f:id:baumkuchen:20210330214554p:plain

ガンズ・アキンボ」のサマラ・ウィーヴィングが良かったのでキャストで検索かけたらネットフリックスオリジナルのこれが引っかかり、そういやサムネはよく見るなと思って視聴。

主人公の少年コールは12歳になってもベビーシッターを付けられていることを同級生からからかわれ、いじめられている。彼自身それがコンプレックスではあるものの、ベビーシッターであるビーの事は大好き。

彼女はセクシーな美人で、どんなときにもコールを守り、いじめっ子を追っ払う。大切な弟のようにコールに接しながらも、決して子供扱いはせず、ガチで一緒に遊んでくれたり、大好きな映画トークに花を咲かせたりする。思春期の少年が恋をしてしまうのも当然の素敵なお姉さんなのです。悪魔崇拝者の殺人鬼だということを除けば。

両親不在のある晩、コールはビーが深夜に数人の仲間を連れ込んで悪魔召喚の儀式を行っているところを目撃してしまう。

なんでバイト先の家でそれをやるんだよという話はさておき、そのことを感づかれたコールは悪魔崇拝者の学生グループたちから命を狙われることになるのでした。

以降は負けたほうが死ぬ「ホーム・アローン」なんですが、普通のB級ホラーなら殺人鬼や化け物に順次殺されるバカ大学生グループが全員殺人鬼側に回る構図が面白い。返り討ちにあって順次死んでいくのは一緒ですが。

学生たちのキャラも立ってて、普通なら真っ先に死ぬ「ブロンドバカ女」が意外としぶとかったり、やはりすぐ死ぬタイプの「脳筋ジョックス男」が敵に回ると超手強い。ネタバレになるので内容は書きませんが、コールがいじめられているのを知った脳筋とのやり取りが面白すぎでした。

本気で悪魔を召喚しようとして人を殺す連中なので全員ノータリンではあるのですが、少なくともただ返り討ちに遭うためだけの有象無象ではなく、なかなかに良い見せ場と死に様があるバカ共です。

血はドバドバ出ますが、B級ホラーにしてはゴア描写は少なめ。コメディ寄りの一風変わったホラーとして気軽に観られます。

ジョン・ウィック:パラベラム

f:id:baumkuchen:20210331222853j:plain

2が個人的にいまいちだったので、劇場には観に行かず配信待ちしていたのを最近ようやく観れました。そしたらすっげえ良かったです。これなら劇場で観てもよかったな。

いつものキアヌ無双が観られりゃそれでいい、ぐらいの気持ちだったんですが、今回とにかく映像が綺麗なのが気に入りました。光の使い方、フレーミング、セットや小道具類を含めた画作り。ありとあらゆるシーンが美しすぎる。アクションそっちのけで見惚れるわ。

図書館やアンティークショップ(?)での戦闘とか、馬とバイクのチェイスシーン、無闇にアイテムにこだわったコンチネンタルのアカウント部など、序盤から美麗シーンの超ドカ盛り。うーん、好き。

その上でもちろんアクションも相変わらず極上で隙がない。馬のシーンとかマジでどうやって撮ったんだアレ。至近距離でヘッドショットを決める前にとりあえず足とか腹とか撃つのは良く分かりませんが、1作目からそうやってるので、ガン・フーとはそういうものなのです。たぶん。

そしてシリーズ化によって人間模様にも深みが出てきた。四面楚歌状態のジョンに手を貸すサブキャラたちはどいつもこいつも男前だし、完全に敵に回ったコンチネンタルという組織の概要もおぼろげながら見えてくる。

メインの刺客は怪しげな日本語とニンジュツを使う寿司屋という訳の分からない造形ですが、彼の部下(弟子)が全員長ドスで襲いかかってくるのは最高ですし、本人がなんだかんだでジョンの大ファンで戦ってみたいバトルマニアってのもいいですね。この辺、前二作に比べて多分にアメコミチックですが、個人的には好みの方向性です。まあ今作程度で留めておくのが良いバランスだとは思いますが。

絶体絶命状態から始まるストーリーに反してコミカルな要素もふんだんに盛り込まれていて、弾切れからのめっちゃナイフ投げつけあうバトルだとか、飼い犬に舐められまくってまともに話せないジョン、完全防弾装備の敵部隊とひとしきりやりあってから「ちょ、銃効かねえ!! もっと強いの!!」と武器庫に引き返すジョンなど、殺伐としているのに謎のほっこり感を振りまくシーンがちらほらとあって楽しいです。

今作で完結すると思っていたので、まさかの「第4作に続く」エンドに驚きましたが、今回はむしろ楽しみ。次は劇場で観ます。 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 

f:id:baumkuchen:20210403213101j:plain

公開直後に熱い感想文がアップされてまくっているのを横目に見てはいたのですが、いま人混みは嫌なんで、2週間ぐらい経った頃に観に行きました。

ネット上の熱量に対して、俺自身は「ちゃんと終わったねえ。よく出来てたねえ。面白かったねえ」ぐらいしか書くことがなくて驚いています。驚く程に感慨が沸かない。エヴァンゲリオンは結構好きなはずなんですが、それほど思い入れがあるわけでもないのだということを自覚しました。

全ての発端を語るゲンドウの独白。共感できるところも大いにあるんですが、同時に「お前こんだけやらかしといて言いたいことはそれだけか」と思ったのが正直な所。

俺は今まで「セカイ系」って言葉がどういうものを指すのかピンと来てなかったんですが、「ああ、これかぁ」って思いました(違ってたらごめんなさい)。

でもアニメーションとして眼福だったので劇場で観る価値は十分ありました。艦船を盾に使ったりミサイルにしたり、実にハッタリが効いていて良かった。ネルフ側のエヴァも大変にクリーチャーじみていて素敵。フランスのラインダンスみたいなやつが大好きです。

はい、こんな程度の感想しかございません。

前の

一覧

やたらとローカロリーな脳死ゲーム「Loop Hero」

f:id:baumkuchen:20210328001811p:plain

レトロ風グラフィックで、全く新しいローグライク。デッキビルドやハクスラ要素も入って、リリース後1週間で50万セールス達成。

絶対好きなやつだと思って買って、いまんとこ20時間ぐらい遊んでるんですが、俺は未だにこのゲームが面白いんだかどうだかよく分からないんですよねぇ。

一度始めたらやめ時を見失って延々と遊んじゃうんですが、俺ん中では宇宙規模で延々とクッキーを生産し続けるゲームと同じ箱に入りつつあります。

f:id:baumkuchen:20210328001900p:plain

ゲームを始めると、こういうループ状のマップが生成されて、白いアイコンのヒーローと敵キャラが配置されます。ヒーローは焚き火のあるキャンプタイルを起点に、このループしたマップをオートでぐるぐる回りながら敵を倒していきます。

敵を倒すと、装備品または所持デッキからランダムに選ばれたカード、もしくは素材アイテムが手に入ります。

装備品にはレベルやレア度の違いがあり、レベルが高いものは基本性能が高く、レア度が高いほどカウンター攻撃や体力のオート回復などの特殊効果が多く付きます。

ハクスラ系ゲームの基本に沿って、敵を倒しては装備品を順次強力なものに持ち替えつつゲームを進めるわけです。

f:id:baumkuchen:20210328003211p:plain

右下にずらっと並んだ数値が装備品その他の全効果を含めたステータス。

戦闘は完全オートで眺めるだけですが、うまく装備品の特殊効果を組み合わせることでヒーローはめきめき強くなりますので、その取捨選択をすることこそがこの作品におけるゲーム部分といえます。

そしてカード。画面左下のこれ。

f:id:baumkuchen:20210328004214p:plain

このカードは基本的に地形タイルをマップ内に配置するもので、画面上にドラッグ&ドロップすることで、ドロップした場所に対応する地形が生成されます。

道の上に配置するタイルは、ヒーローが通過した際に体力回復や素材入手等の効果をもたらす一方で、タイルに対応したタイプの敵がスポーンするようになります。

マップ周回の危険度は上がりますが、敵を倒さないとアイテムは手に入らないし、レベルも上がらないので積極的に配置していくことになります。

そして、道の外側に配置するタイルもありまして、これは数や配列によってヒーローのステータスを上げたり、タワーディフェンスゲームのように効果範囲内に攻撃その他の影響を及ぼしたりします。

f:id:baumkuchen:20210328005304p:plain

探索が進むとこのようにマップに情報と敵キャラが増えてだんだんと賑やかになっていく。敵が増えるほど入手できるアイテムも増えるので忙しくなってきます。

ステージ毎に規定の範囲をタイルで埋めるとボスキャラがスポーンし、それを倒せばステージクリア。なんですが、そう簡単には倒せないので、探索中に入手した素材を持ち帰り、キャンプ施設を増強することでヒーローをパワーアップさせます。

f:id:baumkuchen:20210328010032p:plain

この辺はストラテジーゲーム。有利な効果をもつ施設を作り、素材を使って作った施設を強化することもできる。

こうやってキャンプを拡張していくことで新しいカードが手に入り、遠征中に配置できるタイルの種類が増えます。遠征に持っていけるカード枚数には上限があるので、タイル同士のシナジーを考えて選ぶというデッキビルド的な要素もあります。

とまあ、こんな感じで人気の要素をこれでもかと盛り盛りに盛った上で、全く破綻している部分がない。すべてを綺麗に融合させた見事な作りです。

こんなもん絶対面白いし、実際やってる間は楽しいんだけど、何がモヤモヤするかってこのゲーム考える部分がほとんどないんですよね。

敵を倒して素材を持ち帰りパワーアップ。それを繰り返してボスを倒すのが目的ですが、どんなに適当にやっても必ず素材が持ち帰れるので、漫然とプレイしてても(効率の差こそあれ)絶対にヒーローは強くなる。

探索中に落ちた装備やレベルアップ時スキルを組み合わせるハクスラ要素。ローグライクなので都度即興のビルドでヒーローを強化するのは楽しいし、引き運が良かった場合の無双感もたまらないものがあるのですが、基本的に探索後半に落ちる装備の方が強いので、何も考えずにただレベルの高い装備に持ち替えるだけでも形になってしまいます。

カードゲームとパズルゲームを組み合わせたタイル配置によるマップ生成。これもタイル間の相互作用などの要素が薄めなので、すぐに最適解に落ち着いてしまい、以降は作業。大量に敵を産出してヒーローに効率的に倒させるよう、毎回同じような配置をしていくことになります。

結果としてこれは非常に熱量の低い作業を死んだ目で延々繰り返すゲームとなります。ただ、困ったことにそれが結構楽しいんですよね。パワーアップにより素材や装備品が効率的に手に入るようになり、それがまた次のパワーアップにつながる。

ローグライク&ハクスラな遠征中の短期的なパワーアップと、キャンプの増強を行う長期的な拡大再生産。多くの人間は本能的に拡大再生産が好きなのです。

そんなわけで、最初に書いたとおり俺はこのゲームをローグライク/ハクスラ/ストラテジー/カードゲームの皮をかぶったクッキークリッカーだと思ってます。ゲームがゲームたる本質部分だけを抽出した結果、無を楽しんでいる気分になるあたりがそっくりです。

常に「もっといい時間の使い方があるんじゃないかな……」と感じつつも、そのカロリーの低さからなんとなく遊び続けてしまう楽しい虚無。それがこのLoop Hero。

今はSteamでもIdle(放置)ゲームがひとつのジャンルになってるぐらいですし、世の中には虚無好きが結構いるのですよね。俺も嫌いじゃないんだけど、人に勧めてよいものかはちょっと悩みます。虚無だから。

ロマンの二丁拳銃バカ映画「ガンズ・アキンボ」他 ー 最近観た映画の感想

キラー・メイズ

f:id:baumkuchen:20210316230111j:plain

自宅にダンボールで迷路を作った男が、中で迷って脱出できなくなってしまった。

そんな馬鹿なと恋人や友人たちが入ってみると、小さな入り口の先には広大なダンボール製の迷宮が広がっていたのだった。

中にはダンボールで作られた殺人トラップやモンスター。各種紙製品で作られた世界で、犠牲者たちは罠にかかり死ぬ。血しぶき代わりに赤い毛糸や紙吹雪を舞い散らして。

と、ビジュアル的にもアイデア的にもめっちゃくちゃ面白そうなのにびっくりするぐらいつまんねぇのね、この映画。面白いのはダンボール迷宮のセットだけだったわ。

人死にを出すことでガチのサバイバル物にするのか、緊張感のない感じでコメディにするのか、どっちも中途半端で、笑えない上に緊張感がないという悪いとこ取りになっちゃってる。

絵面は面白いのになぁ。もっと他にやりようはなかったもんか。もったいない。

ガンズ・アキンボ 

f:id:baumkuchen:20210317230555j:plain

こういう1mmも頭を使わない映画を劇場で観ることこそ娯楽であり、最高の贅沢。ダニエル・ラドクリフは役者として「ハリー・ポッター」に強く固定されたイメージを意図的に壊しにいっているようにも思えます。もうずっとこんな役ばっか演っててほしい。

参加者同士の殺し合いをライブ配信する闇サイト「スキズム」。そこにクソリプを飛ばし運営を怒らせたマイルズ(ダニエル・ラドクリフ)は両手に拳銃を固定され、無理矢理バトルにエントリーさせられてしまう。対戦相手はスキズムで連戦連勝の猛者、ニックス(サマラ・ウィーヴィング)。果たしてマイルズは生きて解放されることができるのか。

まあ内容は割とどーでもいいんですよ。ヘタレが死にもの狂いで逃げ惑う前半と、二丁拳銃(アキンボ)でバンバンバラバラと銃弾を振りまいて敵を倒しまくる後半。何ひとつ考える必要はありません。こういう映画だろうな、と思って劇場に行ったらそういう映画が流れてました。

ポップなイラストやフォントのアイキャッチがバンバン入ってくる演出は最近良く見ますが、人気サイトの見せ物という体にぴったりマッチ。ご機嫌な音楽とともに、元ハリー・ポッター演ずる銃撃と爆発の脳筋デスゲームを鑑賞できます。

そして対戦相手のサマラ・ウィーヴィングがまた非常に役にハマっております。薄い眉、ウォーボーイズばりのアイシャドウ、鋲だらけでトゲトゲのジャケットを着て、鼻にクスリを突っ込んでご登場する最高に柄の悪い姐さん。

この楽しそうなガンアクションを見よ。絶対にお近づきにはなりたくない格好良さでございます。彼女が暴れる序盤だけで元が取れるやつ。

友情、恋愛、親子愛、登場人物の動機づけとして申し訳程度に突っ込んでありますが、そんなもんは横に置いといて、虚構全開の爽快なアクションを楽しみましょう。

あと、マイルズがカメラに向かって「お前らが観るからこんなサイトがのさばるんだ」的なことを訴えたときに視聴者全員大爆笑してたのは最高でした。そうそう、インターネットってこんな感じ、という。

SEARCH」にも通ずるものがある、ネット批判というよりも単に今の時代を映した描写ですよね。フィクションだからこそ描ける身も蓋もなさ。好き。

ビーチ・シャーク

f:id:baumkuchen:20210320225207j:plain

「砂の中で流体力学的に有利なウロコ」を持ったサメが、ビーチをパニックに陥れる!!

全くサメ映画は言い張ったもん勝ちですね。言うまでもなくクソ映画なんですけども、「デビルシャーク」の後だと全然観れちゃうから本当に罪深いわあの映画。

少なくともカメラはちゃんと使えてるし、 ストーリーは概ね「ジョーズ」そのまんまなのも観やすい理由のひとつ。言い換えると、サメが砂の中を泳ぐことを除けばオリジナリティはほぼないと言って良いです。

この映画でジョーズの海水浴場に相当するのは、島興しとして開催される砂浜での音楽フェス。砂の中を泳ぐサメによる人死にが出ていることを隠したまま強行して大惨事になるという、うん、まあほんとそのまんま。

昔のB級映画みたいに無意味にオッパイを出させようとして、さぁオッパイを出すぞ、せーの、(バクン)と喰われるのはとても良かったなあと思いました。オッパイを出さずに済んだという点でポリコレ的に。この辺は近年の映画なんだなと感じます。まあ喰われたけど。

そしてパニックを起こした客はビーチから去らずに四方八方めちゃくちゃに走り回る。この人達は虫なのかな? って思いました。

他には砂の中は見えないから基本的に背びれだけ出しときゃいいってのが良い発明ですね、というのと、一応ちゃんと映画にはなってるというあたりが褒めるポイントでしょうか。

「デビルシャーク」は本当に酷かったんですが、自分の中の閾値を大幅に押し下げて、楽しめるものが増えたという意味で良い面もあったと言えますね。

いわゆる「バカ舌」になることが幸せなのかどうかは分かりませんが。

前の

一覧

俺が欲しいeバイク

f:id:baumkuchen:20210314111309j:plain

そろそろeバイクが欲しいなと思っています。巣ごもり生活で明らかに体力が落ちつつあるので、自転車乗るのもちょっと楽しようかなと。一昨年ついに花粉症を発症してしまったので、この時期マスクしながら息が弾むような運動はキツイ、というのもあります。

大手メーカーのスポーツバイクも大体ラインナップにeバイクが入るようになってきて、選択の幅が広がった。おかげで性能・品質・価格のバランスもこなれてきた印象で、そろそろ買い時であろう、ということにしてとりあえず物色してみました。

BESV PS1 / 276,000円(税別)

f:id:baumkuchen:20210310230811j:plain

いまeバイクを調べると筆頭に出てくるのがBESV。名前はよく見るものの、今回調べるまでほとんど知らないメーカーでしたが、台湾のメーカーだということで個人的にはもうそれだけで信頼してしまいます。

スポーツバイクタイプが増えたから、と書いたそばからいきなりトリッキーな形のミニベロを挙げちゃってますが、このデザインが好きです。多くのeバイクのデザインにおいては、とにかくバッテリーパックの存在感が邪魔だと俺は思うのですが、これは個性的なフレーム形状の中にうまく埋め込んであってカッコイイと思います。

小径車のパワーロスは電動アシストでのフォローを期待。サスペンションも乗り心地とパワーロスのトレードオフですが、アシストがあれば乗り心地の方を取れるので、仕様としては文句なしです。

アシスト最強にしても航続距離は70km。主な用途として考えている通勤用としては有り余るスペックです。週末に片道10~20kmぐらいのポタリングをするのも余裕。

仕様としてはアルミフレームの廉価版、PSA1でも十分で、2本線の入ったペイントなんかはより好みであるのですが、重量が17.4kg → 19.6kgと2.2kg違うのと、メインコンポーネントがAltus7速とTiagra10速で結構差があるのが悩ましい。あとはディスクブレーキがメカニカルか油圧式かという違いもありますね。

でも価格差は税込みにすると10万超える。この価格差ならコンポーネントはあとから交換すればいいとして、電動アシスト状態での2.2kgがどれほど乗り心地の差になるのかが問題。実際に乗ってみないと10万の価値があるか分かんないですね。

最初はお試しでPSA1でもいいのかもしれない。 

BESV JR1 / 276,000円(税別)

f:id:baumkuchen:20210311231543j:plain

同じくBESVのJR1。ドロップハンドルのスタンダードなロードバイクスタイルのモデル。これも本当に上手くバッテリーをデザインに溶け込ませていて感心します。

バッテリーパックの取り付けは内蔵かむき出しか、ダウンチューブかシートチューブかでざっくり系統が分かれる印象ですが、これは埋め込みで太くなっちゃったダウンチューブをカラーリングでスッキリ見せるデザインで実にスマート。

クロスバイクタイプのJF1というモデルもありますが、そちらはこの色分けを使ってないんですよね。

タイヤの太さとかフラットバーハンドルの取り回しの容易さを考えればJF1の方が目的には合うんですが、ここは見た目でJR1一択。駆動系もSimanoの105で言うことなし。これを買うならロングライドにも使いたい。

FUJI MOTIVATOR / 229,000円(税別)

f:id:baumkuchen:20210313224201j:plain

FUJIのクロスバイクはいつも格好いいなと思うんですよね。これもダウンチューブにバッテリーを内蔵してるタイプ。「これがバッテリーパックでござい」とばかりに外付けになってるのがどうにも受け入れられないので、内蔵型ばっかり欲しくなる。

当然ダウンチューブは太くなっちゃいますが、ストーンと素直にまっすぐ伸ばしたところにFUJIのロゴが入るのはとても好き。

面白いのがフロントフォークの横にボトルケージ用のネジ穴がついてることで、これはダウンチューブに付けられない分のマウント箇所を補填してるのでしょうね。

バイクに跨ったままでは手が届きませんが、ツールボトルや輪行袋を入れる分には全く問題なし。ちょっと使ってみたい。

f:id:baumkuchen:20210313230240j:plain

あとヘッドライトがLEZYNE製らしく、そこも惹かれるポイント。俺、LEZYNE製品好きなんですよねぇ。

コストダウンとデザイン優先(バッテリー小型化)ゆえだと思うのですが、航続距離は短めの50kmというのがやや残念。とはいえ、通勤とポタリングには十分。ロングライドはロードバイクですりゃいいし。

ドライブユニットは安いeバイクによくついてる中国Bafang製ですが、別に悪い評判を聞くでもないのであまり気にしてません。BESVのバイクもそうですが、リアハブモーターは目立たなくていいなと思います。タイヤ外して掃除するときにちょっと苦労しそうですが。

TREKとかcannondaleとかはBosch社のいかにも高トルクっぽいモーターがついてるのですが、ペダルの踏み込みを直接アシストするタイプなのでクランク周りのフレームがデカくなっててちょっと不格好なんですよね。どうせ法律で24km/hまでしかアシストできないのだから、そんなデカいの要らないのでは、と思ったり。乗ってみないと分かんないですけどね。

SPECIALIZED Vado SL 4.0 / 363,000円(税別)

f:id:baumkuchen:20210313234738j:plain

予算が全然合いませんが、欲しいか欲しくないかを言えば超欲しいです。

いかついモーターでクランク周りのフレームが太っちゃってるタイプですが、これはモーターに向けてグラデーションをかけているカラーリングの妙で、上手くデザインに取り込んでるなあという感じ。

アルミフレームでも14.9kgと、eバイクとしては破格に軽いのが魅力。そのおかげか航続距離はエコモードでデフォルト130km、オプションバッテリーを追加すれば190km。

うっかり充電を忘れてバッテリーが切れても軽いから良さそう、とか思ってたら、数日充電を忘れた程度ではまずバッテリーは切れなさそうな長距離対応。用途を考えればそんな航続距離は全くいらないのですが、充電回数が減らせるのは嬉しいですし、気まぐれで足を伸ばしてしまっても不安を感じる必要がないというのは非常に良いですね。

ここまで価格が上がっちゃうと盗難が怖くてその辺に乗っていけず、そういう意味でも手が出ませんが、一度乗ってみたいバイクではあります。

BRIDGESTONE TB1e / 129,800円(税別)

f:id:baumkuchen:20210314094514j:plain

エントリー向け格安クロスバイクのTB1をそのまま eバイク化したのがこれ。値段はダントツで安いし、仕様から考えても通勤用としてはほぼ最強なんじゃないでしょうか。

全後輪にフェンダー標準装備、鍵も施錠解錠が楽なサークルロックが標準装備。チェーンガードは格好悪いけど、通勤用ならあっても良いし、嫌なら外せばよい。ブレーキはVブレーキですが、別にディスクブレーキの強力な制動力が必要なわけでもなし。

さっきはdisったバッテリー外付けもこの位置なら結構許せる。フレーム自体は元のクロスバイクの形状そのままでスッキリしてますし、変わったところにボトルケージ付けてんのね、と思えばなんとか。やっぱり俺はダウンチューブの上にどぺぇっとバッテリーが寝そべっているのが好きじゃないんですね。

ちょっと気になるのは重量は22.3kgとママチャリ並に重たいこと。とはいえモーターは前後ハブに付いた2輪駆動で強力なアシストを謳っており、ブリヂストンがそう言うならパワーに心配はないでしょう。

そもそも日本のeバイクは長らくママチャリでノウハウを積み重ねてきたものですしね。普通のクロスバイクみたいにちょっと担いで段差を超える、みたいなことがやりづらいのは残念ですが。

また、この2輪モーターの仕組みをうまく使って、前輪モーターで電車の回生ブレーキみたいなことをしているらしく、惰性で走っているときや後輪ブレーキを掛けたときに発生する電力でバッテリーパックを充電できるそうです。こういう小細工はいかにも日本メーカーらしくて素晴らしい。

おかげで重たいのにエコモードでの航続距離はVado SL 4.0と同じ130km。仕様と価格だけ考えたらこれ買うのが一番てっとり早い。それは分かってるんだけどどうせ買うんならもっと格好いいのがいいなあ、でも格好良くて高いとなると盗難リスクがなあ、などと同じ考えが堂々巡りしているところです。

楽しい。

DAYTONA DE03 / 138,000円(税別)

f:id:baumkuchen:20210314104145j:plain

これは完全にnot for meというやつなんですが、こういう方向性もあるのか、と感心してしまったので並べてみます。

ダイヤモンド型フレームのオシャレミニベロをそのままeバイク化。バッテリーパックをレザーケースに包んで、まるで荷台の荷物のようにこれ見よがしに配置。これ、すっごく良いアイデアですね。

グリップやサドルも同色のレザーで統一した一貫性のあるデザインが素敵。元より俺はこの形のミニベロ大好きなんです。

航続距離は45km。完全にポタリング用と割り切ってる感じのバイクですし、こんなオシャレなもんは俺の購入候補からは外れるんですが、乗ってる人はちょっと羨ましいなあと思う。そんなバイク。

 

以上、今のところ候補に挙がってるのはこんなところ。

これは絶対に試乗なしには選べないので、そのための外出自体がしづらい昨今、実際に購入するまではしばらく掛かりそうですが、買うつもりでいろいろ調べてる時間が一番楽しかったりするのでそれはそれで。

サプライズエイリアン理論 ー 最近観た映画の感想

コンスタンティン

f:id:baumkuchen:20210306215734j:plain

なんで悪魔憑きはみんな天井に貼り付くんだろうね。 

ディヴァイン・フューリー」を観たときにそりゃあもうすげえ中二病だなあと思ったもんですが、エクソシストものの宗教色を薄めるとどうやってもそうなるんだね、ということが分かりました。

前提が「聖」対「邪」だから絶対的正義が主人公サイドにあり、かっこいい聖書の一節を唱えながら戦う。ちょっと悪めのハードボイルド感なんて出したら完璧だ。何をやっても中二的格好良さからは逃れられないのなら素直にそれを楽しむのが正解でしょう。

聖なるメリケンサックと金ピカ十字架のクソダサ銃。ボーリング場レーンの裏のアイテム工房やちょくちょく唐突にぶっ込まれる地獄の映像、腕に浮かび上がる紋章等、詳しいことはよく分からないけど何かカッコイイからまあいいや、って感じで深く考えずにディティールを味わう映画です。

最近はヒゲモジャのイメージが定着しちゃってるので、この頃のキアヌ・リーブスはひたすらにイケメンで驚く。この人こんなだったっけ。そしてガブリエル役のティルダ・スウィントンも中性的でやたらとイケメン。イケメン映画。

カウボーイ&エイリアン 

f:id:baumkuchen:20210307201324j:plain

ダニエル・クレイグの左腕に変な機械が嵌まっていることを除けば、なんともスタンダードな西部劇が展開されるわけですよ。

流れ者のアウトローが、地元の権力者のチンピラ息子とひと揉め起こす。チンピラ息子は普段から父親の権力を笠に着てやりたい放題なので、保安官は流れ者とまとめてしょっ引いてしまいたい。二人まとめて護送馬車へ放り込み、いざ司法の裁きにかけようとしたところで、元軍人の父親が手勢を引き連れて登場、小さな開拓街は一触即発の雰囲気に。

   というところで宇宙人の戦闘艇が襲来、その場にいた人間を大量にさらっていって全てが有耶無耶になったのでクソ笑いました。なんだこれ。

「サプライズニンジャ」という作劇の法則が提唱されているらしく、いわく、「突然忍者が現れて、登場人物をなぎ倒して去っていく方が面白い場合は、そのシナリオの面白さが足りていない」んだそうで。

そうは言っても、どんなシナリオでも突然忍者が現れて登場人物をしばき倒してったらそんなもん面白いに決まってるので、相当高いハードルを課してるなあと思うのは俺だけじゃないはずです。

つまり、どうやったって面白すぎるサプライズニンジャを雑にエイリアンに置き換えたこのシーンも面白いに決まっているのです。(※注・映画が面白いとは言ってない)

大物俳優はダニエル・クレイグだけでなくハリソン・フォードまでキャストしているのに、西部劇の世界に唐突にエイリアンが襲来するのに、それなのに抜けきれない凡庸さ。エイリアンの超文明に対峙する絶望感や、それでも対立していた人間同士が手を取って立ち向かう熱さ、あるいは突き抜けた馬鹿さ加減など、どれも見当たらず中途半端が否めない。

どうせやるなら「バトルシップ」のような馬鹿さと熱さがほしかった。クリーチャーデザインもいまいち魅力がないし、全体的に妙に淡々としていて、どんな顔して観たらいいのか分かんないんだよね。

まあ最初のエイリアン襲来の瞬間はめちゃめちゃ面白かったのでそこまでは観てもいいんじゃないでしょうか。たどり着くまで30分かかるけど。 

沈黙の戦艦

f:id:baumkuchen:20210307211049j:plain

戦艦ミズーリの中でセガールがテロリストを相手にダイ・ハードするやつです。音に聞こえた最強コック、ケーシー・ライバック兵曹を一度観ておこうと思いまして。

古典ではないが、そこそこ古い映画の空気感。いかにも昔の金曜ロードショーでやってそうな感じ、今観るとすっげえ良い味わいがあります。

退官直前のミズーリの内部、古いコンピューターや計器類のビジュアルがフィルムカメラによる解像感甘めの映像で映し出されると「うわぁ、親父がビール飲みながら観てた感じのやつだ!!」ってなって、観たこともない映画に謎のノスタルジーを感じる。洋画を観て実家の茶の間を思い出すという。

内容は何の変哲もないダイ・ハードなので安心して観ていられます。元SEALSのセガール無双やセガール拳による謎のナイフ捌き、ただの足手まといから異様に頼れるパートナーと化すヒロイン、ラスボスのトミー・リー・ジョーンズのぞんざいな殺され方など、見所多数。

お約束・王道とよばれるものの源流に近い、こういう作品をたまに摂取するのはとても良いですね。

アップグレード

f:id:baumkuchen:20210307223523j:plain

Amazonおすすめからの高評価レビューで観てみたけれど、なるほど、これは面白い。

ある日、謎の男達に襲われて妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまった主人公。知人のAI企業トップの助けで脊髄へ最先端のチップを(非合法に)埋め込み、自由に動けるまでに回復したばかりか、人間離れした身体能力を手に入れることになる。

男は死んだ妻の復讐を果たすため、襲撃犯の調査を始めるのだった……。

まず、アクションがすごく良いですね。AIに体の操作を委ねることで、オートパイロット的に戦うことになるんですが、AIなりの合理的な動きと常識離れした身体能力により、人間の体で全く感情のこもっていない無機質なバトルが展開されます。

その面白アクションを強調する独特なカメラワークなども含め、「リベリオン」のガン=カタをちょっと思い出しました。絵面は全然違うんだけど、機械のような動きから何故か連想させるものがあります。

そして襲撃者とその黒幕を追うサスペンス。期待通りの展開、からすごいとこに着地する結末が素晴らしい。終わってから「すげえ良いタイトルだ」って思わされる。SF短編「スパイス」を読んだときのそれを思い出しました。 

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:森岡 浩之
  • 発売日: 2017/10/31
  • メディア: Kindle版
 

 最先端のAIチップがゲジゲジICなのだけは納得いきませんが。

前の

一覧

ちっちゃいトラベラーズノート的なやつを自作した

f:id:baumkuchen:20210302232425j:plain

財布をMicro Sleeveに変えたことでジーンズの前ポケットが片方空いたので、手帳を突っ込もうと思ったのです。なぜなら手帳をジーンズのポケットから無造作に取り出すと格好いい気がするからです。俺の道具選びなんてそんなもんです。

んで、パスポートサイズのトラベラーズノートを買いました。

革製のカバーにゴム紐で専用のちっちゃいノート(リフィル)を挟むだけのもの。安くてごくシンプルだけど、質感や手触りがよく、革の変化も楽しめそうな良いものです。これは。

しかし如何せん、前ポケットにねじこむには微妙にでっかかった。入らなくはないのだけど、W30のリーバイスにはギリギリ。「格好良さそうだから」でポケットに手帳を入れようとしてるのに、出し入れにもたついてたら格好悪い。

大きさ的にはシステム手帳のマイクロ5穴(A7)サイズが理想的なのですが、俺、システム手帳みたいに真ん中にリングがあるミニノート嫌いなんですよね。書くとこ狭いのにリングが手に当たって尚更書きにくいから。

なので、自分で丁度いいサイズのトラベラーズノート的なやつを作ることにしました。実物を見れば分かりますが、最低限必要な加工は革切って穴あけるだけなので。

f:id:baumkuchen:20210303213324j:plain

左がオリジナル、自作したのが右。自分としてはほぼ完全に求めていたものが出来上がったといえる仕上がり。色がやたら青く見えますが、これはカメラの影響で、実物はもっと落ち着いた色です。

気に入らなければまた作ればよし。どんな色の革からでも作れるのも自作のいいところです。

f:id:baumkuchen:20210303214114j:plain

革がまだちょっと硬いので丸まった感じになってますが、使ってるうちにいい感じにヘタレて馴染むはず。

f:id:baumkuchen:20210303214146j:plain

縦は2cm、横は1.5cm程度のダウンサイズ。微妙な違いに見えますが、この差がポケットからの出し入れのしやすさに大きく影響します。

ちなみに自作しようという考えに至ったのは、トラベラーズノート売り場にオフィシャルのリペアキットがあったからです。

紐そのものは100円ショップので十分ですが、紐の通し方とか金属パーツの留め方が書いてあったので買いました。あとは革カバーだけ用意できればいいなと。

今回は雰囲気を寄せるために金属パーツはオフィシャルの部品を使いましたが、貴和製作所とかで気に入ったものを買ってもいいですし、結び目が気にならないのであればパーツなしでただの固結びでもいいと思います。金属パーツは留め具というよりはただの結び目隠しとしての意味合いが強いです。

リフィルとして市販のA7ノート(74mm×105mm)を挟むので、切り出す革のサイズは二つ折りでそれよりちょっとだけ大きくなるように。

f:id:baumkuchen:20210302233019j:plain

革は挟むノートの現物合わせで適当に切りましたが、出来上がりを測ってみたらこんな感じ。

カバー留め紐用の2.0mm穴はポンチ(100円ショップで買える)を使って、中央上下に開けたゴム紐を通す穴は目打ち(100円ショップで買える)で開けました。1.0mmのポンチを持ってたらそれを使えば綺麗に仕上がると思いますが、100円ショップにはなかったので。まあどうせ紐で隠れるのでいいです。

f:id:baumkuchen:20210302233410j:plain

革の厚みとか曲げたときのRがあるので横はそこそこ長いですが、これで折りたたむとノートよりだいたい5mm程度大きい感じになって綺麗にノートが隠れます。 

拡大すると革の裏面(床面)の処理をしていないのがバレバレですが、これは俺が未処理のモサモサした手触りが好きなのと、単にめんどくさかったから放置しているだけです。

革はこれの2.0mmを買ってミンクオイルを塗り込みました。安く買える革ですが全然問題なく使えますね。

ミンクオイルは革を油分で湿らせて色を落ち着かせるのと、革を柔らかくして、しっとりした高級感のある手触りにする効果などがあります。

f:id:baumkuchen:20210303220541j:plain

リフィルはLIFEのノーブルノートA7方眼罫を余ったゴム紐で2冊つないで挟みました。仕事用とプライベート用。A7で方眼罫のノートってこれしか見つからなかったんですが、ノーブルノートはデザインに高級感があるのでいい感じです。

f:id:baumkuchen:20210303222248j:plain

あと、オリジナルのトラベラーズノートでも売れ筋のリフィルらしいクラフトファイルもA7サイズで自作。B5のクラフト用紙をスプレーのりで2枚重ねして強度を確保。

これ便利なんですよね。俺はその日のTODOリストとしてちぎりとるタイプのノートパッドをよく使うので、残件のあるシートはちぎって挟んどけば忘れない。終わったら捨てる。

f:id:baumkuchen:20210303222839j:plain

実物を眺めながら俺が適当に書いた展開図を、CAD使いの嫁さんに清書してもらいました。嫁さん有能。

あとコバ(革の厚み面)はこれで塗りました。めっちゃ青い。水性アクリルって書いてあるのでプラモ用の塗料とかでも良かったのかも。

めんどくさいので詳細な作り方は書きませんが、ここまでに書いた情報と材料、あとはカッターナイフがあれば同じものが作れるので、興味があればハンズとかで材料揃えて適当にどうぞ。やること少ないので適当にやっても適当にいいのができると思います。

ちっちゃい必要がなければ普通にトラベラーズノートを買えばよいです。

もしA7クラフトファイルの展開図が欲しい方がいましたらtwitterで@baumkuchen_宛に言ってもらえれば適当なアップローダーに上げます。

エニグマとサメとワニ ー 最近観た映画の感想

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

f:id:baumkuchen:20210216212156j:plain

これは素晴らしい。

ひとつの作品でこれだけ多くの感情を描き、観ているこちらにも複層的でなんとも言い難い気持ちと複雑すぎる余韻を抱かせる。あらゆる感情てんこ盛りの映画だと俺は思うのです。エモい(語彙力)。

アラン・チューリングのチームによるエニグマ暗号機解読の実話を元にしたお話。

アランの尊大に見える態度や他人との会話の噛み合わなさから、社会性のない超天才が周囲の無理解をものともせずに無双して偉業を成し遂げる映画だと思わされるのですが、そういうテンプレめいた予想はやがて裏切られます。

アランは自分のマシンで暗号を解読するという方針だけは絶対に譲らないものの、自分ひとりの力ではそれが叶わないこともまた認めて、チームメンバーと打ち解けようと努力をする。んだけど、普段から人との関わり方を知らないからやりかたがヘッタクソで。それがたまらなく愛おしい。

一方で、アランをいけ好かないと思っているメンバーも選りすぐりの暗号研究者なので彼のやりかたの正しさにはやがて気づいていく。だからこそ、ぎこちなくも互いに歩み寄る。こういった友情とか仲間意識以外でつながる関係性が好きでねえ。

その潤滑油の役割を果たすのがチームの紅一点、キーラ・ナイトレイ演じるジョーン・クラークで、この人がまた、これまで見たどんなヒロイン像にも当てはまらない良さ。

アランが一目置く才能を持ち、軍の研究所という男社会で渡り合う。作劇的なテンプレで言えば「強い女」ポジにあたるはずなんだけど、この人はなんというかしなやかなのですよね。

誰にも負けない能力を持ちながら、一歩引いて好かれようとすることを厭わない。現代にまして立場の弱かった女性だからこその戦い方。アランもそんな彼女から学んでメンバーと関係性を築いていく。

その彼女が素晴らしい豪胆さをみせるシーンがとても好きなのですが、ネタバレになるので詳しくは伏せます。

歴史上の事実としてエニグマが解読される日が来るのは分かってるわけで、彼らがどうやってそのゴールに辿り着き、どんな振る舞いを見せるのかというのがこの映画の山場のひとつ。そこでめでたしめでたし、というのがプロジェクトものの映画ではよくあるパターンですが、それで話が終わらないからこの作品は素晴らしい。この作品の複雑な余韻は解読後を観てこそのもの。

単なる「プロジェクトX」で終わってても全然面白いところに、戦争のエグい現実や政治的権謀術数、アランが抱え続けて生きて死んだマイノリティの孤独などをぶち込んで終戦後までをたった2時間にパッケージ。その2時間で不足も蛇足も感じさせない美しい映画に仕上がっております。

たった2時間でこんなにも。「~が好きなら」みたいな枕詞抜きでおすすめ。

あと単純にチューリングマシンのビジュアルがめっちゃ格好いいのでメカ好きも観るのが良いと思います。

デビルシャーク

f:id:baumkuchen:20210206212227j:plain

超名作から最悪のコンボを組んでしまった。

Z級サメ映画には往々にして「サメがほぼ出ない」という特徴があるようですが、この映画もそれを地で行っています。

嫁さんが「ゾンビーバー」を観たことをtwitterで呟いたらフォロワーからこの「デビルシャーク」をオススメされてしまったらしく、また、俺は俺でこの映画の酷さは伝え聞いていたので、喜び勇んで嫁さんと一緒に観たわけです。

いや、すごい。これ観るとデビルマン」はまだマシなのがわかる。あっちは原作付きという事もあってストーリーは分かるもの。

誰かが水に近づく → 3秒ぐらい報道番組の解説CGみたいなサメのカットが映る → 襲われる、または取り憑かれる演技(サメ無し) → 突然場面が切り替わる

という事が延々繰り返されます。

とあるサメ映画のレビューで「サメと人が同じ画面に映っている」という褒め言葉を目にしたことがあるのですが、ようやく意味が分かりました。

低予算映画には演技が下手、脚本が下手、カメラが下手、画作りが下手、という作品が少なからずありますが、この映画は加えて編集が絶望的に下手、というか描写するのが面倒くさくなったら適当にぶった切って出来事の顛末は視聴者に各自考えてもらうという手法をとっています。

おかげですべてのシーンの繋がりに全く脈絡がないうえに、頻繁に全く意味のないシーンが挟まるので何が起きたのか一切把握できないまま映画が進みます。観ているとホラーと違う理由で心が不安定になってきます。

馬鹿なわけでもなく、悪ふざけをしているわけでもなく、ただひたすらに全てが下手くそなだけの映画。それでもこれを完成させて世に出す思考が一体どこから湧いて来たのか、それが分からなすぎて一番怖い。 

クロール ー凶暴領域ー

f:id:baumkuchen:20210223214204j:plain

サメからワニ。普通の評価がついてるアニマルパニック映画で口直ししようと思って。

超巨大ハリケーンが接近する中、家の床下になんかワニがいて、父娘が命がけの脱出を試みます。こんなシチュエーションですが、馬鹿パニックではなくシリアス系。

この父娘、ピンチに陥って話を盛り上げるためだけに愚かな行動ばっか取るんですが、これを観たときの俺はワニがちゃんとワニなだけで全て許せたし、ワニと人が同じ画面に映ってるのすごいなあ、とか思ってました。

ワニの皆さんは有象無象のモブをアグレッシブにお食べあそばされます。基本、水中に引きずり込まれて見えない所で食われるので、えぐいゴア描写が少ないのも良いところ。

食われるのは災害に乗じた火事場泥棒とか、視聴者的には何の思い入れもない主人公の姉の元カレとかなので、元気よくまりまり食われまくる食べコンボにはある種の爽快感があります。まあそれだけの映画なんですけど、アニマルパニック映画なんてそれで十分ですね。

あと、嵐の屋外の映像が彩度低めのコントラスト強めに加工してあって、水墨画みたいなカッコよさがあります。ワニもいいけど水害描写が良かったな。

前の

一覧