「スパイダーバース」最高って話と「HIGH & LOW THE MOVIE」をやっと観たって話 他 ー 最近観た映画の感想

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しばらく嫁さんと「どーしちまったんだよ琥珀ざぁぁん!!」って言い合うのが流行りました。(交代で「鉄雄ぉぉぉ!!」「金田ぁぁぁ!!」って言い続けるのと同じタイプの遊び。)

あとスパイダーバースは最高なのでみんな観よう。

アリータ:バトル・エンジェル

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 いやー、良く出来てたわ。

原作1~3巻の各エピソードをうまく入れ替えて組み替えてまとめて、過不足を感じさせない2時間の映画に仕上げてる。欲を言うならばモーターボールをもっと観たかったけれど。

原作ファンとしてはカリギュラのコロナル面切断とかアメージング(不思議な)マドセンとか折っぺしょれる大PANNA長光とか観たかった。こういうこと書くと「ジャンプ漫画の人気投票で誰も覚えていないような端役に投票する人(ウケ狙い)」みたいなんだけれど、モーターボールってあの辺のクソどうでもいいディティールが妙に印象に残るシリーズだったと思ってるんですよね。ダマスカスブレードの研ぎ方とかね。

実写化されたクズ鉄街や機甲術のアクションも、およそ観たいものを見せてくれたので大満足。初期の非戦闘用ボディのぎこちなさが良かったな。

ロバート・ロドリゲスはいつになったらスペースマチェーテを作るんだよ早くしろよと思っていたけれど、きっとこの映画の素晴らしいSF描写をも糧にして、最高の一本を仕上げてくれることでしょう。

楽しみだなあ。(作られません)

スパイダーバース

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今んとこ2019年ベスト。もっとも今年はそんなに映画観てませんが。

予告は何度も観てたものの、大した期待はしてなかったんですが、それは大きく裏切られたというわけです。いい方向に。

もう頭っからエンドロールに至るまで、映像としてただひたすらに格好いいんですよ。アメコミ原作のアニメは結構観てますが、そのどれとも違う。

アメコミ的記号をバンバン取り入れて、コミックをコミックのまま動かしているかと思えば、突然ポップアート調になってみたり、サイケデリックなビデオドラッグ風になってみたり。

マルチバースのスパイダーマンが集結ということで、明らかにタッチの違う連中が混ざっているということもあるけれど、それを差っ引いたとしてもこの映画のアニメーション表現は挑戦的というか、とにかく新しいことをやろうとしているのが分かる。

それもいろいろとただ詰め込んだだけのごった煮ではなくて、それらがきちんと融合してて、謎の説得力だとか納得感みたいなものが湧き上がってくるんですね。シーンごとに異なる演出にちゃんと意味があるというか。まあ上手く表現できないので「格好いい」としか書けませんが、バカみたいに口をあけて格好いいとしか表現できない映像を2時間眺め続ける幸せがここにあります。

同じくアメコミ鬼画力アニメの「ニンジャバットマン」を観たときは正直胸焼けしたんですが(面白いけどね)、スパイダーバースはなんだか心地良い。何度でも観れる。実際観たしブルーレイも買った。

俺は基本的に洋画は字幕派なんですが、これに限っては最寄りの劇場では吹替版しか上映しておらず。しかしながら吹き替えで観れて良かった。

字幕に目線をやらずに映像に集中できたし、声優陣の演技力によって没入度が確実に上がった。やっぱりプロの声優はすごいよ。安易に芸能人を使わなかったSONYも偉い。

そもそも(※この部分にはクソみたいな芸能人吹き替え問題に対する罵詈雑言を書き連ねましたが消しました)。

あと俺の知る全てのスパイダーマン作品の中で一番メイおばさんが男前です。

キャプテン・マーベル

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これぞMCU、って感じで軽妙かつ安定した面白さだったんだけど、日をおいて感想書こうとしたら、途中から猫のグースたんに印象を根こそぎ持っていかれてしまっており、あまり細かいことは思い出せなかった。

あとはこれ。

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DC映画の感想で何度かこの画像を借りましたが、ついにマーベルでもこんな感じに。まあ、そこに至るまでの過程が大事なわけですが。

結局のところ、エンドゲームの前に「キャプテン・マーベルめっちゃ強い」ってことだけ分かっとけばOKよ、みたいになってしまった事は否めない。

クライマックスのモヒカン姿とか、最後に小理屈をこねるヴィランを有無を言わさずスーパーパワーでしばき倒すあたりとか良かったです。 

スイス・アーミー・マン

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ダニエル・ラドクリフの死体が尻からガスを噴出してジェットスキーになる映画です。

何を言っているのか分からないかも知れませんが、何ひとつ誇張はありません。これはダニエル・ラドクリフの死体が尻からガスを噴出してジェットスキーになる映画です。

遭難して無人島に漂着した主人公。助けが来ないことに絶望し命を絶とうとしたところ、同じく漂着したダニエル・ラドクリフの死体を発見。死体から噴出される腐敗ガスの勢いを利用して無人島からの脱出を果たすのだった。

無人島を離れたはいいものの、たどり着いたのは人里離れた海岸で、サバイバルはまだまだ続く。そんなとき、ダニエル・ラドクリフの死体があらゆる場面で役に立つ。時には腹に飲料水を溜め込み、その歯は裁断機のようにロープを切り裂く。吹き出すガスは着火の燃料となるばかりでなく、時には声帯を震わせ話し相手になってくれる。

まるでスイスアーミーナイフのような万能死体、スイス・アーミー・マンことダニエル・ラドクリフなのでした。

ちなみにこれ、ギャグ映画ではありません。テーマめいたものはありましたが、基本死ぬほどどうでもいい映画でした。

楽しそうに発狂してる人を眺めたいとか、ハリー・ポッターのケツが観たい人にはおすすめです。ターゲットが狭すぎる。

HIGH&LOW THE MOVIE

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日本のはずなのにいきなりスラム街が大爆発するところから始まるの面白過ぎませんかこの映画。どこなんだよ無名街。

いやー、日本でもこういう映画が作れるんですね。真面目に作ったら自然と知能が終了しちゃったタイプのやつ。

デッド寿司」みたいに始めから低予算クソバカ映画を作ろうとしたのではなく、きっちりお金をかけてヤンキー文脈における格好良さを突き詰めた結果、商店街のご近所にスラム街が爆誕したと。そのノータリンぶりが愛おしい。

もちろん馬鹿にしてるんじゃなくて、俺はこういうの大好物なんですね。俺の中では完璧に「トリプルX:再起動」と同じ箱に入ってますもんこの映画。

エグザイルの方は一人も名前を存じませんが、歌って踊る仕事の人たちはホントに良く動けるんでアクションが映える映える。無意味に側転する無名街の人とか最高ですね。

爆発に始まり、乱闘に次ぐ乱闘、最後は全勢力が大集結して大乱闘。バカエンタメ映画好きに向けて必要部分だけ切り出した見事な作品でした。

アベンジャーズ エンドゲーム

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まさに集大成。いやもう、よくまとめたなあという感想しかないですね。どこを取ってもネタバレできないし。

過去のネタは拾いまくるわ、今後のフェーズへの仕込みは万全だわ、それでいて一つの作品としての収拾はしっかりつけてて「アレなんだったん……」というのがない。関連作品を全部追っていなくても大枠はちゃんと理解できるようになってる。毎度毎度思うんだけど、アベンジャーズシリーズの構成力は尋常じゃねえわ。

シリアスな脚本の中でところどころ笑わせに来る力の抜き方も肌に合うというか、MCU映画の中ではかなり好き。それでいてケレン味たっぷり、かつ、どベタなクライマックス。終始観たいもんをちゃんと観せてくれてる映画でした。

ここまでガッチリ仕上げちゃってこの先の展開どうすんだろ、とも思う。

ブラック・クランズマン

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黒人刑事がKKKに潜入捜査って、何だそれ面白そう!! と思ったけど、黒人刑事は電話で応対するだけで実際にKKKメンバーに顔を合わせるのは相棒の白人刑事なのね。そりゃそうだ。覆面して集会するから黒人でも分からないとか、そういう超展開を想像してしまった。

これ実話がもとになってるらしいんですが、電話も白人刑事がすりゃよくない? 黒人刑事が余程口が上手くて有能だったんだろうか。

最後は人種差別主義者の鼻を明かしてスッキリ爽快、という期待通りの結末ではあるんだけど、大してひどい目に合うわけでもないのでいまいちモヤッとしたものが残る。

それよりはエンドロール後の現在の実映像の方が心に刺さってしまったので、この映画でテーマを訴えるのちょっと失敗してない? と思ってしまった。コメディタッチの刑事モノと思えば全く悪くないんですが。

プロメア

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「グレンラガン」も「キルラキル」も好きなんで公開早々に観に行きましたが。

そんで評判もいいみたいなんですが。

なんかピンとこないまま終わったなあという感じ。

TVシリーズ作品とやってることは大差ないんだけど、2時間の映画に収めるのには無理があるわ。キャラクターいっぱいいるけどメインの3人以外は居ても居なくても変わらんもの。

熱くしようとしてるのが空回りというか、「滅殺開墾ビーム」とか、なんかもう派手さとネーミングの面白味だけで勝負してる感じで俺は逆に冷めたわ。

松山ケンイチの声優がめっちゃ上手いのは驚きました。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

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これもいまいち乗り切れなかった、というか退屈で寝かけた。

映像は終始派手なんだけどずっと派手なばっかりでメリハリに欠ける印象。人間ドラマも説得力に欠けるタイプの狂人ばっかで魅力を感じない。 

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話 

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第1話を遥かに上回る面白さだった。やっぱりこのアニメは試合をしてこそだというのがよく分かる。第1話は序盤の小競り合いまでしか行ってなかったもんな。

前回大会で王者となった主人公の大洗高校にライバル校が挑むという形をとっているので、ライバルたちに長くスポットが当たるのが非常に良い。

突拍子もない設定ではあるものの「部活モノ」でもあるので「王者に挑む挑戦者」という構図は非常に燃えるし、ライバルたちもばっちり成長してくるあたりも部活モノならでは。ネタ枠だった知波単学園が立派になってて謎の感動がありましたよ。

観てて応援してるのはやはり大洗学園なんだけども、ライバル校にも頑張ってほしいと思わせる描き方は本当に上手い。公式大会で仲間割れはどうかと思うが。

あと、試合の途中でブッツリ終わる構成はなんとかならんものか。また1年とか待つの辛すぎる。

6話まであるんでしょこれ。いつ終わるの。 

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