XBOX360版の獣王記 ー 最近観た映画の感想

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話

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このシリーズは本当に面白いのだけど、人に勧めるのが困難で。どうやったら普通の人に「女子高生が戦車で戦うアニメ」を観させることができるのか分からない。俺自身、劇場版が話題になるまでは「またこういうのか」って思ってましたし。

「こういうの」。キャンプやら釣りやらの男性比率が異様に高い趣味を女子高生にやらせる漫画やアニメってのは大量にあって、多くはホンワカフワフワした日常系。

これもその亜流かと思いきや、劇中の殆どの時間は戦車で戦っているという。

足を止めて砲撃する移動砲台ではなく「高い機動性を持った戦闘車両」として、大量の戦車が錯綜しながら交戦し、主砲をぶっ放しあう。架空のスポーツ「戦車道」をでっち上げることによって実現したあり得ない絵面の戦車バトルが最高なのです。

この第3話は知波単学園の成長ぶりが観られて良かった。旧日本軍を模した突撃バカ共、劇場版での初登場時には足を引っ張る勤勉な無能というコメディリリーフだった彼女たちが思考停止の「突撃という伝統」と決別し、勝つために知恵を絞って行動する。

部活ものの王道、弱小チームの大躍進。今回、意図的にライバルチームを主役ポジションに置いているけれど、こういうの観ると他の対戦カードもじっくり描写してもらいたくなっちゃいますね。

1話48分は短いわ。

ガーディアンズ

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ロシアが頑張って作ったマーベル映画みたいなやつです。誰も困らないと思うのでネタバレしますけど、嫌なら読み飛ばしてください。

旧ソビエト時代の強化人間がロシアを崩壊させんとする科学者に立ち向かう。キャプテンアメリカや仮面ライダーに通ずる、ヒーローものとしては古典的といっても良いやつ。

どのシーンも静止画で観るとそこそこ格好いいのですが、動いた途端どうにももっさりする不思議な映画。上のイメージビジュアルの通り、凶暴化して暴れるというハルクのポジションにクマチャンの半獣人がいるのですが、彼が変身して暴れると「そうそう、XBOX360版の獣王記ってこんな感じ」と存在しないゲームの幻覚が見えてしまう前時代感がたまらない。

とにかくガーディアンズの面々が弱い。モブ兵に負けて全員拘束される。ちなみにメンバーの一人である念動力使いは「手ごろな石が無くなった(石しか動かせない)」という原始人のような理由で負けます。

そして救出されたあと石を沢山くくりつけたスーツなどの新装備と訓練でパワーアップするんですが、また普通に負けます。

最後はそれまで使っていた超スピードや透明化といったスーパーパワーに関係なく、4人ですげえ遠くからかめはめ波みたいなの撃って建物ごとラスボス吹っ飛ばしてました。

特別面白いわけでもなく、色々と雑なのですが、なぜか嫌いになれないこの味わい。続編作る気満々の終わり方してたけど本当にやるの? 観るけど。(見放題なら)

ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密

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一代で莫大な財を成した有名ミステリー作家の自殺。警察の捜査では不審な点は見つからなかったものの、現場には依頼を受けた名探偵が現れる。

いざ殺人事件と疑ってみると、親族は殆どが故人とのトラブルを抱えており、遺産相続を前にして全員が容疑者として浮かび上がってくるのだった。

という長ーい容疑者紹介が終わってからのテンポの良さが素晴らしい。体感的には20分に1回ぐらいのペースで「おいおい、面白くなってきやがったぜ……」と思わせる展開や新事実、または新たな謎が。

邦題は名探偵だの館がどうのと本格ミステリーのようなトリックと推理を予感させますが、全くそういう映画ではないですね。

探偵が真相に辿り着くのは視聴者の知らない証拠によってだし、ノックスの十戒によれば推理ものとして反則。ただ、この映画で楽しむべきは推理じゃなくて立て続けに発生する急展開と、それらが全部つながる怒涛のネタばらしなので。

ミステリーの捜査シーンなんて、名探偵が推理を開陳する前のタメ、下手したら単なる情報提示だけのシーンに成り下がるわけですが(「オリエント急行殺人事件」なんかはわりとそんな感じ)、本作ではそれらがことごとく面白かった。

どうせ真相は最後まで分からないようになっているので、筋道立てて推理するのはダニエル・クレイグに任せて、我々はシーンごとに適当な憶測をしたりビックリしたりしてればいいやつです。

ちなみに俺は家が全然刃の館じゃないことにビックリしました。なんだこの邦題。

孤狼の血

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「ヤクザこええ」って思いました。小学生でももっとマシな感想言いそうなもんですが。

暴対法施行直前の昭和ヤクザによる抗争。それを食い止めるべく犯罪スレスレを2・3歩通り過ぎた違法捜査を行うベテラン刑事の役所広司。と、コンビを組まされた若手刑事の松坂桃李。

実際のマル暴の刑事さんもそうなんでしょうが、役所広司のガラの悪さが素晴らしいですね。大卒のエリートの松坂桃李がそれに振り回されつつも、最終的には立派なマル暴の刑事として覚醒する。まあそんな感じなんだろーなと思ってたらそんな感じでした。

そこに至るまでがなかなかに生々しくショッキングで、どうしても「ヤクザこええ」が一番最初に来る。この手の単純かつ理不尽な暴力の恐怖を映画で感じることってあまり無いので新鮮に感じます。

ヤクザによるバイオレンス描写は韓国ノワールでよく観ますが、やっぱり海外映画だと自然と現実離れしたファンタジーとして捉えちゃうんですよね。それが邦画で吹替ではない日本語を話しているだけで自分と地続きの世界と感じられてしまう。これは邦画ならではの楽しみですね。

松坂桃李は普通に演技上手いのですが、強面のおっさんまみれの宇宙にただ1人存在する若いイケメンなので画面内の違和感がものすげぇですね。そもそもそういう役どころなので仕方ないんですが。

本作で立派なマル暴として覚醒済みの松坂桃李が、近々公開されるらしい続編でどんだけスレて画面に馴染んでいるかが結構楽しみだったりします。

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