ルーザーズ
なんのひねりもない映画が観てぇなぁと思って、NETFLIXのおすすめから何のひねりもなさそうなこの映画を選んで観てみたらなんのひねりもなくて良かったです。
これはべつに皮肉で言ってるわけではなく、シンプルな筋書きに銃撃戦と爆発があるだけの映画ってたまに観たくなるもんなんですよね。
何者かの謀略により、南米で爆殺された特殊部隊のメンバーたち。しかし彼らは生きていた。存在ごと表舞台から消された彼ら「ルーザーズ」がCIA内部にいるという黒幕に報復するため立ち上がる。
んで、この黒幕が大量破壊兵器でテロを企てて、気に入らない相手、ちょっとミスした人間をバンバン殺す「ぼくのかんがえたすっごいわるいやつ」なので、必然的に復讐劇が世界を救う戦いになります。がんばえー。ルーザーズがんばえー。
中身はメンバーがそれぞれ違った技能を活かして戦う「特攻野郎Aチーム」みたいなやつです。それ以上でも以下でもないですが、こういう映画、疲れてるときに丁度いいんですよね。
星の王子ニューヨークへ行く
30年ぶりの続編が話題になっていたので、まず1から観てみようと思い。
アフリカ・ザムンダ王国の王子であるエディ・マーフィが親に決められた結婚相手を良しとせず、自分で花嫁を探しに自由の国アメリカへ。
「大金持ちの王子」ではなく、「本当の自分」を愛してくれる女性を探すのだ、と身分を隠しオンボロアパートに居を構えバイト生活。貴種流離譚の一つのパターンでしょうか、結構既視感のあるタイプのお話。
古典的だけど鉄板なネタ満載のコメディ。今観ても普通に面白いのですが、30年前の価値観に基づいた人種差別、女性蔑視、拝金主義なネタは正直キツイ部分も多々あります。相手の素性を見てクルクル手のひらを返すタイプの登場人物をギャグとして使うのは俺は本当に苦手なんですけども、30年前ならウケてたんでしょうかこれ。
30年でどう変わるのかというのは興味深いので2もいずれ観ます。
あと、ちょい役で若かりし日(といっても当時39歳)のサミュエル・L・ジャクソンが出てました。出世したんだねぇ。
道端に手書きの特攻服? らしき物が落ちてたんだが「サミュエルLジャクソン」って書いてあってじわじわくる pic.twitter.com/5NdPewKxJn
— baumkuchen (@baumkuchen_) December 31, 2017
ところでこれは数年前に道端に落ちていたサミュエル・L・ジャクソンの特攻服です。
この映画とは全く関係ありません。
JUNK HEAD
その工程を思うだけで圧倒されます。ストップモーションで制作された長編映画。
自作のパペットを使い、微妙に動かして一コマづつ撮影、つなぎ合わせることで作成する秒間24フレームのアニメーション。それが5分のショートムービーではなく、99分の映画一本分。
個展を開けばそれだけで金が取れるようなクオリティのフィギュアやセット。それを「ひとりで」動かして映画を撮ろうなんて、思いついたとしても実際にやるかそんなこと。
……という狂気の沙汰が本当にスクリーンに映し出されているのがもう面白い。想像もつかないような面倒くささの結晶が映画館の大スクリーンで動いとる。
人類滅亡を回避するための生殖遺伝子を求めて、主人公は義体に乗り込み地下3000m以深の世界へダイブする。しかし途中で撃墜されて、頭を残して全身バラバラ。気がついたときには地下の住人たちによって非力なボディに換装されていたのだった。
地下はかつて人類に反旗を翻して戦った人造生物マリガンの世界。奇妙奇怪な生物で満たされたこの地下世界から、はたして主人公は目的を果たして生還することができるのか。
ということで、ストーリーはずっと地下世界で展開されるのだけれど、地下なのにとんでもない広大さを感じさせるセットの作り込みがすごい。これ、陽の光のあたらない穴ぐらの中の話でありながら巨大建造物ものなのです。
煤けたコンクリートと錆びた鉄、そしてグロテスクなクリーチャーと生体パーツで形作られる広大な地下世界。スチームパンクとも廃墟ともつかない薄汚れた風景。
CGではなくミニチュアセットで作られたことによって生まれるリアリティというものは確かにあります。なんというか「本物っぽすぎない」から「そういうものが実際にカメラの向こうにある」ことが良く分かるんですよね。
この映画のセットを眺める喜びって、巨大かつ複雑怪奇な構造体に興奮を覚える工場マニアのそれに近いと思うのですが、この風景がグリーンバックの合成ではなく現実のミニチュアとして存在していると知っているだけで、CGとは別種の感動が生まれます。
CGによるこういうボロけた鉄の世界といえば「アリータ:バトル・エンジェル」のクズ鉄街あたりも最高ですが、それとは別タイプの体験であるということが言いたいのです。どちらも素晴らしい。
実のところ、俺はアニメーションは置いといてこれらのセットが観られただけでも満足できてしまいました。
映画の半分ぐらいは野生のマリガンに追い回されているか、この世界の中を彷徨していたばかりの印象なのですが、この映画は主に風景とマリガンたちの奇怪な文化、そしてクリーチャーたちの動きを楽しむものだと思うので、個人的にはそれで十分です。
セットの素晴らしさだけじゃなくて、マリガンたちにも愛嬌があって本当に良いんですよね。ラボでグロいペットとじゃれ合う3バカとか、エレベーターを操縦しているマリガンとか本当好き。そして一度見たら絶対に忘れられないクノコ屋店内。
これはディスクが出たら一時停止しながらじっくり観たい。セットとマリガンを並べたJUNK HEAD展、本当にやってくんないかな。