サプライズエイリアン理論 ー 最近観た映画の感想

コンスタンティン

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なんで悪魔憑きはみんな天井に貼り付くんだろうね。 

ディヴァイン・フューリー」を観たときにそりゃあもうすげえ中二病だなあと思ったもんですが、エクソシストものの宗教色を薄めるとどうやってもそうなるんだね、ということが分かりました。

前提が「聖」対「邪」だから絶対的正義が主人公サイドにあり、かっこいい聖書の一節を唱えながら戦う。ちょっと悪めのハードボイルド感なんて出したら完璧だ。何をやっても中二的格好良さからは逃れられないのなら素直にそれを楽しむのが正解でしょう。

聖なるメリケンサックと金ピカ十字架のクソダサ銃。ボーリング場レーンの裏のアイテム工房やちょくちょく唐突にぶっ込まれる地獄の映像、腕に浮かび上がる紋章等、詳しいことはよく分からないけど何かカッコイイからまあいいや、って感じで深く考えずにディティールを味わう映画です。

最近はヒゲモジャのイメージが定着しちゃってるので、この頃のキアヌ・リーブスはひたすらにイケメンで驚く。この人こんなだったっけ。そしてガブリエル役のティルダ・スウィントンも中性的でやたらとイケメン。イケメン映画。

カウボーイ&エイリアン 

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ダニエル・クレイグの左腕に変な機械が嵌まっていることを除けば、なんともスタンダードな西部劇が展開されるわけですよ。

流れ者のアウトローが、地元の権力者のチンピラ息子とひと揉め起こす。チンピラ息子は普段から父親の権力を笠に着てやりたい放題なので、保安官は流れ者とまとめてしょっ引いてしまいたい。二人まとめて護送馬車へ放り込み、いざ司法の裁きにかけようとしたところで、元軍人の父親が手勢を引き連れて登場、小さな開拓街は一触即発の雰囲気に。

   というところで宇宙人の戦闘艇が襲来、その場にいた人間を大量にさらっていって全てが有耶無耶になったのでクソ笑いました。なんだこれ。

「サプライズニンジャ」という作劇の法則が提唱されているらしく、いわく、「突然忍者が現れて、登場人物をなぎ倒して去っていく方が面白い場合は、そのシナリオの面白さが足りていない」んだそうで。

そうは言っても、どんなシナリオでも突然忍者が現れて登場人物をしばき倒してったらそんなもん面白いに決まってるので、相当高いハードルを課してるなあと思うのは俺だけじゃないはずです。

つまり、どうやったって面白すぎるサプライズニンジャを雑にエイリアンに置き換えたこのシーンも面白いに決まっているのです。(※注・映画が面白いとは言ってない)

大物俳優はダニエル・クレイグだけでなくハリソン・フォードまでキャストしているのに、西部劇の世界に唐突にエイリアンが襲来するのに、それなのに抜けきれない凡庸さ。エイリアンの超文明に対峙する絶望感や、それでも対立していた人間同士が手を取って立ち向かう熱さ、あるいは突き抜けた馬鹿さ加減など、どれも見当たらず中途半端が否めない。

どうせやるなら「バトルシップ」のような馬鹿さと熱さがほしかった。クリーチャーデザインもいまいち魅力がないし、全体的に妙に淡々としていて、どんな顔して観たらいいのか分かんないんだよね。

まあ最初のエイリアン襲来の瞬間はめちゃめちゃ面白かったのでそこまでは観てもいいんじゃないでしょうか。たどり着くまで30分かかるけど。 

沈黙の戦艦

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戦艦ミズーリの中でセガールがテロリストを相手にダイ・ハードするやつです。音に聞こえた最強コック、ケーシー・ライバック兵曹を一度観ておこうと思いまして。

古典ではないが、そこそこ古い映画の空気感。いかにも昔の金曜ロードショーでやってそうな感じ、今観るとすっげえ良い味わいがあります。

退官直前のミズーリの内部、古いコンピューターや計器類のビジュアルがフィルムカメラによる解像感甘めの映像で映し出されると「うわぁ、親父がビール飲みながら観てた感じのやつだ!!」ってなって、観たこともない映画に謎のノスタルジーを感じる。洋画を観て実家の茶の間を思い出すという。

内容は何の変哲もないダイ・ハードなので安心して観ていられます。元SEALSのセガール無双やセガール拳による謎のナイフ捌き、ただの足手まといから異様に頼れるパートナーと化すヒロイン、ラスボスのトミー・リー・ジョーンズのぞんざいな殺され方など、見所多数。

お約束・王道とよばれるものの源流に近い、こういう作品をたまに摂取するのはとても良いですね。

アップグレード

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Amazonおすすめからの高評価レビューで観てみたけれど、なるほど、これは面白い。

ある日、謎の男達に襲われて妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまった主人公。知人のAI企業トップの助けで脊髄へ最先端のチップを(非合法に)埋め込み、自由に動けるまでに回復したばかりか、人間離れした身体能力を手に入れることになる。

男は死んだ妻の復讐を果たすため、襲撃犯の調査を始めるのだった……。

まず、アクションがすごく良いですね。AIに体の操作を委ねることで、オートパイロット的に戦うことになるんですが、AIなりの合理的な動きと常識離れした身体能力により、人間の体で全く感情のこもっていない無機質なバトルが展開されます。

その面白アクションを強調する独特なカメラワークなども含め、「リベリオン」のガン=カタをちょっと思い出しました。絵面は全然違うんだけど、機械のような動きから何故か連想させるものがあります。

そして襲撃者とその黒幕を追うサスペンス。期待通りの展開、からすごいとこに着地する結末が素晴らしい。終わってから「すげえ良いタイトルだ」って思わされる。SF短編「スパイス」を読んだときのそれを思い出しました。 

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:森岡 浩之
  • 発売日: 2017/10/31
  • メディア: Kindle版
 

 最先端のAIチップがゲジゲジICなのだけは納得いきませんが。

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ちっちゃいトラベラーズノート的なやつを自作した

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財布をMicro Sleeveに変えたことでジーンズの前ポケットが片方空いたので、手帳を突っ込もうと思ったのです。なぜなら手帳をジーンズのポケットから無造作に取り出すと格好いい気がするからです。俺の道具選びなんてそんなもんです。

んで、パスポートサイズのトラベラーズノートを買いました。

革製のカバーにゴム紐で専用のちっちゃいノート(リフィル)を挟むだけのもの。安くてごくシンプルだけど、質感や手触りがよく、革の変化も楽しめそうな良いものです。これは。

しかし如何せん、前ポケットにねじこむには微妙にでっかかった。入らなくはないのだけど、W30のリーバイスにはギリギリ。「格好良さそうだから」でポケットに手帳を入れようとしてるのに、出し入れにもたついてたら格好悪い。

大きさ的にはシステム手帳のマイクロ5穴(A7)サイズが理想的なのですが、俺、システム手帳みたいに真ん中にリングがあるミニノート嫌いなんですよね。書くとこ狭いのにリングが手に当たって尚更書きにくいから。

なので、自分で丁度いいサイズのトラベラーズノート的なやつを作ることにしました。実物を見れば分かりますが、最低限必要な加工は革切って穴あけるだけなので。

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左がオリジナル、自作したのが右。自分としてはほぼ完全に求めていたものが出来上がったといえる仕上がり。色がやたら青く見えますが、これはカメラの影響で、実物はもっと落ち着いた色です。

気に入らなければまた作ればよし。どんな色の革からでも作れるのも自作のいいところです。

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革がまだちょっと硬いので丸まった感じになってますが、使ってるうちにいい感じにヘタレて馴染むはず。

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縦は2cm、横は1.5cm程度のダウンサイズ。微妙な違いに見えますが、この差がポケットからの出し入れのしやすさに大きく影響します。

ちなみに自作しようという考えに至ったのは、トラベラーズノート売り場にオフィシャルのリペアキットがあったからです。

紐そのものは100円ショップので十分ですが、紐の通し方とか金属パーツの留め方が書いてあったので買いました。あとは革カバーだけ用意できればいいなと。

今回は雰囲気を寄せるために金属パーツはオフィシャルの部品を使いましたが、貴和製作所とかで気に入ったものを買ってもいいですし、結び目が気にならないのであればパーツなしでただの固結びでもいいと思います。金属パーツは留め具というよりはただの結び目隠しとしての意味合いが強いです。

リフィルとして市販のA7ノート(74mm×105mm)を挟むので、切り出す革のサイズは二つ折りでそれよりちょっとだけ大きくなるように。

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革は挟むノートの現物合わせで適当に切りましたが、出来上がりを測ってみたらこんな感じ。

カバー留め紐用の2.0mm穴はポンチ(100円ショップで買える)を使って、中央上下に開けたゴム紐を通す穴は目打ち(100円ショップで買える)で開けました。1.0mmのポンチを持ってたらそれを使えば綺麗に仕上がると思いますが、100円ショップにはなかったので。まあどうせ紐で隠れるのでいいです。

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革の厚みとか曲げたときのRがあるので横はそこそこ長いですが、これで折りたたむとノートよりだいたい5mm程度大きい感じになって綺麗にノートが隠れます。 

拡大すると革の裏面(床面)の処理をしていないのがバレバレですが、これは俺が未処理のモサモサした手触りが好きなのと、単にめんどくさかったから放置しているだけです。

革はこれの2.0mmを買ってミンクオイルを塗り込みました。安く買える革ですが全然問題なく使えますね。

ミンクオイルは革を油分で湿らせて色を落ち着かせるのと、革を柔らかくして、しっとりした高級感のある手触りにする効果などがあります。

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リフィルはLIFEのノーブルノートA7方眼罫を余ったゴム紐で2冊つないで挟みました。仕事用とプライベート用。A7で方眼罫のノートってこれしか見つからなかったんですが、ノーブルノートはデザインに高級感があるのでいい感じです。

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あと、オリジナルのトラベラーズノートでも売れ筋のリフィルらしいクラフトファイルもA7サイズで自作。B5のクラフト用紙をスプレーのりで2枚重ねして強度を確保。

これ便利なんですよね。俺はその日のTODOリストとしてちぎりとるタイプのノートパッドをよく使うので、残件のあるシートはちぎって挟んどけば忘れない。終わったら捨てる。

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実物を眺めながら俺が適当に書いた展開図を、CAD使いの嫁さんに清書してもらいました。嫁さん有能。

あとコバ(革の厚み面)はこれで塗りました。めっちゃ青い。水性アクリルって書いてあるのでプラモ用の塗料とかでも良かったのかも。

めんどくさいので詳細な作り方は書きませんが、ここまでに書いた情報と材料、あとはカッターナイフがあれば同じものが作れるので、興味があればハンズとかで材料揃えて適当にどうぞ。やること少ないので適当にやっても適当にいいのができると思います。

ちっちゃい必要がなければ普通にトラベラーズノートを買えばよいです。

もしA7クラフトファイルの展開図が欲しい方がいましたらtwitterで@baumkuchen_宛に言ってもらえれば適当なアップローダーに上げます。

エニグマとサメとワニ ー 最近観た映画の感想

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

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これは素晴らしい。

ひとつの作品でこれだけ多くの感情を描き、観ているこちらにも複層的でなんとも言い難い気持ちと複雑すぎる余韻を抱かせる。あらゆる感情てんこ盛りの映画だと俺は思うのです。エモい(語彙力)。

アラン・チューリングのチームによるエニグマ暗号機解読の実話を元にしたお話。

アランの尊大に見える態度や他人との会話の噛み合わなさから、社会性のない超天才が周囲の無理解をものともせずに無双して偉業を成し遂げる映画だと思わされるのですが、そういうテンプレめいた予想はやがて裏切られます。

アランは自分のマシンで暗号を解読するという方針だけは絶対に譲らないものの、自分ひとりの力ではそれが叶わないこともまた認めて、チームメンバーと打ち解けようと努力をする。んだけど、普段から人との関わり方を知らないからやりかたがヘッタクソで。それがたまらなく愛おしい。

一方で、アランをいけ好かないと思っているメンバーも選りすぐりの暗号研究者なので彼のやりかたの正しさにはやがて気づいていく。だからこそ、ぎこちなくも互いに歩み寄る。こういった友情とか仲間意識以外でつながる関係性が好きでねえ。

その潤滑油の役割を果たすのがチームの紅一点、キーラ・ナイトレイ演じるジョーン・クラークで、この人がまた、これまで見たどんなヒロイン像にも当てはまらない良さ。

アランが一目置く才能を持ち、軍の研究所という男社会で渡り合う。作劇的なテンプレで言えば「強い女」ポジにあたるはずなんだけど、この人はなんというかしなやかなのですよね。

誰にも負けない能力を持ちながら、一歩引いて好かれようとすることを厭わない。現代にまして立場の弱かった女性だからこその戦い方。アランもそんな彼女から学んでメンバーと関係性を築いていく。

その彼女が素晴らしい豪胆さをみせるシーンがとても好きなのですが、ネタバレになるので詳しくは伏せます。

歴史上の事実としてエニグマが解読される日が来るのは分かってるわけで、彼らがどうやってそのゴールに辿り着き、どんな振る舞いを見せるのかというのがこの映画の山場のひとつ。そこでめでたしめでたし、というのがプロジェクトものの映画ではよくあるパターンですが、それで話が終わらないからこの作品は素晴らしい。この作品の複雑な余韻は解読後を観てこそのもの。

単なる「プロジェクトX」で終わってても全然面白いところに、戦争のエグい現実や政治的権謀術数、アランが抱え続けて生きて死んだマイノリティの孤独などをぶち込んで終戦後までをたった2時間にパッケージ。その2時間で不足も蛇足も感じさせない美しい映画に仕上がっております。

たった2時間でこんなにも。「~が好きなら」みたいな枕詞抜きでおすすめ。

あと単純にチューリングマシンのビジュアルがめっちゃ格好いいのでメカ好きも観るのが良いと思います。

デビルシャーク

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超名作から最悪のコンボを組んでしまった。

Z級サメ映画には往々にして「サメがほぼ出ない」という特徴があるようですが、この映画もそれを地で行っています。

嫁さんが「ゾンビーバー」を観たことをtwitterで呟いたらフォロワーからこの「デビルシャーク」をオススメされてしまったらしく、また、俺は俺でこの映画の酷さは伝え聞いていたので、喜び勇んで嫁さんと一緒に観たわけです。

いや、すごい。これ観るとデビルマン」はまだマシなのがわかる。あっちは原作付きという事もあってストーリーは分かるもの。

誰かが水に近づく → 3秒ぐらい報道番組の解説CGみたいなサメのカットが映る → 襲われる、または取り憑かれる演技(サメ無し) → 突然場面が切り替わる

という事が延々繰り返されます。

とあるサメ映画のレビューで「サメと人が同じ画面に映っている」という褒め言葉を目にしたことがあるのですが、ようやく意味が分かりました。

低予算映画には演技が下手、脚本が下手、カメラが下手、画作りが下手、という作品が少なからずありますが、この映画は加えて編集が絶望的に下手、というか描写するのが面倒くさくなったら適当にぶった切って出来事の顛末は視聴者に各自考えてもらうという手法をとっています。

おかげですべてのシーンの繋がりに全く脈絡がないうえに、頻繁に全く意味のないシーンが挟まるので何が起きたのか一切把握できないまま映画が進みます。観ているとホラーと違う理由で心が不安定になってきます。

馬鹿なわけでもなく、悪ふざけをしているわけでもなく、ただひたすらに全てが下手くそなだけの映画。それでもこれを完成させて世に出す思考が一体どこから湧いて来たのか、それが分からなすぎて一番怖い。 

クロール ー凶暴領域ー

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サメからワニ。普通の評価がついてるアニマルパニック映画で口直ししようと思って。

超巨大ハリケーンが接近する中、家の床下になんかワニがいて、父娘が命がけの脱出を試みます。こんなシチュエーションですが、馬鹿パニックではなくシリアス系。

この父娘、ピンチに陥って話を盛り上げるためだけに愚かな行動ばっか取るんですが、これを観たときの俺はワニがちゃんとワニなだけで全て許せたし、ワニと人が同じ画面に映ってるのすごいなあ、とか思ってました。

ワニの皆さんは有象無象のモブをアグレッシブにお食べあそばされます。基本、水中に引きずり込まれて見えない所で食われるので、えぐいゴア描写が少ないのも良いところ。

食われるのは災害に乗じた火事場泥棒とか、視聴者的には何の思い入れもない主人公の姉の元カレとかなので、元気よくまりまり食われまくる食べコンボにはある種の爽快感があります。まあそれだけの映画なんですけど、アニマルパニック映画なんてそれで十分ですね。

あと、嵐の屋外の映像が彩度低めのコントラスト強めに加工してあって、水墨画みたいなカッコよさがあります。ワニもいいけど水害描写が良かったな。

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財布はもうbellroyのMicro Sleeveだけでいいや

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財布。以前買った中国製パチモンThe Ridgeが壊れたので、しばらく使い古したASUMEDERUのベスポジIIを再利用してたんですが、さすがにだいぶヘタレてきたので新しいのを買いました。

これまで使ってた財布がこれら ↑ で、新しく買ったのがbellroyのカードスリーブ。

上記の記事にも書いているとおり、小銭は最低限お釣り分だけ入ればいいという考えで自作の小銭入れを使っているので、財布は紙幣とカードだけ入るものがあればいいというのが基本スタンスです。

パチモンRidgeもベスポジIIもそこそこの枚数のカードが持てるものを選んだ結果なのですが、よく考えるともはやカードもそんなに使わねえなと。

  • SUICA → モバイルSUICAに移行済
  • クレカ → ヨドバシの黒カードだけあればいい(ヨドバシ原理主義)
  • 保険証・診察券 → めったに病院行かない
  • シネコンの会員カード → コロナであまり行けないしそもそも新作上映が減ってる

ということで、大幅に整理して免許証とヨドバシのカードとキャッシュカードの3枚だけ持ち歩くようにしています。それすらめったに使わないし。

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上から見た面積はベスポジII(普通の二つ折り財布程度)より少し小さいぐらい。

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しかし厚みが全然違う。ベスポジIIは折り返しの分だけどうしても端は膨らんじゃいますし、カードの枚数が増えてくると更に差が広がります。

ベスポジIIのカード入れは6枚分。それだけでもそこそこの厚みになりますし、重ねると普通にもっと入っちゃうのでつい入れちゃってました。

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一方Micro Sleeveの方は、1ポケットにカードはMax2枚。反対面にも同じ形状のポケットがついていて、全部で4枚入ります。

むりやりねじ込めば片面3枚もいけなくはないですが、キツキツで出し入れが極端にしづらくなりますし、革が伸びちゃって寿命も縮みそうなので公称スペック通りに運用するのが無難かと思われます。 

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紙幣は真ん中に。はみ出さないようにするには3つ折りにする必要がありますが、折り重ねればその分厚みも増えるので、2つ折りではみ出させたまま使うというのもありです。 革の弾力で挟むだけなので使用感はマネークリップに近く、そう考えると紙幣がはみ出しててもあんまり気にならないなと。

この写真は3つ折りで4枚の紙幣が入っています。額面別に畳んでおくと使いやすい。

入るか入らないかだけで言えば3つ折りでも10枚ぐらいは余裕だと思いますが、俺はそもそもそんなに現金を持ち歩きたくないので、そうはなりません。

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紙幣を出し入れする際はこうやって左右をぐっと押す。表と裏でカードの入る向きが対称になっているので上手くひし形に開いて指が入るようになります。

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カードで隠れちゃうところにメーカーロゴのフクロウが刻印されていて、取り出したときだけちょっと見えるのがけっこう好きです。

このMicro sleeveを財布代わりに使うことの良さは、言うまでもなくその薄さ。ジーンズの前ポケットに入れていると、あまりに異物感がないので、一瞬財布を忘れたかと思ってポケットを探ってしまうぐらいにスルッと収まります。

革製ということもあり、椅子に座ったり動いたりでポケットに圧がかかっても、硬いスマホのように存在を主張することはありません。画面を傷つける心配もないので、スマホと同じポケットに入れてしまってもいいですね。そうすれば財布とスマホで両方塞がっていた前ポケットが片方空きます。

空いたポケットを何に使うでもないんですが、多少持ち物が増えても手ぶらで外出できる余地が増えたというのが大事。外出時はできるだけ持ち物を切り詰めたいので、バッグを持たずに済むのが最上なのです。

ちょっと薄すぎて本棚と壁の隙間に落ちてたときには、買って早々に無くしたかと思って心底焦りましたが。置き場所はちゃんと決めておいたほうがよさそうです。

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あとこれを書くために昔の記事を見たら、小銭入れが作った当初から恐ろしいほどの変色と変形をしておりビビりました。「テスト運用」とかいいながらもう6年以上使ってるし、今後もまだ使う。物持ち良いんだか悪いんだか。

Chromecast with Google TVで毎日映画を観ている

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NetflixやAmazon Prime Videoのマイリストって溜まっても案外観ないんですよね。観たいと思ってブックマークしてるのに。

うちは「さあ映画観るぞ」とプロジェクターをONにするときを除いては、飯食うときにニュースを流したり適当なアニメか海外ドラマを流す以外に映像作品を観る機会がないのですが、最近はそのタイミングで映画を流すことが多くなりました。

普段から習慣的に何かを観ている時間に、観たかった映画をねじ込む。積読消化みたいなもんです。こういう映画の消費の仕方は怒る人もいそうな気がしますが、「時間ができたら観よう」は大抵時間ができても観ないので、消費だろうと消化だろうと観といた方が充実した時間が過ごせます。

もとより2時間ぶっ通しで観る気はないので、食事が終わったら中断したり、面白ければそのまま最後まで観たり。テレビの洋画劇場だってCMのたびにブツ切れになってその間にお茶入れたりトイレに行ったりするんだから、自宅で映画なんてそのぐらい適当に観りゃいいんです。

加えてさらに、映画を観始めるときのハードルを極力下げたいと思いまして。

もともとは食卓上に置いていたGoogle Nest Hub Maxの画面にスマホアプリからキャストして観ていたのですが、毎度アプリを立ち上げるのがかったるい&シーク性能があまりよろしくないので卓上サイズの小さいテレビとChromecast with Google TVを買ったのです。

Google TVめっちゃ良いですね。たぶんFire TV Stick 4Kでも同じようなことはできるので、その辺は個人の環境次第で選べば良いと思うのですが、同じインターフェースで複数のサービスを横断的に扱えるのが非常に便利です。

物理ボタン一発、もしくはGooglehomeへの呼びかけでテレビの電源ごと起動でき、ホーム画面には登録済のサービスからのおすすめがまとめて表示される。

もちろん検索も一括で。観たい作品がある場合、スマホやPCだとそれぞれのサービスで検索をかけなきゃいけないところが、Google TVならリモコンのマイクにタイトルを言うだけで視聴可能なサービスを全部引っ張ってきてくれる。

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上の画像なら、レンタル・見放題含め、4つのサービスで視聴可能ということ。便利すぎだわこれ。

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具体的にタイトルを指定しなくても、検索はGoogleですから適当に曖昧なワードを放り込めばそれなりの精度で返ってきます。

「SF映画」などの大きなワードで検索すると「人気のSF映画」に始まり「SFアクション映画」「SFファンタジー映画」「宇宙人侵略SF映画」「人工知能がテーマのSF映画」「地球外生命体がテーマのSF映画」「サイバーパンクSF映画」その他もろもろ、と細かくカテゴリ分けして大量に拾ってきてくれるのも結構すごい。

さらに、ユーザーはGoogleアカウントと紐付いているので、PCやスマホのブラウザで気になる作品を見たいものリストに入れておけばGoogle TVから参照できます。

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ブラウジング中に気になったものがすぐブックマークできるのがまず便利だし、加入しているサービスにない作品もとりあえずブックマークしておいて、見放題に追加されたらすぐ分かるようにしておく、なんて使い方もできます。

それと、当たり前ですが普通のChromecastとしても使えるので、スマホの対応アプリから映像を飛ばせます。

上の記事で書いているように、スマホで見ている動画を簡単に大画面でシェアできる、というのが主な使い方。家族がいると何だかんだでこの機能もよく使います。

他にも色々アプリはありますが、個人的にはSTEAM LINKが結構嬉しいです。手元のノートPCから手軽にゲーム画面を飛ばせるやつ。今嫁さんとBABA IS YOUを遊んでるところなので。

一人で遊びがちなPCゲーム画面が簡単にシェアできるのはなかなか良いものです。

ソニーのAndroid TV対応テレビも持っていますが、シームレスな使い勝手でGoogleTVが一枚上手。大型の上位機種にしか実装されていない機能(というか、それを上回る機能)を省スペースな小さいテレビでも実現できるということでもあります。

適当な映像に素早くアクセスできるので、従来テレビ放送の「とりあえず観るでもないBGVをすぐに流せる」という大きなアドバンテージも埋まってしまいました。

本当にいいですよこれ。元からうちにはアンテナを付けてないけれど、もう本当に地上波いらねーわ。

エナージェルの1.0mmが良い

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どうも、ぶっといボールペン愛好家です。

昔からボールペンはボール径が大きいものを好んで使います。線が太いとなんとなく字の汚さがやわらぐ気がするからです。

なので、ボールペンは1.0mm径のものをよく使っているのですが、最近買ったぺんてるのエナージェルがいたく気に入ったのでその話をします。

エナージェルの1.0mmはまあとにかく線が強い。ボールペンとしては破格に太いし黒い。書き味を売りにしたボールペンとしては三菱鉛筆のジェットストリームが一番メジャーだと思うのですが、同じ1.0mm同士を比べてもその違いは明らか。

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エナージェルはアホかってほどインクがドッパドッパ出るので書きだしから掠れることがありません。ジェットストリームも流石に貫禄の滑らかさなのですが、やはり油性インクは粘度が高いので、まとまりが良いぶん線は細いし、掠れもちょっと出る。

一方のエナージェルはペン先がもたつくとインク溜まりが出来たりするので一長一短というところですが、いずれにせよ些細な問題なので好みで選べばいいやつです。

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なので俺はエナージェルを選びます。

色々試し書きをしましたが、油性インクだと1.6mm径のボールでもこうはなりません。試した中で唯一同じような線が引けたのは同じくゲルインクのユニボール シグノ 太字だけでしたが、これはキャップ付きのペンなので、気軽さの点でノック式のエナージェルの方に軍配が上がります。

個人的にはこの線の視認性の良さが嬉しい。

写真で使っているのはちょっとしたメモ用に買ったロディアのメモパッド。方眼罫が濃すぎて文字が見づらく感じたので別にドット方眼のものを買いなおして使っていたのですが、この線の強さはロディアの方眼にも全然負けていません。

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比較するならもはやボールペンよりもサインペンや油性マーカー寄りで、線の太さや濃さで言えばマッキーの極細に近い。 

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しかし、裏写りの違いは歴然。次の紙にまで写っちゃいますからメモパッドではあまり油性マーカーは使いませんが、エナージェルなら余裕でぶっとい線が書けます。

また、滲まない分だけ若干ですが、線そのものもシャキッとエッジが立って、見やすいように感じます。

そして書き味は雲泥の差。大きいボールとゲルインクの恩恵か、なめらかで振動をほとんど感じません。俺はマーカーのカスカスとした感触やキュキュッという摩擦音が苦手なので本当にありがたい。

ラミーの記事でも書きましたが、インクを「擦りつけている」のではなく、「流しこんでいる」という感覚になるペンです。

滲まず、掠れず、抵抗なくこの太さの線がスイスイ引けるというのは面白い感覚で、何で俺はいままでこのペンを使ってこなかったんだ、とすら思います。(店頭でも目立たないところに置かれてる気がする)

これはデスク上に常備して、大きな文字でなぐり書きをするようなメモに使いたいですね。字が小さめになりがちな野帳には向かない気がするので、そちらは変わらずラミーで。ちなみに上の記事のときに買ったラミー、まだ使ってます。コスパ良すぎ。

「ゾンビーバー」のエンディング曲が頭から離れない ー 最近観た映画の感想

鍵泥棒のメソッド

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食い詰めた売れない役者が、銭湯で転んで病院送りになった男の荷物をどさくさまぎれに盗んでしまった。良心の呵責を感じつつも男が記憶喪失になったのをいいことに成りすまして羽振りの良い生活をしていたら、実は男の正体は伝説の殺し屋で、クライアントから新たに殺しの依頼を受けることになってしまう。

アフタースクール 」の監督ということで、最終盤で意外などんでん返し(だった気がする。内容忘れたからまた観よう)にやられる話を想像していたのですが、どちらかというと、着実に積み上げた伏線をきれいにまとめて消化する、といった感じです。意外性に殴られるタイプの脚本ではありませんでした。

もちろんだから良くないという話ではなく。場面場面のちょっとした違和感の正体に、後からなるほどそういうことか、と膝を打つ、そういう形での脚本と演出の妙。俺これすげえ好きです。

売れない役者の堺雅人はとことんだらしないダメ男なのですが、本質的なところでお人好し。きっちり「憎めないクズ」をやっています。

一方の殺し屋、香川照之は生来の真面目さ、几帳面さ、地道な努力で記憶を失ったまま役者として実績を積んでいく。裏稼業の人間なのに、その素顔は実直な好人物。

入れ替わりによって強調されるこのコントラストが本当に楽しい。どんどん香川照之が好きになっていく一方で、右往左往する堺雅人も「憎めないクズ」ポジションをしっかりキープ。ダメな奴なんだけど助かって欲しい、そう思えるのは台詞回しと相変わらずじんわりとした顔芸のおかげでしょうか。

ヒロインの広末涼子も一番の常識人に見えて実はナチュラルにネジが外れているタイプの優等生キャラという、面白い立ち位置(フィクションでは結構ありがちだけど)。俺、多分この人の演技を見るのは初めてで、よく大根役者と言われている印象があったのですが、全然そんなことないのでは。

基本、あんまり感情を出さないタイプのキャラだったので粗が出にくいということもあるかもしれませんが、それでも無表情が剥がれ落ちて時折垣間見える感情の演技は普通に良かったと思います。

しっかりとした脚本の上でメインの3人がしっかり仕事しており、カメラワーク含めた演出面も巧妙。まさに盤石といった趣で誰にでもおすすめできます。

演技指導のシーンとか本当に好きだわ。

ゾンビーバー

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B級パニック映画はだいたい一人で観るのですが、今回たまたま嫁さんを付き合わせてみたらずっと嫌そうに観ていたのに、終盤の怒涛の展開で案外楽しめちゃったらしく、「クッソこんなので……」ってなってたので謎の勝利感がありました。

タイトルだけでもはや何の説明も要らないことがお分かりいただけると思いますが、廃棄物で凶暴化&不死化したビーバーの群れに襲われて登場人物がだいたい死にます。

湖畔のキャビンに集った若者が順次死んでいく映画では、最初の死人はこっそり抜け出して外で行為におよんでいるビッチかヤリチンのどちらかと相場が決まっているのですが、この作品に登場する若者たちは全員クソビッチとヤリチンなので誰から死ぬのか全く分からないという点で非常に斬新といえます。

下ネタトークは普通に不快ですし、登場人物の性格も概ね最悪ですが、おかげで誰が死んでもこれっぽっちも心が傷まないのが非常に良い点です。

唯一辛いのは犬を犠牲にして逃げるシーンですが、エンドロールで見られるNGカットで大変ほっこりして救われるようになっています。すばらしい。

明らかにショボいパペットのビーバーが、もぐらたたきのように床をぶち抜いて襲ってくる。タイトルに違わず失笑もののシーン満載なんですが、それでもこの映画が楽しく観られるのは役者の演技がガチだからです。

ぬいぐるみ相手に本気で怯え、本気で逃げ惑う。「ゾンビ」のみでなく、「ビーバー」まで感染したビーバー人間となって、獣の動きで生存者に襲いかかる。

低予算だから、ジョークだからと妥協せず、大真面目に悪ふざけをしている。俺にとってのB級映画の良し悪しはその辺りにラインがあるのだなあと実感しました。どうせ観るなら真面目に頑張ってる馬鹿を観たいもんですね。

※別におすすめはしません。

search/サーチ

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映画の全てがPCの画面だけで展開されるサスペンス。行方不明となった娘をWEBを駆使して探す父親の話。

「全編PC画面」ばかり取り沙汰されがちですが、むしろ肝となるのは情報の見せ方や使い方。娘のSNSをハックして洗った交友関係や過去のぼやき、ニュースや素材画像に至るまで、全てがWEB上にあるものなので、後から掘り出すのも容易。

一度はさらっと通り過ぎた情報をどんどん掘り出し直して、点と点がみるみる繋がっていく展開が実に見事で、このスッキリ感のためだけに観ても損はしないと思います。

WEBの情報だけで真相にたどり着く父親はまさに現代の安楽椅子探偵。あまりに性能高すぎなのではと思いもしたのですが、よく考えたら鬼女板の人たちもこのぐらいサラッとやってのける気がするし、集合知で事件を解決する、そんな映画が観たい。ジャンルがホラーになるけど。

PC画面だけなのに人間模様も妙にリアルで、チャットアプリ上で展開されるぎこちない父娘関係や、娘を探そうとしてその娘のことを何も知らないことに気づいて呆然とする父親。必死で娘の手がかりを探す父に塩対応だった娘のクラスメイトが、報道で失踪事件が有名になるや、途端に親友ヅラで涙ながらの呼びかけ動画をSNSにアップするなど。

したり顔で事件を語りだしたクラスメイト連中は全員炎上して骨まで燃え尽きればいいのにと思いました。そしてその手の気持ち悪さの表出含め、ネットらしさのフレーバーが上手に使われているのも良かった。

この映画は先にやったもん勝ちというか、以降はどうしたってパクリにしかならないのでフォロワーは出てこないと思われます。ネタが古くならないうちにさっさと観てしまうのがおすすめです。

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ゾンビ映画は全部こういうのでいい ー 最近観た映画の感想

コードネーム U.N.C.L.E.

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全くタイプの違うCIAとKGBのイケメンスパイが手を組んで、世界の危機に立ち向かう。

ファッションや立ち振る舞い、ひとつひとつの言動や部屋の室礼に至るまで、ガイ・リッチーの映画はスタイリッシュで隙がない。

なので毎回はまり切れない俺がいる。こんなオシャレなもん絶賛できる人間じゃねぇんだよう俺は、って毎度毎度なる。ロックストックとスナッチしか観てないですが。

いや、面白いんですけどね。派手さはないけど、テンポのいいストーリーとアクションでずっと退屈しないで観ていられるし、コメディ要素もいい感じ。「小気味いい」という言葉がしっくりくる。

それを手放しで褒められないのはスマートで格好いいものに気恥ずかしさを感じてしまう俺の僻み根性ゆえで、根本的なところで相性が良くないとしか言いようがありません。

それでも観た作品は全部面白かったんだからすげえよな、とも思う。

クワイエット・プレイス 

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音に超反応して襲いかかる謎のクリーチャーが跋扈するようになってしまった世界。生き延びた僅かな人類は文字通り息を潜めて生活しているのだった。

ものすごく面白そうな設定のシチュエーションホラーなのに。

誰もがツッコむでしょうけれど、どうしても言わずにいられないので俺も書いておくと、何故その状況で子供を作る? 妊娠してからクリーチャーが現れたんじゃなくて、明らかにクリーチャーが人間を襲いまくっている真っ只中でご懐妊してるんだよ日数的に。

この辺、作中の時系列を変えておけばいいだけなのに、何故かそんな順番になっちゃってるもんだから観ててずっと何してんのお前ら。って考えが拭えなくなっちゃうんだよね。ほんと何してんのお前ら。

音を立てちゃいけない状況で産声をあげさせたかったんでしょ。わかるよ。でも流石に考えなしにも程があるでしょうよ。制作陣が。

で、ずっとその思いが頭の中から離れないまま観ることになるんですが、その思いは最後の5分で「銃効くんかい」に塗り替えられます。

いや、効くのかよ。それならなんで人類ここまで追い込まれてんの。この世界の軍隊は全員チンパンジーか何かで編成されてんのかな?

砂を敷いて歩くとか、非常事態をライトの色で伝えるとか、ディティールにはこだわってるのに、シチュエーション作りがえらく雑なので茶番にしか見えないのだよね。

いっそ「ミスト」(映画版)オチなら多少は説得力がある気もするんですが。ないか。

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

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うん。まあ面白くはなかった。

「ジョーカーの女」を笠に着て好き放題やってたハーレイが、ジョーカーに捨てられる。それを聞いて四方八方から復讐に来る男どもを千切っては投げたり投げられなかったりする。

ということで、そこら中でやりたい放題暴れるハーレイのアクションが見どころなんだけど、華奢なハーレイの攻撃力に説得力をもたせるためにやたら回転して遠心力を使ったり長い助走したりすんのね。

敵がわざわざ攻撃を喰らうまで待っててくれてるように見えちゃって、あんまり爽快感なかったなあと。

マーゴット・ロビーのハーレイ・クインは本当に似合っててハマり役だと思うんだけど、悲しいかな「スーサイド・スクワッド」共々、登場作品が面白くない。

DCEUの映画はMCUと比べて当たり外れが激しいね。次のスーサイド・スクワッドはジェームズ・ガン監督なので期待してますが。

ザ・フォーリナー/復讐者

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IRA(アイルランド共和軍)系組織の爆弾テロで一人娘を失ったジャッキー・チェンが復讐のため孤独な戦いを始める。

これは全くもって俺個人の問題なのですが、最後に見たジャッキー・チェンが「カンフー・ヨガ」だったもんだからその落差のひでえことよ。

だからこそ常に悲しみを湛えたジャッキーの演技が映えたと言い張ろう。ああ、ジャッキーってこんな役もできるんだ、と心の底から思えたので。

作中の殆どの時間で、戦う相手は犯人ではなくピアース・ブロスナン扮する北アイルランドの副首相。というのも、ジャッキーは実行犯が誰かもわからないので、犯人を教えろ、と元IRA活動家の副首相を脅迫するわけです。爆弾で。

元特殊部隊所属の卓越した戦闘能力ではなく。使うのはまさかの工兵スキル。まさかの爆弾テロ返し。意外な展開すぎて開いた口が塞がんねぇですわ(褒めてます)。

対人戦のアクションはいつもどおりジャッキーらしい周囲の環境を利用した戦い方。動きそのものはまるっきりカンフー映画なのに、風景や画作りのトーンがヨーロッパになるだけで全く別のものに見えてくるから面白い。

これは先日「燃えよデブゴン/TOKYO MISSION」で感じたのと全く逆の感覚。あっちは東京なのに香港にしか見えなかったなあ。

ともあれ、終始目が死んでるジャッキー・チェンは非常にいい感じでした。カンフースターとしてのジャッキーのファンからはあまり評価が高くないみたいですが、俺は好き。じっとりと執念深いストーキングをするジャッキーは新鮮ですよ。

ゾンビランド

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「自分ルール」を守り、わりかし気楽な感じでゾンビアポカリプスを生き延びた主人公。同じノリで生き残っていた人間たちと安住の地を探して気ままに旅をする。

コメディタッチでふわっと軽く描写される人類滅亡と、適度に弱いゾンビ。緊張感なんてこれっぽっちもありませんが、ゾンビ映画なんて全部このぐらいでいいと思ってる。

要約したら5分ぐらいで終わりそうな内容ですが、演出もテンポもいいので間延びを感じさせない。いや本当に内容はないんだけど。

途中、「ゴーストバスターズ」のビル・マーレイが本人役で出てきます。カメオ出演と言うにはやたらと長く、そのうえストーリー的には全く要らないくだりなんですが、突然色々雑になって妙に面白いので大好きです。全体的にきっちり作られてる映画なのに、そこだけ急にクソ映画化するの。

主人公のジェシー・アイゼンバーグはどっかで見た顔だと思ったらBvSのレックスか。ナード学生役が似合いすぎ。

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ミニマム本棚のすすめ

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うちはリビングにソファーとかローテーブルとか置いてないんです。狭いから。

なのでリビングでくつろぐときは専ら床。大きめのラグとヘタレきったビーズクッション、あとはこたつ布団(こたつ本体は処分済)の組み合わせでゴロゴロするのが我が家における食後の過ごし方です。

このスタイルは気楽で快適、なにより家具がないので掃除がめっちゃ楽なのがとても良いのですが、本やスマホ等、一度手にしたものを置く場所がないのが大きな問題です。

うっかり踏みつけかねない床に大事なものを置くのはやはり気分が良くない。それに小物を床に直置きすると、いきなり部屋がとっ散らかった感じになってしまうのもいただけない。 

ということで作りました。箱。嫁さん用のとふたつ。

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ひとまずメインの本棚から読みかけの本と積読本を移します。床に出しっぱなしになってた漫画も入れました。

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前述の通り読みかけ本の退避場所として作ったんですが、積読の存在が強調される&積読(+α)だけ手元に持ってこれるというのが意外と良い効果を生むようで、手持ち無沙汰で寝っ転がっているときにスマホをいじらずに本を手に取ることが増えました。

スペースが限定的なので、次の本を入れられるように早く読んで場所を空けようという意識もちょっと働きます。つまりは積読の消化がはかどる。

ちなみに左端の本は自己啓発本の中でも名著中の名著と呼ばれるD・カーネギーの「人を動かす」愛蔵版です。中学生の頃に箱入りで父から贈られた高級本。

何度も読み返したいからここに置いている、わけではなく、当時から今に至るまで未だに通読できておりません。ここに置いときゃ読めそうな気がしないでもない。

長年積読のまま引っ越しのたびに新しい家に並べ直している代物で、ずっと気にして意識の片隅にあるという意味で今の俺を形作った要素のひとつではあります。すまん父。 

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常駐する場所が変わっても箱ごと簡単に移動できます。机の上とか寝室とか。

Helinoxの椅子は軽いので、窓際の日当たりがいい場所や、ダウンライトの直下に移動して本を読むときに時々使ってます。

まあ、その場合は普通に読んでる本を手に持って移動するので、こんな風に箱ごと移動させたりはしませんが。この画像は何か「ていねいな暮らし」的なしゃらくせえ写真が撮れないかと試みて失敗しているだけです。 

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あと、横になったまま本を読んでいてウトウトしてきたらメガネを置いて眠れます。目覚めたらいい角度で置かれてたので撮りました。スマホとかも置きます。便利です。

「置き場」を用意するのって大事ですね。 

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作り方は説明するまでもないと思うんで、サイズの参考に。縦270mmで大判単行本がいい感じに入ります。1x6材だと奥行きはだいたい140mmぐらいです。もっと深いのがほしければ1x8材でも。

1x6なら6ft(1820mm)で800円とかそんなもん。ホームセンターでカットまでしてもらえば、ドライバーでネジ止めするだけでも作れます。できればドリルで下穴ぐらいは開けることを推奨しますが。

あとは100円ショップで紙やすりを買ってヤスリがけだけはして、塗装はやりたきゃやりましょう。 

思いつきで作ったこのミニマム本棚、思ったよりも便利だったので記事にしましたが、利便性は別にしても「今読んでる本」「これから読む本」が視覚化されるだけで結構楽しいです。

たまに写真に撮って、後でその変遷を眺めるのも面白いかもしれません。その時々の精神状態とかが表れそうなので。

バレーボールとガチ喧嘩する人を見た ー 最近観た映画の感想

キャスト・アウェイ

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飛行機墜落・遭難からのサバイバル映画なんですが、遭難シーンが下手なディザスター映画よりよっぽど怖い。だからむしろサバイバルの右往左往は癒やしのシーンだったりする。少なくともすぐには死なないからね。

生存のために必要だから火をおこすとか飲み水を確保するとか無人島サバイバルものってみんな同じことをやるんですけど、同じことを何回見てもやっぱり面白いんですよね。期待に外れず努力と工夫、少しばかりの運によるブレイクスルーが見られるのが分かっているので。苦心の末にようやく火をおこして狂喜乱舞するトム・ハンクスを観られるのは予定調和といえども嬉しいに決まってるわけです。

そしてバレーボールと大喧嘩をするトム・ハンクス。バレーボールと仲直りするトム・ハンクス。海に流されたバレーボールを命がけで助けようとするトム・ハンクス。

俺、別にトム・ハンクスが好きってわけじゃないんですが、バレーボールを親友とすることでギリギリ精神の均衡を保っているというその演技には、やはり目をみはるものがあります。映画の大半が一人芝居なのにその感情の起伏の激しいことよ。喧嘩のシーンとか普通に笑っちゃったもんなあ。

あと、サバイバルにおけるほぼ全ての問題を解決するダニエル・ラドクリフの死体がどんだけ反則なのかよく分かりました。

なんとか救出され、文明社会に復帰したあとの尺も結構長くて、山程食べ残されたホームパーティの料理や、簡単に火のつくライターなどに感じる虚しさには「ミノタウロスの皿」に近しいものがあって好み。最後はポジティブに終わるので、ハッピーエンド好きにも安心しておすすめできます。

それはそうとNETFLIXは「キャスト・アウェイ」で検索したときの候補に「スイス・アーミー・マン」を入れるのを止めてください。

新解釈・三国志

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福田雄一作品は「HK/変態仮面」とかすごい好きなんですけども、これは心底合わなかったですね。

変態仮面の後に勇者ヨシヒコを観てみて、ブス連呼するところでこりゃ無理だ、とそれっきり続きを観ていないのですが、まさか今更同じネタを見せられるとは思わなかったよ。

道徳とかマナー以前に、美醜感覚の違いをなんのひねりもなくそのままギャグにするのはあまりにもセンスが古すぎじゃねえの、という話。単純に全く面白くない。

全編にわたってずっとそんな感じでした。

あと佐藤二朗は佐藤二朗でした。

ワンダーウーマン1984

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DCEUのビッグタイトルだし、一定以上のクオリティがあることは認めるけれど、それにしたってあまりにも脚本が雑じゃないですかね。

願いを叶える代わりに、その願いに見合った代償を奪われるという、いわゆる「猿の手」的な石の争奪戦がストーリーの主軸なんですが、肝心の「代償」周りの設定がガバガバなんですよねぇ。

「願いを叶えた代償として、願いで手に入れたものを全て奪い取る」みたいな、ルールというにはあまりに乱暴な、屁理屈みたいなチートがまかり通ってしまうので興ざめしてしまう。かと思えばスーパーパワーを手に入れたヴィランの失ったものは「優しい心」とか。なめてんのか。

願いを放棄すれば代償はあっさり戻ってくるし、石を創った邪神さんが設定を間違えてるとしか言いようがない。

観てればこの辺の設定でもってやりたかったことはよく分かるんだけど、あまりにも分かりやすすぎと言いますか。要するに意図が露骨すぎて安易とのツッコミは免れないでしょこれは。お涙頂戴はもっと上手くやれよという話。やる前から「感動の展開」がまるわかりなんだもん。

あと前作のラストバトルなんかもそうだったんだけど、時々CGがクソダサくなるのなんなんでしょうね。

ダイアナとスティーブで「文明についていけてない人」が逆転してるくだりは好きです。

アフリカン・カンフー・ナチス

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第2次世界対戦を生き延びたヒトラーと東条英機はガーナへと落ち延び、新たな「ガーナアーリア人」の帝国を作り上げていた。

カンフー使いの主人公は師匠の敵を討ち、恋人を救い出すために新生ナチスが開催する殺人格闘トーナメントに身を投じるのであった。

ちょっと前にB級好きの間で盛り上がっていましたが、面白くはなかったです。

字幕がみんな関西弁だとか、旭日旗にハーケンクロイツだとか、顔に白い粉をはたいただけの「ガーナアーリア人」だとか、東条英機役の下手すぎる演技だとか、「大きい黒人の女の子(役名)」だとか、B級好きが大喜びでツッコミを入れそうなネタには事欠かないのですが、あえて作ってる感じが強すぎて天然物のパワーを感じない。

ショボさを笑いの要素にしようとするなら実際はどうあれ「狙ってる」感じを出しちゃうのは下の下だと俺は考えていて、そういう意味で字幕を関西弁にしたのは初っ端から大失敗だと思うんですよ。これはボケですよと喧伝してるボケじゃ笑えない。

ドヤ顔のボケにいちいちツッコむのも野暮の極みというか、自分がすげえ面白くない人間に思えてくるので語る口も重くなろうというもんですよ。

ヒトラーや東条英機は多少なりとも本物に寄せる努力をしている(?)のに、ゲーリングだけ何の説明もなく現地ガーナ人の役者を使ってるので、そこだけは普通に笑いました。

燃えよデブゴン/TOKYO MISSION

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昔ながらのカンフーコメディをやろうとしてるのはわかるんだ。わかるんだけど、その手の作品に出がちなお約束キャラクターを今の時代に目にするのはキッツイわ。

全然人の話を聞かないで喚き散らす恋人や、なにかと自分の支払いや借金をドニーに押し付けようとする上司、わざとらしく棒読みの竹中直人とか。トラブルメーカーしか居ない人間模様の中でたびたびギャグを挟んでくるけれど、全然笑えない俺は中国ギャグに向いてないらしい。

そんな中で相変わらずドニー・イェンのアクションはキレがあって、この映画唯一の救いと言えます。デブの特殊メイクついでに肌もツヤツヤになってえらく若返って見えますね。

セットで作られたウソ東京の繁華街。屋根や看板に登ってアクションしだすと、馴染みのあるチェーン店や標識が映っててもテイストが完全に香港映画になっちゃうのは面白かったです。

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