水槽を初めてからというもの魚やエビを眺めていると1時間近く吹っ飛んだりするので映画を観る頻度が下がっております。
マク まとめ。そうねえ。「海老は怖い」ということしかないんじゃないの。
編 そうですね。
白熊座の女は真夏の夜にここぞとばかり舌を鳴らす/深掘骨 - http://bungei.net/bun/hone.pdf
猿の惑星:新世紀(ライジング)
旧シリーズに思い入れがなく、最新作を観る気も特になく。いきなり新シリーズニ作目を観るという乱暴なことをしましたが、単体の映画として完成されていて十分面白かった。
人間と猿、異なる文明の接触。共存共栄への歩み寄りを模索するも、強硬派の暴走を押さえることができずに対立への道を歩んでしまう。言ってしまえば全く意外性もない上に、なかなかに辛いお話ではあるのだけれど、登場人物(猿)の感情の発露、愛憎の移り変わりが腑に落ちるというか、分かり易すぎる程に分かりやすかった。
そこら辺の説得力はCGの表情によるところも大きくて、技術が物語に力を与える好例だなあと思ったり。
メッセージ
映像は綺麗だったし、異星人からのメッセージを言語学のアプローチで解き明かしていく過程は面白かった。のだけども異星人のコンタクトの理由がなんかモヤッとしてるので(高次生命体としては妥当なんだろうけど)、個人的にはあんまり印象に残らない映画になってしまった。
あとバカが余計な事をするシーンはどんな作品でも好きじゃないです。
スパイダーマン ホームカミング
オリジンストーリーに尺を取らなかったのがとっても良いと思う。
ラボで放射能グモに噛まれるくだり、力を使いこなすまでの試行錯誤、ベンおじさんの悲劇、大いなる力には大いなる責任がうんたら。ぜーんぶすっ飛ばして、未熟な子供だけど愛されるスパイダーマン。サム・ライミ版やアメスパとは全く別路線だけれどこれは意外といいぞ。
「シビル・ウォー」でのアヴェンジャーズとの共闘に大はしゃぎ、スターク社製のスーツが嬉しくて、ヒーローとして活躍したくて。トニー・スタークからのミッションを今か今かと待ち受ける年相応の少年として描かれたピーターが憎めない。対比となる大人として、完璧にピーターの保護者になっちゃってる社長もいい。父ちゃんかお前は。父ちゃんだな。
ストーリーは主にピーターのご近所ヒーロー活動と高校生活の両立にまつわるドタバタ。ヴィランも小物でスーパーなヒーロー感はあまりないのだけれど、「僕らのスパイディ」はこれでいいのだと思う。世界の命運を賭けて戦うよりもMCUの清涼剤として爽やかな青春ドラマをやっていく方向性。どいつもこいつも正義のあり方について思い悩んでたらこっちも疲れるしね。
総じて満足なんだけど、フラッシュが白人ジョックスではなくて、ピーターと学問コンテストのレギュラーの座を争うライバルってところに何ともご時世を感じました。そんな全く違うキャラに改変するぐらいなら無理にフラッシュってことにしなくて良くない?
あと、やたらとスパイダーウェブを即死モードに設定したがるスターク社のAIが好きです。そんな物騒なものを高校生に持たせるんじゃないよ。
ワンダーウーマン
DCEUで初めて普通に面白い映画だったよ!! (BvSは大好きだけど面白いかと言われると答えに困る)
世間知らずのお姫様「かつ」最強無敵の筋肉ゴリラ。篭手で銃弾を弾き落とし、高所に陣取ったスナイパーのところまで直接ジャンプで突っ込んで無力化する。
ワンダーウーマン中盤を観ていたときの俺 pic.twitter.com/OEU9O7aDwJ
— baumkuchen (@baumkuchen_) 2017年8月26日
全然人の話を聞かず、単純な善悪二元論を主張して前線に突っ込んでいく人。普通ならイライラさせられるキャラ造形なんですけども、それで普通に敵の戦線を崩壊させて帰ってくるのでもはや笑うしかない。ドイツ兵が哀れで。(でも序盤のドイツ軍対アマゾネス軍団は観応えありました。銃と弓矢を使った至近距離での乱戦ってのが面白い)
スーパーヒーローがドイツ軍をやっつけてめでたしめでたしではお話にならないので、ちゃんと人外級の能力を持ったスーパーヴィランも出てくるんですが、それが意外なキャラというか「アンタ居たんですか」というか。
直接的な言及は避けますが、ラスボス登場した瞬間の感想が「だいたい合ってた」になるのすげえ面白かったです。ビジュアルは中の人が悪役ヅラじゃないのでメイクなりCGなりで何とかしたほうが良いんじゃないかと思いましたが。
COP CAR/コップ・カー
悪徳警官が僻地に停めていたパトカーを家出中の馬鹿ガキが盗んで乗り回す。パトカーには警官の犯罪の証拠が乗ったまま。
ポスターの「ガキども 遊びは終わりだ」というアオリから、子供が追い回され追い詰められるサイコホラー風味のサスペンスかと思ってたら、警官のケビン・ベーコンが慌てふためいて色々と状況を取り繕いつつパトカーを取り戻そうと四苦八苦する話でした。
これ、わざわざ映画にする必要あんのかな。サスペンスでもなくコメディでもなく、何がやりたかったのかいまいち俺には分からん。いくら10歳といっても子供が頭悪すぎて、それを使ったストーリーテリングも好みではない。事態が悪化するのが「馬鹿だから」ってのはダメだって。
アメリカの馬鹿はパトカーが落ちてたら盗むの? 理解に苦しむ。
トップガン
言わずと知れた大ヒット映画。トム・クルーズの出世作。
2の制作が始まるというし、観たことないから何となくで流してみたら、ごめんなさい。観ててなんだか無茶苦茶恥ずかしくなってしまった。好きな人ほんとごめんなさい。
濃密な80年台テイストに悪酔いするというか。超有名なテーマソングも、コッテコテの青春シーンも、居ても居なくてもどうでもいいヒロインも全部が恥ずかしくて耐えられん。これはもう俺の体質の問題としか言いようがない。
ベイビー・ドライバー
これは良い!! やりたいことが明確で、しかも完全に成功してる。
やりたいこととは格好いい音楽と格好いいアクションのシンクロ。きっと誰もが発想するものの、しち面倒臭くてやらないであろうことをガッツリやってのけてる。オフィシャル配信されている冒頭6分を観れば多くの言葉を費やすまでもなく。
観れば興味を惹かれること請け合いですが、これから本編を観る可能性があるのならば、できるだけ情報を入れないで劇場に行ったほうが良いかとは思います。まだ上映してるところは結構あるので。
主人公は子供の頃の事故が原因で、音楽を聴いていないと耳鳴りが止まないという設定なので、常に爆音で音楽が流れていること自体がストーリーに組み込まれていて、突然歌い出すミュージカル映画のような不自然さもない。
2回目はわざわざ立川まで爆音上映を観に行きましたよ。アクションシーンのたびに「最高」の記憶が塗り替えられていく、その感覚がたまらない。
ワイルド・ワイルド・ウエスト
終始ギャグが滑り倒しているボンクラウエスタン映画。スチームパンク、ではないのだけれど真鍮色をした奇想天外空想科学方面を目指しているのはわかる。
心底くだらなくラジー賞も致し方ないところではありますが、巨大メカのデザインと動きには心惹かれるところもあり。ラストシーンも好きですよ。
まあ面白くはなかったが。昔ちらっと観た予告だけは面白そうだったんだよ。
こういう世界設定で真面目な映画作って欲しいなあ。
ヒューマン・レース
不条理デスゲーム系。謎の光に包まれて同じ場所に集められた老若男女80人が死のレースを強要される。コースを外れたら死、2周回遅れになったら死、レースを拒否したら死。条件を満たすと頭が吹き飛ぶ。理不尽な「死のロングウォーク」って感じ。
こういうのはもはやよくあるお話で特段面白いわけでもないんだけど、なんかダラダラ観てられるのはジャンル自体、一発ネタとしての引きが強いからでしょうね。
何か作業しつつ、こういう毒にも薬にもならない映画をかけ流しておけるのがVODのいいところ。頭ポンポン吹っ飛ぶBGVっつーのも嫌なもんですが。
パニック・マーケット
ジャケット画像とスーパーマーケットの中にホオジロザメが出てくるというあらすじでZ級のバカ映画と判断して観たんだけど、思いの外ちゃんとしてる!! すごい!!(期待値低すぎるが故のリアクション)
いや、普通にディザスター映画として面白いわ。津波で水浸しになったスーパーマーケット。生存者は商品棚の上に逃れ、瓦礫に埋まった出入り口以外の脱出口を模索する。しかし水中には3m級のホオジロザメが!!
状況への導入は無茶苦茶だし、低予算映画らしい矛盾まみれではあるけれど、「ロスト・バケーション」的なワンシチュエーションもののバリエーションとして結構好き。
CGは圧倒的に安っぽいけども、3D上映用のわけの分からないアングルにツッコミ入れながら観るのもそれはあそれで楽しいです。