- 怒りのロードショー/マクレーン
- ぱらのま/kashmir
怒りのロードショー
映画好きの高校生たちがダベりながら映画の話をするだけの漫画。絵は上手い方ではないし、作品の性質上セリフもクソ長かったりして漫画としては決して褒められたもんではないのですが、それでも俺はこれ好きだなあ。
どうにも俺は善良なオタクが楽しそうに趣味に興じている作品が好きなようです。
このブログで紹介したことのある漫画でいうと「2DK」とか「トクサツガガガ」、映画だとあんまり思い当たらないけど「宇宙人ポール」は楽しげなオタク旅行から始まりますね。「俳優のおっかけ」とか趣味そのものは分かんないのもありますが、趣味について仲間と語り合うのは趣味そのものと同じぐらい楽しいというのはよく分かる。だからそれを横から眺めるような作品が好きなんです。
映画好きを描いた漫画といえば「木根さんの一人でキネマ」がありますが、あちらは映画オタを隠しつつ仲間を求めて身悶える主人公のお話なので、ある意味全く逆の漫画と言えましょう。あっちはあっちで面白いですけどね。
俺もこんな話がしたい。批評じゃなくて、作品の1シーン1シーンについてただの感想を言い合いたい。このブログにおいてブワーッと箇条書きで感想書いてる記事はそれがやりたくて書いてます。
つーか本当に面白そうだなこの13金。超観てえ。
さて、「善良なオタク」と書きましたが、この作品における善良さとは何かと言えば、趣味を心から楽しんでいるところ、自分の感じた良さをなんとか伝えようと頑張るところ、そして他人を否定しない(ように努める)ことです。
ジャンルが何であれ、オタクがウザがられるのはすぐ極論言って自分の考えを押し付けたがることだと思うのね。映画なら「○○を観ないで××を語るな!!」とか「あれを観ていないなんて人生の8割は損をしている今観ろすぐ観ろ早く観ろ」みたいな上から目線に無駄なヒートアップがミックスされたやつ。
この漫画でもそれはしょっちゅう飛び出してしまうのですが、この高校生たちにはそれを諌める仲間がおり、きちんと己の態度を省みて反省することができている。「タイタニック」を観て「ディカプリオがカッコイイ」としか言わない女子を腐すところからこの漫画は始まるのですが、後の話でそれを撤回するんですよね。そういうのがとても良いなあと思うのですよ。
脇役として腐れ映画通の権化みたいな奴が出てくるので、相対的にその良さが引き立ちます。どのジャンルにもいますね、人をにわか呼ばわりしたがる奴。
おう、全くその通りだ!! 「正しい映画の見方」なんて知ったことかバーカバーカ!! (私怨)
元はWeb漫画で、単行本が発売された現在も公開中。単行本収録の全9話中8話までが読めます。なんとも太っ腹ですが、描き下ろしの9話だけでも40ページあるので試し読みで気に入ったなら買っても損はしないと思います。
怒りのロードショーは1巻で完結なの?2巻出ないの?というツイートをよく見かけますが、怒りのロードショー単行本が期限内に目標数売れれば、2巻出せるよう続きの漫画を作る、という予定になっています!つまりまだ未定デス!
— マクレーン@怒ロー1/30発売 (@comic_mcclane) 2017年2月5日
(*^∇゜)
最近良く目にするようになった「売れれば続刊も出せます」ってやつなので買えば続きが読めるかも知れません。
ぱらのま
趣味漫画その2。鉄道好きのぼんやりしたお姉さんが電車に乗るだけ。
俺は自分で乗ったり撮ったりの鉄道趣味は全くないのですが、なんか鉄道漫画は結構好きなんですよね。食漫画や旅行漫画がセットになりやすいからかもしれません。
この作品のよいところは全体的にゆるっと流れる自由さ。電車は時刻表どおりに運行されるものですから、俺などはどうしたって目的を持って計画的に乗るイメージを持ってしまうのですが、この漫画では超適当に電車に乗る。
百貨店の駅弁大会で駅弁を買ったから、それを食べるために長時間乗れる特急に乗ろうと。それが結果として旅になる。なるほど、電車ってそんなに適当に乗っていいんだ。気分で目的地をフラフラ変える遠出は俺も自転車でよくやるけれど、電車を使うという発想はそもそもなかった。これはこれで楽しそうだなあ。
そんないい感じの鉄道旅漫画が6編。そして各話の間にはWeb掲載された短い番外編が挟まるのだけど、これがまた良い。
よく知らない駅で降りたときの楽しみ方だとか。
工場萌えについて語ってたりだとか。
基本は鉄道趣味の漫画だけれど、それに伴う街歩きについてもツボを押さえてる。
ああ、書いてて何となくわかったぞ。俺この漫画、タモリ倶楽部みたいだから好きなんだ。わりかし渋いテーマを肩肘張らずにゆるゆる語るあたりが。ほんとにただ好きなことを描いてんだろうなというのが伝わってくるのがいいんだ。
その有り様を見ているだけで楽しくなる。それがマニア趣味を楽しむ際の理想。この漫画の中にはそれがあると俺は思うのです。