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Kindleで読んだ漫画 29~32

漫画
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  • 2DK/竹内佐千子
  • とんかつDJアゲ太郎/イーピャオ・小山ゆうじろう
  • 口入屋兇次/岡田屋鉄蔵
  • ニンジャスレイヤー/余湖裕輝・田端由秋

2DK/竹内佐千子

2DK(1) 2013WINTER

2DK(1) 2013WINTER

 

 なんか良くわかんねえけど楽しそうで何より。

 イケメン若手俳優のおっかけ仲間、こむぎときなりのルームシェア物語。メインテーマが女性のルームシェアや俳優のおっかけという時点で俺という人間に引っかかる要素は何ひとつ無いんですが、とにかく登場人物がみんな趣味を全力で楽しんでいるのが微笑ましくて。

 シェアする部屋を一緒に探してくれた不動産屋さんはハロプロオタ。お隣さんは韓流マニア。娘のルームシェアをきっかけに知り合った父親同士は一緒にスリップノット主催のフェスに参加する仲に。

「おっかけ」という共通点はあれジャンルの異なるマニアたちが、マニアゆえの「あるある」で共感をもって繋がっていく。なんか登場人物たちが互いの嗜好を一切否定しないのでホッとするんですこの漫画。そうやって趣味を楽しめたらいいよね、と。

 アイドルは全然分かんないけど、俺はハロプロオタの不動産屋さんが好きで。お気に入りのDVDを貸した後に「もう観ましたか!? まだならXXのところだけでも!!」とか言っちゃうマニア心理はわかりすぎる。そうそう、好きなものは知ってもらって語り合いたいんだよね。

 そしてそれに対する「一緒に観ようよ!!」という答えが素敵すぎる。

 モアイで連載中。単行本収録話の一部と最近のエピソードは全て読めます。

 このエピソードなんかお気に入り。名作。単行本に収録されたらそのうち消えるかもしんないので今のうちにどうぞ。

 

とんかつDJアゲ太郎/イーピャオ・小山ゆうじろう

とんかつDJアゲ太郎 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

とんかつDJアゲ太郎 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 少年ジャンプ+で第1皿が公開されるやいなや、瞬く間に話題となりました。主にネタ的な意味で。

 渋谷のとんかつ店「しぶかつ」三代目の揚太郎。とんかつ屋という家業に誇りを持てず、真面目に手伝いをしない揚太郎は配達先で遭遇したクラブカルチャーにのめり込む。

 仕事をサボり、通いつめたクラブ。ゲストとして登場した伝説のDJ、ビッグマスターフライのプレイを目の当たりにして揚太郎は一つの天啓を得ます。 

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  高速のBPMはキャベツ千切りのリズム。耳を頼りにタイミングを見極め、客を注視し望むものを提供する。DJはフロアをアゲるし、とんかつ職人は豚肉をアゲる。

 そう、とんかつ屋もDJも同じグルーヴなのだと!!

 とまあ、こんなもんネタとしてしか受け取りようが無いんですが、フロアもかつもアゲられるとんかつDJになりてえんだ、と真摯に一人前のとんかつ職人を目指しだした揚太郎の活躍はなかなかに熱い。とんかつとDJの共通点を見出して困難を乗り越えるという、こじつけネタのギャグ漫画でありながら、揚太郎の成長を描くストーリー漫画としても面白いんです。

 DJ修行がとんかつに、とんかつ修行がDJに活かされる。一見関係ないかに見える修行が実戦で実を結ぶ様はまるで映画「ベスト・キッド」を見るかのよう。

 目指す遥かな高みには父親やマスターフライが居り、切磋琢磨しあう仲間やライバルとして渋谷の三代目仲間や同世代のDJ達がいる。良き師匠や最高の相棒との出会いを経て、理想とするとんかつDJの姿に一歩一歩近づいていく揚太郎の姿には訳も分からぬままに心を震わせるものがあります。最近完結した上野修行編は実に良かった。

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 あとマスターフライはしょっちゅう生霊となって現れては揚太郎に啓示を与えてくれるのですが、この「重要なのはオマエがグルーヴを感じるかだ!!!」というセリフは汎用性高すぎるので積極的に投げやりな使いかたをしていきたいと思いました。

 俺はこの漫画にグルーヴを感じるぜ。

 

口入屋兇次/岡田屋鉄蔵

口入屋兇次 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

口入屋兇次 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

 これは大当たり。面白い。

 グランドジャンプがKindleで無料配信になったので読んでみたら、アワーズでMUJIN連載中の岡田屋鉄蔵。この人の描く人物は男も女も妙に色気があるので目に留まるんですよね。無料でなければ気づきもしなかったはずなので、電子書籍さまさまですよホント。

 口入屋とは、江戸時代の職業斡旋人のこと。兇次のもとには職を求める訳あり人がやってくる。

 夜鷹として金を稼ごうとしていた武家の女房・絹は女郎部屋での仕事を斡旋される。ただし、女郎ではなく経営者として。

 商家に育ち、その才を発揮していた過去を見込まれ、傾きかけた女郎屋の立て直しを任される。経営の無駄を省き、コネを駆使して人を集める。良い酒、良い料理、綺麗な部屋で上客を集める正攻法から、耳目を引く趣向で噂を集める奇策まで。筋の通った経営方針から自ずと女郎たちの信頼も集まり、これが「お仕事漫画」としてなんとも小気味がいい。 

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  おどおどと体をひさごうとしていた絹がすっかり商売人の顔に。実に男前なのでございますよ。

 ひとりの切れ者が組織を活性化させ、生まれ変わらせるというお仕事漫画の王道ストーリー。王道といいつつパッと思いついた漫画はONE OUTSだったりするのですが、まあプロ野球漫画もお仕事漫画と言えなくもない。水島新司が描くと途端にジャンルがファンタジーになるけども。

 時代劇としてもポイントはしっかり押さえていて、お約束の人情話や、きな臭い悪事を追いかけるミステリー要素など、絹が金を必要とする理由に絡めながらガッツリ盛り込んでくる。このまんま映画化できるよこの漫画。

 兇次の仲間も色町生まれの色事のプロやら荒事専門の坊主やらと個性の立ちまくったエキスパートが揃っているのですが、あくまで裏方。お話的には出すぎず引っ込みすぎず、しかしながらスマートにプロのお仕事をこなしていく。今後は彼らにもスポットが当たっていくのかと思うとそれも楽しみで、本当にいい漫画を見つけたものだとしみじみ思います。

 絹の話は1巻でバシッと完結するので、興味があれば1巻漫画だと思って試しに読んでみてください。時代劇ってだけで敬遠しちゃうのは勿体無い。

 

ニンジャスレイヤー/余湖裕輝・田端由秋

 俺は別に熱心なニンジャヘッズでもないし、ストーリーや世界観について今更語るのも野暮なんで避けますが、このコミカライズは余湖・田端コンビにドハマリという他ありません。編集者からの企画だとしたらその人は余程のやり手ではないかと思うのですよ。

 このコンビはコミックマスターJの頃から「訳の分からない迫力と説得力」に長けた作家だと俺は思っていて、それが原作の特殊な文体からほとばしる謎の疾走感にカッチリ嵌り込んだ感じ。読んでしまえば他の作家によるコミカライズがもう考えられない。

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 Wasshoi! カッコ良すぎだろワッショイ……。

 ヤクザスラングや掛け声・悲鳴などのいわゆる忍殺語はデジタル処理してコピペしたと思しき書き文字になっているのですが、それは手抜きというよりは原作を意識した演出なんじゃないかと思ってます。原作も天丼芸かって程コピペを繰り返すシーンがあるし、そういう意味でも原作再現度が高い。

 そんな訳で原作同様、病みつきになる人と全くついて行けない人が綺麗に分かれると思われます。初見の方が味見をするなら下記リンクへどうぞ。

 

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 俺は仕事のことでイライラしているときにこのシーンを読んで何もかもがどうでも良くなったので、一種のセラピー効果すらあると思います。絵として視覚的に飛び込んできたことで許容量を超えたというか。人間、理解を超えたものを目の当たりにすると笑うもんだからね。