「はがねのつるぎ」の素晴らしさについて語ろうじゃないか

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 先日のドラクエ11を積んだって記事にこういうことを書きました。

 これは俺個人の嗜好にすぎませんが、RPGの成長は曲線ではなくて階段状のほうが楽しいんです。ちょっとづつ成長するのではなく、何かをきっかけにグワッと強くなって、これまで歯が立たなかった相手にも楽々渡り合えるようになる。そのブレイクスルーこそがキャラクターの成長を実感させてくれると思うのです。

 なんとかお金をためて「はがねのつるぎ」を買ったら一気に強くなって次の町に行くことができるようになる。それこそがドラクエじゃないか、という。

 それに対してついたコメント。

ドラクエ11を積んだ話と「親切なゲーム」について - 機械

強さの上昇が曲線か階段かは面白い視点。逆に私は階段式が大嫌いで、折角今までの所で頑張ってレベル上げしたのに、次の所に行くと強さや経験値取得量がガツンと上がって今までのレベル上げが無意味になる調整は嫌い

2018/02/21 06:12

 なるほど、そういう考えもわかる、と思うと同時に「はがねのつるぎ」の素晴らしさに思い至りました。

 「はがねのつるぎ」の良さといえば、それまで2発殴らなくてはいけなかった敵が1発で倒せるようになることです。

  図解するとこう。

「はがねのつるぎ」以前

ターン1

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2回殴られる

ターン2

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1回殴られる

ターン3

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1回殴られる

ターン4

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勝ち

4ターン経過・被ダメージ4回

「はがねのつるぎ」入手後

ターン1

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1回殴られる

ターン2

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2ターン経過・被ダメージ1回

 

 図にする意味あったんだろうか。 

 だいぶ単純化してますが、こんなふうに1対2、複数攻撃なしの戦闘だとすると、必要ターンは半分、被ダメージにいたっては1/4にまで減ります。敵の強さが変わらないとすれば、一気に4倍遠くまで冒険できるようになったわけです。

 ポイントは「はがねのつるぎ」で上がるダメージって3~4割増し程度のもんだということ。にもかかわらず、実質は4倍の戦闘がこなせるようになる。一撃で敵が倒せるということは、ターン制の戦闘システムおいてはそれだけの意味を持つんですね。

 となると、地道で緩やかな成長曲線と大幅なパワーアップの実感というのは両立できるんじゃないかと。

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 こんな感じ。成長は緩やかでも、ある閾値を超えると急に楽になるということがある。だから体感的には階段状になるチューンが可能だし、実際にそれをやっているから「はがねのつるぎ」は素晴らしい。

 その辺のザコに一撃で体力の8割9割程度のダメージを与えられるようになった頃に、残りの2割を飛び越えられる武器を与えてくれる。普通に遊んでいればそういうタイミングで手に入るようになっている。それによる実質的な成長はわずかなのに、一気に攻略の道を切り開いてくれる。

 こういう絶妙な調整ができるのは要素の少ないゲームの最序盤だということが大きいと思いますが、逆に言うと「はがねのつるぎ」は最序盤でガツンとプレイヤーの快感中枢をぶっ叩いてくれるのです。そういう瞬間を多く感じさせてくれるRPGが遊んでて気持ちいいんだろうな、と思います。

 ちなみに俺が好きなRPGを挙げろと言われたらウィザードリィ外伝シリーズとメタルマックス2と答えるんでこの話全っ然関係ないんですけどね。