最近観た映画10本-2017年4月

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パク・チャヌク監督作品を初めて観ましたけど面白いですね。

荒野の七人

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「マグニフィセント・セブン」からの流れでオリジナル視聴。派手かつスタイリッシュにまとまってた2016年版に対してオリジナル版は大変に男臭い映画でしたよ。

2016年版以上に、七人が命をかけて戦う理由がない。強いていうなら正義のため。なるほど昔のアメリカのマッチョイズムとはこういうものなのね、と妙な納得があります。その納得のままに最後まで押し切る感じ。

暑苦しいナイスガイ揃いの中、七人目はガンマンに憧れてるだけの若造なんだけど、彼がいきがって農民たちに説教するシーンを残りの六人が生暖かく眺めるシーンが妙に好きでした。

トリプルX

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トリプルX:再起動」を観る前の予習のつもりで観たんだけど、この映画はすごいぞ。観てからひと月も経ってないのに、もはやストーリーを全く覚えていない。そのぐらいどうでもいい話だったのだと思われます。

とはいえ「どうでもいい話=どうでもいい内容」ではないので。この映画のメインはエクストリームスポーツを応用したアクションであって、それが派手ならぶっちゃけ脚本なんてどうでもいいんですよ。最高に面白かった「:再起動」だってそういう映画だし。

一番印象に残ってるのは、「僕の開発したすごい武器」について延々と喋り続けるギーク君が説明のために室内で爆弾ふっ飛ばす時にすっげえ良い笑顔だったことです。

あとダニー・トレホが麻薬カルテルかなんかのボス役で出てきて試し割りの瓦みたいにすぐ死んでたのが面白かったです。

エクストリームスポーツ全然関係ねえな。

オールド・ボーイ

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普通のおっさんオ・デスが訳もわからずいきなり監禁される。生活インフラは整っており、食事も差し入れられるので生存は問題なし。

で、監禁されたまま15年。ある日突然解放される。15年間積もりに積もった恨みの力でデスは犯人探しを始めるのだった。

という導入だけでもう面白そうなんですが、公開当時は映画をみる習慣がなかったのと、原作が日本の漫画だって話なのでそちらを読んだんですよね。それがあまりピンとくるオチではなかったのでそれっきりだったのですが、最近ようやく観ました。

 監禁の理由は原作と変わっているものの、評判になったわりには大して面白い真相でもなかったな……と思ったのもつかの間。監禁理由が分かってからの流れがもう、えげつない事この上ない。

そこに辿り着くまでにもバイオレンスな意味で痛いシーンは多々あったのだけれど、終盤は精神的に痛い。これ明らかにネタバレしちゃ駄目なやつなんであんまり書けませんが、観てるこちら側の「復讐」の認識が一気に塗り変わる展開は本当に驚きました。(実現の手段はどうかと思うが)

とてもとても嫌な気分になる映画ですが、思わず感心してしまうほど手の込んだ嫌がらせとその種明かしは面白かったとしか言いようがないんですよねぇ。韓国映画怖いわ。

ファイナル・デスティネーション

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修学旅行の飛行機に乗りそびれ、墜落事故を運良く免れた高校生たち。しかし「死の運命」は彼らを見逃さなかった。

作中では「死神」とか言われてますが、一度「死の運命」にターゲッティングされててしまうと、何らかの超自然的な力が働き最終的には死に追い込まれる。歩いてたら2階から植木鉢が降ってくるとか、バナナの皮で滑って転んで頭を打つとかの偶発的事故で。

そういう感じで登場人物たちが順次面白い死に方をしていくのを眺める映画です。カメラがいかにも意味ありげに室内のアイテムを大写ししていき、これで死ぬぞ、いやこっちだ、と煽ったあげくに「残念!! こんな死に方でしたー!!」って死ぬ。もしくはピタゴラスイッチみたいにアイテムを全部使って徹底的に死ぬ。半ばコメディなんで、気楽に観られて面白いホラーでした。

人気作らしくシリーズ5作目まであるようですが、1本で十分じゃないかという気もする。回を経るごとにどんどん独創的な死に方になるんでしょうね。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

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このタイトルでこのビジュアルだし、絶対コメディだと思うじゃない。いや、実際コメディなんだけど、いきなりガチな感じの殺人事件が発生するので思わず声が出た。

田舎に左遷された切れ者刑事のサイモン・ペッグが、平和な村のゆるすぎる同僚たちにやきもきしつつ、突如発生した事件の謎を追っていく。導入部でそんな感じの話を想像させておいて、事実その通りに話が進むのだけど、サスペンス色が大分強いのが面白い。

サイモン・ペッグは未成年の飲酒ですら厳しく取り締まる、若干やり過ぎ気味の刑事。一方、牧歌的な田舎の空気に染まりまくった同僚たちは殺人が起きていても全くピンと来ておらず、ただの事故として片付けてしまう。

この辺の噛み合わなさがコメディのおかしさを生むのだけど、殺人の生々しさも相まって一種の不気味さがある。明るく綺麗な英国の田舎町なのに金田一耕助シリーズに出てきそうな「奇妙な風習のある村」的不穏。その違和感が終盤に向かうにつれてスカッと解消されてくのがなんとも良く出来てる。

まさか真面目な話なのかと思いきや、何かのパロディっぽい銃撃戦や大分雑なオチなど、バカコメディとしても手抜かりはなく。序盤・中盤・終盤でストーリーの空気感がガラッと変わるのがいいね。

イコライザー

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ザ・コンサルタント」がいたく気に入ったので、似た作品としてよく挙げられるこれを観ました。

卓抜した戦闘能力を持った人物が市井の一般人として暮らしているという「となりの殺戮機械」系映画です。(今命名した)

こういう類の物語だと、主人公は何考えてんだか分からないミステリアスな人物として描写されることが多い気がしますが、本作のデンゼル・ワシントンは社交性のある超ナイスガイ。普段はホームセンターの店員として働き、読書家のインテリで同僚からの信望も厚い。昇進試験の相談に乗ったり、週末には仲間と草野球なんてやっちゃう。

そんな彼が、行きつけのダイナーで知り合った友人のクロエ・モレッツのために単身でロシアンマフィアと戦うことに。こういうのは超人の戦闘力を楽しむ映画なので成り行きは割とどうでもいいところがあります。

デンゼル・ワシントンは「ジョン・ウィック」や「ザ・コンサルタント」の主人公とは異なり闇の世界の住人ではないのですが、結構バキバキ人を殺します。その辺にあるものを上手に使って敵を死に至らしめる戦闘スタイル。で、仕事はホームセンターの店員ですよ。嫌な予感しかしないよね。ちょっとそのハンマー何に使ったの? ねえ!? みたいな。

アクションは控えめというか意図的に抑えられている感じで、重武装の敵をDIYで音もなく次々消していく。これ主人公が100%正義の味方の好人物として描かれているから良いけれど、敵の立場から翻案したら間違いなくホラー映画になるだろうなと思わせる辺り最高でした。一歩間違わなくてもサイコキラーだろこれ。

お嬢さん

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「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督作品が丁度上映中だってんで新宿まで。特殊な性的嗜好を持つ金持ちのおっさんが集まって若い女性に官能小説を朗読させて「ハァー……いい……」ってなってる映画です。なんだこの紹介。

資産家の娘から財産を騙し取る詐欺の次第が物語の主軸。娘を惚れさせて駆け落ち後、金だけ奪って捨てるという計画なんですが、これが結構ダルい。詐欺師はなんか下手クソでぐだぐだになってるけれど、何故か上手く運んで計画は進む。

退屈な展開でやや眠くなってきたところ、第一部(三部構成です)のラストでばっちり目を覚まさせられる。うわぁマジか!!

で、二部以降は視点を変えておんなじシーンをもう一度。一部での不自然さが色々と腑に落ちる。

はー。よく出来てるわ。

思ったよりも素直でシンプルな脚本で、意外性という点ではそれほどでもないのだけれど、そこに数々の変態嗜好やR18の官能シーンがネットリ絡みついてなんだか他に類を見たことのない作品に仕上がってます。虎眼先生が一瞥して「出来ておる」って言いそうなアレな方面へ。

ちなみに俺が一番エロいと思ったのは歯を磨くとこです。スッキ役のキム・テリは新人だそうですが、このシーンは一人でどんどん盛り上がってしまう感じが大変良いものでした。

モンスター VS エイリアン

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結婚式の当日、隕石の直撃を受け巨大化してしまった花嫁が、地球を守るためエイリアンと戦う。

どっかでおすすめされてるのを見ましたが、俺には合わなかったね。大人の鑑賞にも耐えるというよりは子供に向けてんのか大人に向けてんのかよく分からないな、という印象。

いかにもな海外アニメライクなCGキャラに異様にリアルな肌のテクスチャを乗せてるのが気になりました。リアリティを求める場所が違うと思う。

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>

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シュレッダーさん……。

今回も発光する謎の汁を巡ってタートルズとフット団が戦います。何でそんなに汁が好きなんだこいつらは。

前作もあって無いようなボンクラ脚本だったので元々期待はしてなかったのですが、それでもシュレッダーさんが前作に輪をかけたアホになっていて結構つらいものがありました。

ビーバップとロックステディのバカコンビが楽しそうにウェーイしてたのは良かったです。

あとドナテロが何でも分かりすぎて雷電みたいでした。知っているのかドナ!!

キングコング:髑髏島の巨神

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イケメンのコング兄貴がヘリをベッチベチと打ち落としたり他の巨大生命体と殴り合う勇姿を見てヒャッホイとなる映画。それ以上でも以下でもありません。

余計なことしかしないサミュエル・L・ジャクソンがいつ死ぬかなーという期待と「がんばえー!! こんぐ、がんばえー!!」だけでこの映画は構成されています。巨大なものがボッカンボッカン暴れる映画って何でこんなに楽しいんでしょう。

「パシフィック・リム」もそうでしたけど、監督が明らかに怪獣オタで「こう動いたら格好いいぞ」ってことだけ考えて作ってる節があります。あとバトルシーンを夜中にして暗さでCGを誤魔化したりしないのも好印象。

サバイバルのエキスパートで主役のトム・ヒドルストンは終始空気でした。

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