3Dプリンターめっちゃ楽しいわ

3Dプリンター。4~5年前ぐらいにはアーリーアダプターの方々が買って楽しそうに遊んでいるのを目にした覚えがありますが、俺は今になってようやく買いました。

ある程度普及してきて、値段や性能、使い勝手もこなれてきているのでは、と思っていたところにAnkerがこの分野に参入してきたことで、そろそろ買ってみるかと考えた次第。

それなら当然 AnkerMake M5 を買う流れなんですが、思いのほかデカくて置き場所がないので、いっそ安くて小さいやつから入ろうと思い、買ったのがENTINAのTina 2S

 

  • ちっちゃい
  • 組み立て済

が選んだ理由です。印刷可能なサイズは100mm×105mm×100mm、特に高速でもなく、性能からすれば割高ではあるんですが、机の端に置いといても邪魔にならないこのサイズは大変良いものです。

組み立て済だからセットアップも簡単で、スライスソフトをPCにインストールするだけで、調整等全くなしに印刷できました。そして今のところスピードや成形精度にこだわるようなもんは作っていないので、ずっと初期設定のまま。

購入前に想定していたよりも遥かに簡単に使えるものでした。手軽すぎて驚くぐらい。

で、買ってからというもの四六時中、俺がモデリングしたつまんねえものを出力し続けています。

3DモデリングソフトFUSION360(個人利用は無償)のスクリーンショット。左側にあるのがプロジェクトの一覧ですが、購入2週間程度でアホほど増えました。

「つまんねえもの」というのは謙遜ではなく、もし100円ショップで売っていたら10個まとめてワンパックで売っていそうな代物、ということ。

俺のような、創作意欲にあふれているわけでもない普通の人間が3Dプリンターを持つことの真骨頂はこの「つまんねえもの」にあると感じています。

例えば机の脚が一本浮いてガタついていたとして、その脚先にぴったりハマるサイズのプラスチックパーツってめちゃめちゃ嬉しいと思うんですよね。

モノ自体は本当につまらない物体なのに、得られる喜びが(相対的に)でかい。そういうものを作ることに快感を覚えるのです。

3Dプリンターの商品画像って、大抵かっこいいフィギュアが印刷されてたりするせいで「特に作りたいものもないし」とか「自分には難しそう」と手を出しあぐねる人が多いんじゃないかと。

でもこの手の「つまんねえもの」は日常生活でいくらでも思いつくし、手の込んだものを作るわけじゃないからモデリングも簡単にできる。

3Dプリンターに興味ある人は作りたいものとかどうでもいいんでもう買っちゃえばいいと思うんですよね。面白いから。

俺が作ったもののなかでぶっちぎりに「利便性/つまらなさ」のレシオが高いのがこの「ベビーオイルを止めるやつ」。

最近なぜか左肘の先だけが荒れてヒリヒリしだしたので保湿用にベビーオイルを買ったのですが、軽くポンプを押すだけで左腕全体がテラテラになるぐらいオイルが出るので、2,3滴だけ出たところでポンプが止まるようにするパーツを作りました。

制作物の中でもつまらなさが群を抜いているので、得られる利便性がささやかでもめちゃめちゃ嬉しいという。

そして左肘は治り、ベビーオイルは死ぬほど余りました。どうしようこれ。

あと真っ先に作ったのが「有孔ボードに額縁かけるやつ」。

↑の記事のように、俺には映画のポスターを額縁に入れて飾る趣味があるのですが、映画館でもらえるフライヤーなんかも掛けだしたら数が爆増しまして。

 

額縁って基本的に紐で吊り下げる仕様なので、狙った位置に下げるのが難しい。紐はたわむし緩むので。

なのでこれを使って、紐を通す金具を取り付けるレール部分を直接引っ掛ける。

垂直方向は有孔ボードの穴の位置で揃えられるし、水平方向はスライド自由。

地震でずれたりしないし、掛け外しも簡単なのでフライヤーの入れ替えやレイアウトの変更も気軽にできるようになりました。

 

あとこの辺のポスターカードなんかも何気に

「MDFの有孔ボードに磁石くっつけるやつ」を作成して貼り付けてたりしてます。

 

あとは「時計飾るやつ」とか

 

「モニターアームのVESAマウントにメガドラミニを乗せるやつ」とか

 

「余った埴輪を掛けるやつ」とか、他にもいろいろ。

 

これらの物品を見て「わあ、3Dプリンター買おう」となる人はいないと思います。なぜならこれは「俺だけが欲しかったもの」だから。

じゃあ何でこんなもん見せてるのかと言うと、3Dプリンターを買うということは「自分しか欲しがらないから世の中には存在していないもの」を生み出せる、という状態を買うことだと言いたいからです。そしてもし興味があるならさっさとその状態になっちゃえよ、と薦めているのです。

今現在作りたいものがあるかどうか、なんてのは結果的にどうでもいい事でした。繰り返しになりますが、「簡単に作れる」と承知していれば、作りたいものなんて生活の中でいくらでも出てくるので。

あとあった方が良い工具の話をしとくと、

  • デザインナイフとかヤスリとか
    • どうしても出るバリを綺麗にするため
  • ニッパーとラジオペンチ
    • サポート(綺麗に印刷するために、中空部分に自動で生成される支えの柱)を完成後にむしり取るため
    • 手でも取れるように接合部は脆く作られるが、それでも穴の中などで取りづらいことはあるので
    • 切断というより破壊なのでニッパーはプラモ用じゃなくてワイヤーも切れる頑丈なのがいいです(こじる動きに耐えられるように)
  • ノギス
    • 計測超超超重要
    • 「どっかにハマる何か」を作るのであれば必須アイテム

写真のようにプリンターの横にはいろいろ工具が掛かってますが、どれもプリンターで作ったものを使うにあたって実際に必要になった工具が並んでいます。決してフックを作るのが面白くなっちゃって意味なくぶら下げているわけではありません。

それはそれとして、工具がまっすぐかかるようにフックを作るのは楽しいです。

最後にFUSION360ですが、はじめは使い方がさっぱり分からなかったのでYoutubeの解説動画のお世話になりました。

こちらの再生リストの最初の方をざっと見るだけでそこそこ使えるようになったのでおすすめしておきます。

おわり。