俺もスプラトゥーンの話がしたい

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 発売から一週間がたちました。もうそこら中で面白さについては語られまくっているので今更という感じではありますが、またかよと言われても俺だって語りたい。「ゲームをやる心の体力がなくなってきている」と言っていた人間が毎日ぶっ続けで遊びたいゲームが出てきた。こんなに嬉しいことはないよ。だから俺にも喋らせて。

 よく目にする「スプラトゥーンやりたいけどそれだけのために3万はちょっとな……」という方の背中を押して押して、広くて深いインク沼に突き落とす助けになれば、という思いもあります。俺もスプラトゥーンのためだけにWiiU買って、発売日の翌日には有休とったイカ人間だから。

 

銃を持つ人には全てが的に見える

 見た目がポップになっているとはいえTPSはちょっと苦手、と敬遠している人へ。

 気にすんな!! 視界に入る全てが的だ!!

 レギュラーマッチの「インクを塗った面積の広いほうが勝つ」というルールは本当によくできた発明で、相手に当たろうが当たるまいが撃ちまくる事には基本、メリットしかない。

 射撃=インクをまき散らす行為は勝利条件に近づくのは勿論のこと、他にも

  • 敵を倒す
  • 敵の足止めをする
  • 高速移動を可能にする
  • 壁登りのルートを作る
  • 潜伏ポイントを作る
  • 補給ポイントを作る
  • スペシャルウェポンのチャージ
  • 経験値の獲得
  • お金の獲得

といった効果をもたらします。トリガーを引くだけのことにこれだけの要素が込められているわけですよ。敵を倒すという射撃本来の用途以外にも多くの使い道がある。それどころかむしろそちらの比重の方が大きいというのがプレイを気安く、楽しくします。

 俺はDOOMの昔からFPS/TPSはテキメンに酔うマンなので、この手のシューティングをプレイしたのは6年前のアンチャーテッド2が最後です。*1 当然TPS上級者からは程遠いですが、下手は下手なりに活躍ができるのがありがたい。

 好戦的なプレイヤーは床を塗るのもそこそこに、一直線に主戦場に向かうので、TPS上級者が多いと自軍フィールドは塗り残しだらけ。そういうところを一人で塗りたくるだけでも相当な貢献になりますし、味方がバチバチやりあっている横で、誰も防衛していない敵色エリアをインクびたしにしてやってもいい。

 広いフィールドでの4対4バトルには必ず無人スペースが生まれます。そしてフィールドには立体的な抜け道だらけ。逃げて隠れてぐるっと回りこめば、一面に広がる敵の色はもはやボーナスステージ。塗って塗って塗りたくれ!!

 戦わなくて楽しいのか? と思われるかもしれませんがこれが超楽しい。

 昔のパズルゲームってステージエディットがついててね。ロードランナーで一面金塊しかないステージを作ってただ回収するだけの遊びは当時のプレイヤーは大抵やってると思うんですが、それを思い出しましたよ。

 どこを撃っても得しかしない。ぶっ壊し系のアクションゲームや、無双系にも通じる面白さ。単純作業だ、草刈りだつってもみんな大好きでしょ大雑把な蹂躙が。 

 こういうシステムだと0キルの人がポイントトップになることが往々にしてあるんですが、「俺らが撃ち合っている間にポイント稼ぎやがって……」とはならない。むしろこっちが遊びにかまけている間に仕事してくれてありがとう、ってなもんです。

 切り込む人、防衛する人、塗り残しを埋める人。役割分担ちょう重要。

 

弾けたり弾けさせたり轢いたり轢かれたりしよう

 では射撃下手にとって撃ち合いがつまらないのかといえば、これが超楽しい。

 チャージャー(スナイパーライフル)系は別として、メインのシューター系武器はインクを広範囲に撒き散らすので、精度の低いエイムでも結構当たる。正面切ってやりあえばそりゃ上手いほうが勝ちますが、ならば正面から当たらなければ良いだけの話。逃げろ!! 隠れろ!! 回り込め!!

 イカ化してインクの中を高速移動できるというルールがここで生きてくる。逃げるのは楽なんですよ、大抵の場合自分の後ろにはインクの道ができているはずだから。それで有利な位置を取り直せばいい。死角に回ったり、2対1であたったり。

 自分の射撃で倒せなくても味方には十分貢献になる。外れたインクは敵の足元に落ちるわけで、動きを封じる役割を果たします。物陰から放たれたインクが逃げようとする敵の背後を塞いだ時には「ナイスだ相棒!!」と叫んでそいつを抱きしめてやりたい気分だったね!!

 誰だか知んねーけど。次のゲームで敵になったりするけど。

 まあ当然相手も同じことをしてくるわけで、下がったら後ろに敵がいたなんてこともしょっちゅうですが。

 乱射戦の中で逃げまわるのもまた楽し。

 チャージャーは射線が見えるのでイカになってひょいひょいかわす。動いた瞬間もとの位置に致死量のインクがぶちまけられたりして、そのスリルがたまらん。

 お手軽な高速無敵体当たりでヘイトを集めがちなスペシャルアタックのダイオウイカ。これを見たら脇目もふらずに逃げろ逃げろ!! あはははは!! やばいやばいやばい死ぬ死ぬあはははは!! この妙なテンションは鬼ごっこの楽しさ。

 で、ダイオウイカを使うと無敵状態で調子にのって敵陣深くまで切り込んじゃう人が多いから、逃げ切れば返り討ちにできるのね。この落差がたまらん。なお、うまい人はダイオウイカでもしっかり死角からのしかかりにきます。

 そしてそもそも射撃をしないローラー。エイム不要の即死攻撃は初心者向けに見えて、実は位置取りが重要。正面からわわーいと襲いかかっても近づく前に撃ち殺されておしまいなので、横から後ろから、あるいは上から。ひっそり近づくためにはインクへの潜伏が役に立つ。インク溜まりから突然ドパァと出てきて襲いかかるローラーやダイオウイカ。グラボイズかお前らは。

 いやもうホント、塗るにしろ戦うにしろ、このインクの多機能ぶりが素晴らしい。必ず役に立つからとにかく撒いとけ塗っとけ、というシステム。

 子供の頃にやった、ルールも何もないただ雪玉をぶつけあうだけの雪合戦、そんな感じ。当たれば嬉しいし当てられてもペナルティは小さい。おまけに雪合戦と違って外れても何らかの役には立つ。基本動作がローリスク・ハイリターンにできているので何をやっても楽しいし、ヘタクソでも何もできずにゲームが終わるということがない。

 塗って楽しい、撃ちあって楽しい、逃げ回って楽しい。なんだこれ超楽しい。

 

触感のあるゲーム

 俺、手応えのあるゲームが好きなんですよ。難易度やボリュームといったいわゆる「やりごたえ」の話ではなく、「触感」という意味での手応え。自分が画面内の世界に影響を及ぼしているという実感、と言い換えてもいい。

 つまりはレバーを倒す、ボタンを押すといった行為に対してどれだけ直感的なフィードバックが返ってくるかということ。この辺はビジュアルとSEが重要だと思っています。

 例えばスト2で大パンチを当てた時の重たい打撃音と、くの字に体を折って血ゲロを吐く相手。ボタンを押しただけなのに自分が殴ったんだという感覚がありますよね。そしてそこからアンパン → 塩ラーメンへとコンボをつなぐ。

 ビデオゲームの快感とは敵を倒したり、謎を解くといった課題をクリアして得点や成長という報酬を得ることだと思います。

 それらの報酬に「自分がうまくやったから」という認識が掛け合わされば快感は跳ね上がる。だからキャラクターと自分がコントローラーを通して直結している感覚、「手応え」が重要なファクターであると考えるわけです。アクションやシューティングならば特に。

  スプラトゥーンを見てみれば、ゲームの中は手応えの宝庫。べしゃあと広がるインクのビジュアルは弾が命中したことを問答無用で視覚に訴えてきますし、敵に弾が命中したときのボスボスボスというSEもまさにダメージを与えていると感じさせる良い感触。そのまま弾けてインクをまき散らす敵の散りざまに感じる爽快感といったら。

 もちろん銃を撃っているときだけではなく、イカになってたぷたぷのインクを泳ぐ時もそう。トプンという音とともに潜り込み、フィールドを走り抜け。インク溜まりからインク溜まりへ飛び移り、垂直の壁を駆け上がる。高いところから飛び込んだ時には音がボチャンとなるのも芸コマ。

 アクションに対する細かなエフェクトひとつでゲームのプレイ感ってがらっと変わるもんです。その点スプラトゥーンはプレイ中のどの瞬間を切り取っても気持ちいいレスポンスに溢れていて、何度でも対戦を繰り返してしまう中毒性がある。

 要するに動かしてるだけで楽しいってことです。動かして楽しいから負けても楽しい、勝てればもっと楽しい。なにこれ最高じゃないの。

 

 以上。言いたいことは大体書けたと思うのでインク撒いてきます。

 みんなも早く参戦するといいよ!!

 

Splatoon(スプラトゥーン)

Splatoon(スプラトゥーン)

 

 

*1:スプラトゥーンは比較的酔いづらいです。俺でも2時間ぐらいはもつ。酔ったら休憩するきっかけになるのでそれはそれで