年末年始に実家で発掘したレトロゲームの話でも
レトロフリークを買ったことで、実家に埋もれているレトロゲームたちが俄然光を放ちだし、いつもは面倒くさい里帰りも楽しいイベントとなりました。
実家から現住居に送りつけたダンボール都合3箱分のゲーム。コレクション的な意味が強いので大半はインストールして終わりだと思いますが、中には思い出深いゲームやきっと最初から遊び直すに違いないゲームもちらほらとあったのでその辺のお話。
ていうか既に超遊んでる。超。
MD ガンスターヒーローズ/セガ
「一番好きなアクションゲームは?」と聞かれたら迷わずこれを挙げます。愛してる。
GG版、GBAのガンスタースーパーヒーローズ、PS2のセガエイジス版、最近では3DSの3D復刻プロジェクト版。ファンタジーゾーンに次いで多くのバージョンを買いまくっているゲームでもあります。
俺はメガドラファンを自称していますが、実は初めて買ったメガドライブのゲームが本体発売から5年も経ってからリリースされたこのゲーム。スト2のヒット以来アーケードには格闘ゲームが増え続け、家庭用はSFCでいわゆるJRPGが全盛期を謳歌していた頃。昔ながらの横スクロールアクションに飢えていた俺はファミ通のゲーム紹介を見た瞬間にハードごとの購入を決めていました。
これが直感に違わぬ最高の出来だったんですよねえ。「魂斗羅」系ガンアクションというのが一番通りがいいでしょうか。上下左右斜めの8方向に銃をバリバリと撃ちながら、襲い掛かってくるザコをなぎ倒し進んでいく類のゲーム。
アクションは軽快、演出は爽快にして豪快。無限湧きするザコですらボッカンボッカンと爆炎を上げて吹き飛び、道中では何体もの中ボス大ボスが現れる。
ガンスターヒーローズといえば2面ボスのセブンフォース。多関節でぎゅんぎゅん動くボスキャラに俺はメガドライブの性能とトレジャー(開発会社)の技術力を思い知らされたのでした。以来俺はずっとトレジャーファンです。未だにひっぱリンダだけは面白さが分からんけれど。
この手のゲームでは珍しい近接戦を取り入れているのもガンスターヒーローズが白眉たる所以でして、ガンアクションの他にジャンプキックや体当たり、スライディングや投げで敵と渡り合える。打撃攻撃はズガガガっと多段ヒットして気持ちいい。
そして投げ。敵に近接して方向キーと攻撃ボタンを押すことで好きな方向にポイポイと投げることができる。敵に敵を投げつけまとめて倒し、投げつけられた爆弾を投げ返す。これらの近接攻撃で行動に選択肢が増えると同時にアドリブ性がグッと増すのです。
この自由度は自分の意思と操作でキャラクターが「大暴れ」している事を強く感じさせてくれます。散々クリアしているのに、今やってもやはり面白い。俺のメガドライブ好きの原点にして、俺にとっての最高傑作です。
おかげで俺はメガドラ沼へ目も当てられない感じで嵌まることになるのですが、まあそれは別の話。
MD 魂斗羅 ザ・ハードコア/コナミ
ガンスターヒーローズを出したならこいつの話をしないわけにはいきません。
そもそもガンスターヒーローズを生みだしたトレジャーというメーカーはコナミで魂斗羅の開発をしていたチームが独立した会社です。そしてこの魂斗羅 ザ・ハードコアはガンスターヒーローズが大ヒットした1年後にコナミの本家シリーズとして発売されました。
ガンスターヒーローズへの対抗心から、それを超えるべく開発された。そう噂される程に完成度の高い魂斗羅へ仕上がっています。そう、「アクションゲーム」ではなく「魂斗羅」と呼ぼう。「ラーメン」ではなく「二郎」であるように。
アニメ調のキャラクターデザイン。ブロンド美女や狼男、おちゃらけたロボットを含んだ主人公チーム。一撃死からライフ性への変更。会話シーンやステージ分岐を含むストーリー性の強い作り。
従来作品から路線を変更し、メガドライブならではのバカゲーっぽい雰囲気を漂わせながらも、プレーするとこれは魂斗羅以外の何物でもない。
動きが、ステージ構成が、効果音がもうどうしようもなく魂斗羅。壁や扉を銃で破壊して進むのが魂斗羅。毎回エイリアンオチになるのが魂斗羅。これでいいんだ。これがいいんだ。
同じ事ばっかやって楽しいのかって? 楽しいよ文句あるか。
MD ミッドナイトレジスタンス/データイースト
父よ!
母よ!
妹たちよ!
なんでそこで改行したの?
つーことでデータイーストの魂斗羅です。*1
この手のゲームの源流ってやっぱり映画ランボーにあるのかなと思うのですが、それを忠実に踏襲し、ムキムキマッチョ兄貴が自動小銃を片手に単身敵地に乗り込むという、なんとも没個性な上っ面。
一見凡庸な本作を上記2作と並べる理由はその特殊な操作系にあります。
横スクロールアクションには移動と攻撃方向の悩みが付きものです。例えば右上に攻撃しようとレバーを右上に入れた場合、キャラクターは立ち止まるのか右に歩くのか、ということ。ボスキャラの弱点に連続して攻撃を当てたい場合は歩いてしまうと具合が悪いし、敵弾を避けながら攻撃するならば銃を撃ちながら歩けないと困る。
ガンスターヒーローズは好みのタイプを最初に選ばせる方式を取りましたし、エイリアンソルジャーはゲーム中の操作でタイプを切り替えられるシステムを採用しました。
そしてこのミッドナイトレジスタンスはボタンを押すことで銃をグルグル振り回す。*2 これはアーケード版のループレバーによる操作を再現したものなのですが、ちょっと癖はあるものの慣れると非常に使い勝手がいい。攻撃方向の決定と移動を完全に切り離すことで解決しているわけですね。
攻撃方向は固定で、ボタンを押し続けることでその角度を変えられる。レバーを介さないので、右を攻撃しながら左に移動することや、伏せたまま真上に攻撃するといった操作も可能に。これで火炎放射器を振り回すと楽しいのよ。どのプレイ動画を見ても火炎放射器しか使ってないので皆同じなんだなと。
データイーストにしてはまともなビジュアルですが、最終盤にはデコゲーらしくきっちり気が狂ってきますのでご心配なく。
MD おそ松くん はちゃめちゃ劇場/セガ
セガファンの絶望はおそ松くんの形をしているといいます。
俺はメガドライブの後期からセガ入りした人間なのでリアルに経験しているわけではありませんが、追体験のためにワゴン投げ売りの中古品を購入したのです。箱汚えな。
多くは語りますまい。ハード初期のソフト不足のなか延々これを遊ばされる羽目になったメガドライバーの心中は察するに余り有ります。可哀想だよう。
俺自身はこのゲームに何の思い入れもないんですが、27年後の現在において「おそ松さん」が大人気だということで、変なパラレルワールドに迷い込んでしまったのではないのかと思いつつ箸休め的に書いてみました。
おそ松さんの方は知りませんが、ゲームは今遊んでも目眩がする程つまんねえです。
MD アラジン/セガ
セガの名誉のため、ちゃんとした版権ものについても書いておきましょう。
「アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険」をはじめ、メガドライブはディズニーものの評価がいずれも高い。後期の作品になるアラジンはとにかくモーションがよく出来ていて、ちょっとやり過ぎなくらいのオーバーアクションでくねくね動く。
世界設定も似通っていることですし、やはり当時は「プリンス・オブ・ペルシャ」を連想した人も多いのではないかと思います。とはいえ「プリンス~」のような理不尽死にゲーではなく、誰でも遊べるとっつきやすいもの。
パワーアップなんてなくて、最初から最後までアラジンの武器は曲刀一本と飛び道具のリンゴのみですが、演出とバランスのよいレベルデザインで最後まで飽きさせないゲームはちゃんと作れるのですよね。
あと音楽。俺はこのゲームの音楽が大好きなので動画を見て堪能していただければ幸い。メガドラが走る環境を持っている方は実際に遊んで貰えればなお幸い。安いです。 ネタがネタだからバーチャルコンソールには絶対来ないでしょうしね。
MD モンスターワールドIV/セガ
全てのメガドライブソフトが廃盤になって久しいSS/PSの時代。開発会社のウエストンが公式サイトで直々に希望者を募って再販したのを申し込んで買ったんです。確か。
当時の成り行きはぐぐっても出てこないんですが、箱のなかにこんなものが入っていたので概ね記憶は正しいでしょう。この案内状によれば平成9年。投げ売りソフトを安く買い漁って一番メガドライブを堪能していた頃かもしれません。そこに開発会社が自信満々で再販するってんだからそりゃ定価だろうと買うでしょう。実際名作でした。
モンスターワールド(ワンダーボーイ)シリーズといえば高橋名人になったりビックリマンになったり西遊記になったりでセガハード以外にも移植される程度には良作です。可愛らしい2頭身キャラでちまちまと敵を倒してはコインを稼ぎ、武器や防具を買い揃え迷宮の奥底に潜むボスキャラに挑む。
最新作(22年前)のIVで主人公は戦士を目指す女の子アーシャに変わり、中東風の世界観になりました。もともとかわいいグラフィックのシリーズなのでこの変更はうまくはまった感じがあります。最近3DSで日本語ローカライズされた「シャンティ」なんかも連想させますね。
お尻を振り振り宝箱を開ける姿や、飛び降りる時に風をはらむだぶだぶズボンのはためきといった細かい動きにいちいち和む。そして今作で登場した空飛ぶペットモンスターのペペログゥ。投げて遠くの仕掛けを動かしてもらったり、掴まって滑空したり空中2段ジャンプをしたり。アクションの幅がグッと増えるだけでなく、アーシャをぶら下げて必死でパタパタ羽ばたく姿は単純にかわいい。
動きの話ばっかりしていますが、やはり動かしていて楽しいというのがアクションゲームにとっては一番大事なところだと思うので。
MD ルナーク/タイトー
密猟者は密猟者なのでブッ殺す。サイガアンテロープのためなら死ねる。「動物に対する愛情が人一倍強い」破壊工作員たちが密猟組織を壊滅させる、わくわく動物ゲームです。
アーケード移植のオーソドックスなベルトスクロールアクション。特徴としてはステージ途中で開放した動物たちが要所要所で主人公たちを助けてくれること。
ハクトウワシは上空からボスに襲いかかり、ガゼルの群れは津波となってザコをなぎ倒していく。なにより印象的なのがサバンナ最強の象さんで、自分を捕らえていた憎き人間どもを片っ端から肉塊に変えていったあと、密猟者が引っ張りだしてきた戦車を体当たりでブチ壊して去っていきます。ありがとう象さん。
基本的に演出がノータリンでして、止まった戦車からはどうやって乗っていたのか10人ぐらい人が降りてくるし、敵が投げた手榴弾は大抵仲間を巻き添えにしてこちらを助けてくれる。一瞬データイースト製かと勘違いしますが、タイトーです。*3 もっともアーケードゲームに関してはタイトーも大概ですが。*4
MD バトルトード/セガ
今パッケージ見て気付いたんだけどこれレア社*5が開発してたのね。そりゃ面白いわけだ。
これも基本はベルトスクロールのアクションですが、ステージによって縦スクロールになったり、高速強制スクロールになったり、完全サイドビューになったりと様々なバリエーションが楽しめる。
大ヒットした「ファイナルファイト」がそうであるように、このタイプのアクションは攻撃一発一発の爽快感が重要になります。バシンバシンと響くSE、大きなキャラクターの喰らいモーションなど、殴ってる感覚のフィードバックが面白さを引き立てる。
そうして見た場合、このゲームはどうにも地味なんです。キャラは小さいし、いまいち攻撃が当たっている感じもしない。最初はあれ? と思うんですが、このゲームの爽快感は「とどめの一撃」に集約されていまして、ちくちくとダメージを蓄積させたあと巨大化させたパンチやキックでボコーンと吹っ飛ばす。これが病みつき。
結構な覚えゲーで難易度もそこそこ高いんですが、次こそは次こそはとリプレイしてしまう感覚は魔界村に通じるものがあります。中古2000円ぐらいで買ってきたこれを友達と徹夜で遊んだのが俺の大学時代のハイライトです。しかもメガジェットで。何やってんだか。
MD ゲイングランド/セガ
バーチャルオンラインゲームシステムの暴走でゲーム内に取り残されたプレイヤーを救出せよ。初出のアーケード版は1988年ですから何とも未来を見据えた設定です。
地味な1画面の面クリタイプのシューティングですが、これが本当に面白い。
配置された敵を全滅させるか、キャラクターを全員EXITゾーンへ脱出させればクリア。
囚われたプレイヤー達は人質としてステージ内に配置されており、救助して脱出することで次ステージから操作キャラクターとして使用できます。
キャラクターはゲーム内のアバターですから見た目も性能もバラバラで、槍を投げる半裸の男に始まり、魔法を使う騎士・侍、マシンガンやロケットランチャーで武装した兵士まで。中にはSFチックなアーマーに身を包んだサイボーグみたいな奴もいて総勢20人。
どのキャラクターにもちゃんと使い所が考えられているのがすごいところ。例えば近代兵器の中ではどうしても弱そうに見えてしまう槍や弓使いですが、彼らは足が早く、高所にも攻撃できるという特徴があり切り込み隊長として大活躍します。
画面上方向にしか攻撃できないキャラクターなども不便に見えますが、横に移動しながら上に攻撃できるというのは大きなメリット。敵弾が届く前に水平に駆け抜けながら一気に敵を片付けることができる。
一応シューティングゲームにカテゴライズされていますが敵の移動や攻撃は遅く、反射神経よりは戦略性が重要になる渋いゲーム。こういうちまちました箱庭感が大好きで、何度も遊んでます。
MD ジノーグ/メサイヤ
メガドライブはアクションとシューティングに名作が多いハードですが、俺シューティング苦手なんですよねえ。なので語れる事も少ないのですが、このジノーグは雰囲気が好きでかなり遊びました。
自機は翼族のアニキ。敵キャラにはやたらと人間の顔がついた悪夢チックなデザインのものが多く、美麗ながらも独特のグロ世界を構築しています。
一発即死で自機の当たり判定も大きく、難易度はちょい高め。ただし死んでもパワーアップは1段階落ちに留まるので復帰は絶望的というほどでもない。その辺が途中で投げ出さずに遊び続けられた要因かなと思います。
「超兄貴」の原型とも言われていまして、確かにそこかしこにその片鱗が見られます。機械に顔やマッチョを埋め込んだ敵キャラクター群、特に1面ボスの人間機関車(動画5:00ぐらい)がヤエモンになっていったことは容易に想像がつきますし、ステージクリアのカットインとジングルなどはまさにそのもの。
なんでそっち方面に行ってしまったのか理解に苦しむところではありますが、何だかんだで超兄貴はヒットしてシリーズ化されましたし、葉山宏治によるBGMは神がかっていたのでまあいいか。
メガドライブだけで大分長くなったので一旦切ります。結果的に「メガドラ編」になってしまいましたが、ファミコンやスーファミもぼちぼち発掘したのでまた書くと思います。書く前にはどうしても遊んでしまうのでいつになるやら。
つづく。(たぶん)