超美麗キアヌ無双「ジョン・ウィック:パラベラム」他 ー 最近観た映画の感想

ザ・ベビーシッター

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ガンズ・アキンボ」のサマラ・ウィーヴィングが良かったのでキャストで検索かけたらネットフリックスオリジナルのこれが引っかかり、そういやサムネはよく見るなと思って視聴。

主人公の少年コールは12歳になってもベビーシッターを付けられていることを同級生からからかわれ、いじめられている。彼自身それがコンプレックスではあるものの、ベビーシッターであるビーの事は大好き。

彼女はセクシーな美人で、どんなときにもコールを守り、いじめっ子を追っ払う。大切な弟のようにコールに接しながらも、決して子供扱いはせず、ガチで一緒に遊んでくれたり、大好きな映画トークに花を咲かせたりする。思春期の少年が恋をしてしまうのも当然の素敵なお姉さんなのです。悪魔崇拝者の殺人鬼だということを除けば。

両親不在のある晩、コールはビーが深夜に数人の仲間を連れ込んで悪魔召喚の儀式を行っているところを目撃してしまう。

なんでバイト先の家でそれをやるんだよという話はさておき、そのことを感づかれたコールは悪魔崇拝者の学生グループたちから命を狙われることになるのでした。

以降は負けたほうが死ぬ「ホーム・アローン」なんですが、普通のB級ホラーなら殺人鬼や化け物に順次殺されるバカ大学生グループが全員殺人鬼側に回る構図が面白い。返り討ちにあって順次死んでいくのは一緒ですが。

学生たちのキャラも立ってて、普通なら真っ先に死ぬ「ブロンドバカ女」が意外としぶとかったり、やはりすぐ死ぬタイプの「脳筋ジョックス男」が敵に回ると超手強い。ネタバレになるので内容は書きませんが、コールがいじめられているのを知った脳筋とのやり取りが面白すぎでした。

本気で悪魔を召喚しようとして人を殺す連中なので全員ノータリンではあるのですが、少なくともただ返り討ちに遭うためだけの有象無象ではなく、なかなかに良い見せ場と死に様があるバカ共です。

血はドバドバ出ますが、B級ホラーにしてはゴア描写は少なめ。コメディ寄りの一風変わったホラーとして気軽に観られます。

ジョン・ウィック:パラベラム

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2が個人的にいまいちだったので、劇場には観に行かず配信待ちしていたのを最近ようやく観れました。そしたらすっげえ良かったです。これなら劇場で観てもよかったな。

いつものキアヌ無双が観られりゃそれでいい、ぐらいの気持ちだったんですが、今回とにかく映像が綺麗なのが気に入りました。光の使い方、フレーミング、セットや小道具類を含めた画作り。ありとあらゆるシーンが美しすぎる。アクションそっちのけで見惚れるわ。

図書館やアンティークショップ(?)での戦闘とか、馬とバイクのチェイスシーン、無闇にアイテムにこだわったコンチネンタルのアカウント部など、序盤から美麗シーンの超ドカ盛り。うーん、好き。

その上でもちろんアクションも相変わらず極上で隙がない。馬のシーンとかマジでどうやって撮ったんだアレ。至近距離でヘッドショットを決める前にとりあえず足とか腹とか撃つのは良く分かりませんが、1作目からそうやってるので、ガン・フーとはそういうものなのです。たぶん。

そしてシリーズ化によって人間模様にも深みが出てきた。四面楚歌状態のジョンに手を貸すサブキャラたちはどいつもこいつも男前だし、完全に敵に回ったコンチネンタルという組織の概要もおぼろげながら見えてくる。

メインの刺客は怪しげな日本語とニンジュツを使う寿司屋という訳の分からない造形ですが、彼の部下(弟子)が全員長ドスで襲いかかってくるのは最高ですし、本人がなんだかんだでジョンの大ファンで戦ってみたいバトルマニアってのもいいですね。この辺、前二作に比べて多分にアメコミチックですが、個人的には好みの方向性です。まあ今作程度で留めておくのが良いバランスだとは思いますが。

絶体絶命状態から始まるストーリーに反してコミカルな要素もふんだんに盛り込まれていて、弾切れからのめっちゃナイフ投げつけあうバトルだとか、飼い犬に舐められまくってまともに話せないジョン、完全防弾装備の敵部隊とひとしきりやりあってから「ちょ、銃効かねえ!! もっと強いの!!」と武器庫に引き返すジョンなど、殺伐としているのに謎のほっこり感を振りまくシーンがちらほらとあって楽しいです。

今作で完結すると思っていたので、まさかの「第4作に続く」エンドに驚きましたが、今回はむしろ楽しみ。次は劇場で観ます。 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 

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公開直後に熱い感想文がアップされてまくっているのを横目に見てはいたのですが、いま人混みは嫌なんで、2週間ぐらい経った頃に観に行きました。

ネット上の熱量に対して、俺自身は「ちゃんと終わったねえ。よく出来てたねえ。面白かったねえ」ぐらいしか書くことがなくて驚いています。驚く程に感慨が沸かない。エヴァンゲリオンは結構好きなはずなんですが、それほど思い入れがあるわけでもないのだということを自覚しました。

全ての発端を語るゲンドウの独白。共感できるところも大いにあるんですが、同時に「お前こんだけやらかしといて言いたいことはそれだけか」と思ったのが正直な所。

俺は今まで「セカイ系」って言葉がどういうものを指すのかピンと来てなかったんですが、「ああ、これかぁ」って思いました(違ってたらごめんなさい)。

でもアニメーションとして眼福だったので劇場で観る価値は十分ありました。艦船を盾に使ったりミサイルにしたり、実にハッタリが効いていて良かった。ネルフ側のエヴァも大変にクリーチャーじみていて素敵。フランスのラインダンスみたいなやつが大好きです。

はい、こんな程度の感想しかございません。

前の

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やたらとローカロリーな脳死ゲーム「Loop Hero」

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レトロ風グラフィックで、全く新しいローグライク。デッキビルドやハクスラ要素も入って、リリース後1週間で50万セールス達成。

絶対好きなやつだと思って買って、いまんとこ20時間ぐらい遊んでるんですが、俺は未だにこのゲームが面白いんだかどうだかよく分からないんですよねぇ。

一度始めたらやめ時を見失って延々と遊んじゃうんですが、俺ん中では宇宙規模で延々とクッキーを生産し続けるゲームと同じ箱に入りつつあります。

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ゲームを始めると、こういうループ状のマップが生成されて、白いアイコンのヒーローと敵キャラが配置されます。ヒーローは焚き火のあるキャンプタイルを起点に、このループしたマップをオートでぐるぐる回りながら敵を倒していきます。

敵を倒すと、装備品または所持デッキからランダムに選ばれたカード、もしくは素材アイテムが手に入ります。

装備品にはレベルやレア度の違いがあり、レベルが高いものは基本性能が高く、レア度が高いほどカウンター攻撃や体力のオート回復などの特殊効果が多く付きます。

ハクスラ系ゲームの基本に沿って、敵を倒しては装備品を順次強力なものに持ち替えつつゲームを進めるわけです。

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右下にずらっと並んだ数値が装備品その他の全効果を含めたステータス。

戦闘は完全オートで眺めるだけですが、うまく装備品の特殊効果を組み合わせることでヒーローはめきめき強くなりますので、その取捨選択をすることこそがこの作品におけるゲーム部分といえます。

そしてカード。画面左下のこれ。

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このカードは基本的に地形タイルをマップ内に配置するもので、画面上にドラッグ&ドロップすることで、ドロップした場所に対応する地形が生成されます。

道の上に配置するタイルは、ヒーローが通過した際に体力回復や素材入手等の効果をもたらす一方で、タイルに対応したタイプの敵がスポーンするようになります。

マップ周回の危険度は上がりますが、敵を倒さないとアイテムは手に入らないし、レベルも上がらないので積極的に配置していくことになります。

そして、道の外側に配置するタイルもありまして、これは数や配列によってヒーローのステータスを上げたり、タワーディフェンスゲームのように効果範囲内に攻撃その他の影響を及ぼしたりします。

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探索が進むとこのようにマップに情報と敵キャラが増えてだんだんと賑やかになっていく。敵が増えるほど入手できるアイテムも増えるので忙しくなってきます。

ステージ毎に規定の範囲をタイルで埋めるとボスキャラがスポーンし、それを倒せばステージクリア。なんですが、そう簡単には倒せないので、探索中に入手した素材を持ち帰り、キャンプ施設を増強することでヒーローをパワーアップさせます。

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この辺はストラテジーゲーム。有利な効果をもつ施設を作り、素材を使って作った施設を強化することもできる。

こうやってキャンプを拡張していくことで新しいカードが手に入り、遠征中に配置できるタイルの種類が増えます。遠征に持っていけるカード枚数には上限があるので、タイル同士のシナジーを考えて選ぶというデッキビルド的な要素もあります。

とまあ、こんな感じで人気の要素をこれでもかと盛り盛りに盛った上で、全く破綻している部分がない。すべてを綺麗に融合させた見事な作りです。

こんなもん絶対面白いし、実際やってる間は楽しいんだけど、何がモヤモヤするかってこのゲーム考える部分がほとんどないんですよね。

敵を倒して素材を持ち帰りパワーアップ。それを繰り返してボスを倒すのが目的ですが、どんなに適当にやっても必ず素材が持ち帰れるので、漫然とプレイしてても(効率の差こそあれ)絶対にヒーローは強くなる。

探索中に落ちた装備やレベルアップ時スキルを組み合わせるハクスラ要素。ローグライクなので都度即興のビルドでヒーローを強化するのは楽しいし、引き運が良かった場合の無双感もたまらないものがあるのですが、基本的に探索後半に落ちる装備の方が強いので、何も考えずにただレベルの高い装備に持ち替えるだけでも形になってしまいます。

カードゲームとパズルゲームを組み合わせたタイル配置によるマップ生成。これもタイル間の相互作用などの要素が薄めなので、すぐに最適解に落ち着いてしまい、以降は作業。大量に敵を産出してヒーローに効率的に倒させるよう、毎回同じような配置をしていくことになります。

結果としてこれは非常に熱量の低い作業を死んだ目で延々繰り返すゲームとなります。ただ、困ったことにそれが結構楽しいんですよね。パワーアップにより素材や装備品が効率的に手に入るようになり、それがまた次のパワーアップにつながる。

ローグライク&ハクスラな遠征中の短期的なパワーアップと、キャンプの増強を行う長期的な拡大再生産。多くの人間は本能的に拡大再生産が好きなのです。

そんなわけで、最初に書いたとおり俺はこのゲームをローグライク/ハクスラ/ストラテジー/カードゲームの皮をかぶったクッキークリッカーだと思ってます。ゲームがゲームたる本質部分だけを抽出した結果、無を楽しんでいる気分になるあたりがそっくりです。

常に「もっといい時間の使い方があるんじゃないかな……」と感じつつも、そのカロリーの低さからなんとなく遊び続けてしまう楽しい虚無。それがこのLoop Hero。

今はSteamでもIdle(放置)ゲームがひとつのジャンルになってるぐらいですし、世の中には虚無好きが結構いるのですよね。俺も嫌いじゃないんだけど、人に勧めてよいものかはちょっと悩みます。虚無だから。

ロマンの二丁拳銃バカ映画「ガンズ・アキンボ」他 ー 最近観た映画の感想

キラー・メイズ

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自宅にダンボールで迷路を作った男が、中で迷って脱出できなくなってしまった。

そんな馬鹿なと恋人や友人たちが入ってみると、小さな入り口の先には広大なダンボール製の迷宮が広がっていたのだった。

中にはダンボールで作られた殺人トラップやモンスター。各種紙製品で作られた世界で、犠牲者たちは罠にかかり死ぬ。血しぶき代わりに赤い毛糸や紙吹雪を舞い散らして。

と、ビジュアル的にもアイデア的にもめっちゃくちゃ面白そうなのにびっくりするぐらいつまんねぇのね、この映画。面白いのはダンボール迷宮のセットだけだったわ。

人死にを出すことでガチのサバイバル物にするのか、緊張感のない感じでコメディにするのか、どっちも中途半端で、笑えない上に緊張感がないという悪いとこ取りになっちゃってる。

絵面は面白いのになぁ。もっと他にやりようはなかったもんか。もったいない。

ガンズ・アキンボ 

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こういう1mmも頭を使わない映画を劇場で観ることこそ娯楽であり、最高の贅沢。ダニエル・ラドクリフは役者として「ハリー・ポッター」に強く固定されたイメージを意図的に壊しにいっているようにも思えます。もうずっとこんな役ばっか演っててほしい。

参加者同士の殺し合いをライブ配信する闇サイト「スキズム」。そこにクソリプを飛ばし運営を怒らせたマイルズ(ダニエル・ラドクリフ)は両手に拳銃を固定され、無理矢理バトルにエントリーさせられてしまう。対戦相手はスキズムで連戦連勝の猛者、ニックス(サマラ・ウィーヴィング)。果たしてマイルズは生きて解放されることができるのか。

まあ内容は割とどーでもいいんですよ。ヘタレが死にもの狂いで逃げ惑う前半と、二丁拳銃(アキンボ)でバンバンバラバラと銃弾を振りまいて敵を倒しまくる後半。何ひとつ考える必要はありません。こういう映画だろうな、と思って劇場に行ったらそういう映画が流れてました。

ポップなイラストやフォントのアイキャッチがバンバン入ってくる演出は最近良く見ますが、人気サイトの見せ物という体にぴったりマッチ。ご機嫌な音楽とともに、元ハリー・ポッター演ずる銃撃と爆発の脳筋デスゲームを鑑賞できます。

そして対戦相手のサマラ・ウィーヴィングがまた非常に役にハマっております。薄い眉、ウォーボーイズばりのアイシャドウ、鋲だらけでトゲトゲのジャケットを着て、鼻にクスリを突っ込んでご登場する最高に柄の悪い姐さん。

この楽しそうなガンアクションを見よ。絶対にお近づきにはなりたくない格好良さでございます。彼女が暴れる序盤だけで元が取れるやつ。

友情、恋愛、親子愛、登場人物の動機づけとして申し訳程度に突っ込んでありますが、そんなもんは横に置いといて、虚構全開の爽快なアクションを楽しみましょう。

あと、マイルズがカメラに向かって「お前らが観るからこんなサイトがのさばるんだ」的なことを訴えたときに視聴者全員大爆笑してたのは最高でした。そうそう、インターネットってこんな感じ、という。

SEARCH」にも通ずるものがある、ネット批判というよりも単に今の時代を映した描写ですよね。フィクションだからこそ描ける身も蓋もなさ。好き。

ビーチ・シャーク

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「砂の中で流体力学的に有利なウロコ」を持ったサメが、ビーチをパニックに陥れる!!

全くサメ映画は言い張ったもん勝ちですね。言うまでもなくクソ映画なんですけども、「デビルシャーク」の後だと全然観れちゃうから本当に罪深いわあの映画。

少なくともカメラはちゃんと使えてるし、 ストーリーは概ね「ジョーズ」そのまんまなのも観やすい理由のひとつ。言い換えると、サメが砂の中を泳ぐことを除けばオリジナリティはほぼないと言って良いです。

この映画でジョーズの海水浴場に相当するのは、島興しとして開催される砂浜での音楽フェス。砂の中を泳ぐサメによる人死にが出ていることを隠したまま強行して大惨事になるという、うん、まあほんとそのまんま。

昔のB級映画みたいに無意味にオッパイを出させようとして、さぁオッパイを出すぞ、せーの、(バクン)と喰われるのはとても良かったなあと思いました。オッパイを出さずに済んだという点でポリコレ的に。この辺は近年の映画なんだなと感じます。まあ喰われたけど。

そしてパニックを起こした客はビーチから去らずに四方八方めちゃくちゃに走り回る。この人達は虫なのかな? って思いました。

他には砂の中は見えないから基本的に背びれだけ出しときゃいいってのが良い発明ですね、というのと、一応ちゃんと映画にはなってるというあたりが褒めるポイントでしょうか。

「デビルシャーク」は本当に酷かったんですが、自分の中の閾値を大幅に押し下げて、楽しめるものが増えたという意味で良い面もあったと言えますね。

いわゆる「バカ舌」になることが幸せなのかどうかは分かりませんが。

前の

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俺が欲しいeバイク

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そろそろeバイクが欲しいなと思っています。巣ごもり生活で明らかに体力が落ちつつあるので、自転車乗るのもちょっと楽しようかなと。一昨年ついに花粉症を発症してしまったので、この時期マスクしながら息が弾むような運動はキツイ、というのもあります。

大手メーカーのスポーツバイクも大体ラインナップにeバイクが入るようになってきて、選択の幅が広がった。おかげで性能・品質・価格のバランスもこなれてきた印象で、そろそろ買い時であろう、ということにしてとりあえず物色してみました。

BESV PS1 / 276,000円(税別)

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いまeバイクを調べると筆頭に出てくるのがBESV。名前はよく見るものの、今回調べるまでほとんど知らないメーカーでしたが、台湾のメーカーだということで個人的にはもうそれだけで信頼してしまいます。

スポーツバイクタイプが増えたから、と書いたそばからいきなりトリッキーな形のミニベロを挙げちゃってますが、このデザインが好きです。多くのeバイクのデザインにおいては、とにかくバッテリーパックの存在感が邪魔だと俺は思うのですが、これは個性的なフレーム形状の中にうまく埋め込んであってカッコイイと思います。

小径車のパワーロスは電動アシストでのフォローを期待。サスペンションも乗り心地とパワーロスのトレードオフですが、アシストがあれば乗り心地の方を取れるので、仕様としては文句なしです。

アシスト最強にしても航続距離は70km。主な用途として考えている通勤用としては有り余るスペックです。週末に片道10~20kmぐらいのポタリングをするのも余裕。

仕様としてはアルミフレームの廉価版、PSA1でも十分で、2本線の入ったペイントなんかはより好みであるのですが、重量が17.4kg → 19.6kgと2.2kg違うのと、メインコンポーネントがAltus7速とTiagra10速で結構差があるのが悩ましい。あとはディスクブレーキがメカニカルか油圧式かという違いもありますね。

でも価格差は税込みにすると10万超える。この価格差ならコンポーネントはあとから交換すればいいとして、電動アシスト状態での2.2kgがどれほど乗り心地の差になるのかが問題。実際に乗ってみないと10万の価値があるか分かんないですね。

最初はお試しでPSA1でもいいのかもしれない。 

BESV JR1 / 276,000円(税別)

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同じくBESVのJR1。ドロップハンドルのスタンダードなロードバイクスタイルのモデル。これも本当に上手くバッテリーをデザインに溶け込ませていて感心します。

バッテリーパックの取り付けは内蔵かむき出しか、ダウンチューブかシートチューブかでざっくり系統が分かれる印象ですが、これは埋め込みで太くなっちゃったダウンチューブをカラーリングでスッキリ見せるデザインで実にスマート。

クロスバイクタイプのJF1というモデルもありますが、そちらはこの色分けを使ってないんですよね。

タイヤの太さとかフラットバーハンドルの取り回しの容易さを考えればJF1の方が目的には合うんですが、ここは見た目でJR1一択。駆動系もSimanoの105で言うことなし。これを買うならロングライドにも使いたい。

FUJI MOTIVATOR / 229,000円(税別)

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FUJIのクロスバイクはいつも格好いいなと思うんですよね。これもダウンチューブにバッテリーを内蔵してるタイプ。「これがバッテリーパックでござい」とばかりに外付けになってるのがどうにも受け入れられないので、内蔵型ばっかり欲しくなる。

当然ダウンチューブは太くなっちゃいますが、ストーンと素直にまっすぐ伸ばしたところにFUJIのロゴが入るのはとても好き。

面白いのがフロントフォークの横にボトルケージ用のネジ穴がついてることで、これはダウンチューブに付けられない分のマウント箇所を補填してるのでしょうね。

バイクに跨ったままでは手が届きませんが、ツールボトルや輪行袋を入れる分には全く問題なし。ちょっと使ってみたい。

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あとヘッドライトがLEZYNE製らしく、そこも惹かれるポイント。俺、LEZYNE製品好きなんですよねぇ。

コストダウンとデザイン優先(バッテリー小型化)ゆえだと思うのですが、航続距離は短めの50kmというのがやや残念。とはいえ、通勤とポタリングには十分。ロングライドはロードバイクですりゃいいし。

ドライブユニットは安いeバイクによくついてる中国Bafang製ですが、別に悪い評判を聞くでもないのであまり気にしてません。BESVのバイクもそうですが、リアハブモーターは目立たなくていいなと思います。タイヤ外して掃除するときにちょっと苦労しそうですが。

TREKとかcannondaleとかはBosch社のいかにも高トルクっぽいモーターがついてるのですが、ペダルの踏み込みを直接アシストするタイプなのでクランク周りのフレームがデカくなっててちょっと不格好なんですよね。どうせ法律で24km/hまでしかアシストできないのだから、そんなデカいの要らないのでは、と思ったり。乗ってみないと分かんないですけどね。

SPECIALIZED Vado SL 4.0 / 363,000円(税別)

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予算が全然合いませんが、欲しいか欲しくないかを言えば超欲しいです。

いかついモーターでクランク周りのフレームが太っちゃってるタイプですが、これはモーターに向けてグラデーションをかけているカラーリングの妙で、上手くデザインに取り込んでるなあという感じ。

アルミフレームでも14.9kgと、eバイクとしては破格に軽いのが魅力。そのおかげか航続距離はエコモードでデフォルト130km、オプションバッテリーを追加すれば190km。

うっかり充電を忘れてバッテリーが切れても軽いから良さそう、とか思ってたら、数日充電を忘れた程度ではまずバッテリーは切れなさそうな長距離対応。用途を考えればそんな航続距離は全くいらないのですが、充電回数が減らせるのは嬉しいですし、気まぐれで足を伸ばしてしまっても不安を感じる必要がないというのは非常に良いですね。

ここまで価格が上がっちゃうと盗難が怖くてその辺に乗っていけず、そういう意味でも手が出ませんが、一度乗ってみたいバイクではあります。

BRIDGESTONE TB1e / 129,800円(税別)

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エントリー向け格安クロスバイクのTB1をそのまま eバイク化したのがこれ。値段はダントツで安いし、仕様から考えても通勤用としてはほぼ最強なんじゃないでしょうか。

全後輪にフェンダー標準装備、鍵も施錠解錠が楽なサークルロックが標準装備。チェーンガードは格好悪いけど、通勤用ならあっても良いし、嫌なら外せばよい。ブレーキはVブレーキですが、別にディスクブレーキの強力な制動力が必要なわけでもなし。

さっきはdisったバッテリー外付けもこの位置なら結構許せる。フレーム自体は元のクロスバイクの形状そのままでスッキリしてますし、変わったところにボトルケージ付けてんのね、と思えばなんとか。やっぱり俺はダウンチューブの上にどぺぇっとバッテリーが寝そべっているのが好きじゃないんですね。

ちょっと気になるのは重量は22.3kgとママチャリ並に重たいこと。とはいえモーターは前後ハブに付いた2輪駆動で強力なアシストを謳っており、ブリヂストンがそう言うならパワーに心配はないでしょう。

そもそも日本のeバイクは長らくママチャリでノウハウを積み重ねてきたものですしね。普通のクロスバイクみたいにちょっと担いで段差を超える、みたいなことがやりづらいのは残念ですが。

また、この2輪モーターの仕組みをうまく使って、前輪モーターで電車の回生ブレーキみたいなことをしているらしく、惰性で走っているときや後輪ブレーキを掛けたときに発生する電力でバッテリーパックを充電できるそうです。こういう小細工はいかにも日本メーカーらしくて素晴らしい。

おかげで重たいのにエコモードでの航続距離はVado SL 4.0と同じ130km。仕様と価格だけ考えたらこれ買うのが一番てっとり早い。それは分かってるんだけどどうせ買うんならもっと格好いいのがいいなあ、でも格好良くて高いとなると盗難リスクがなあ、などと同じ考えが堂々巡りしているところです。

楽しい。

DAYTONA DE03 / 138,000円(税別)

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これは完全にnot for meというやつなんですが、こういう方向性もあるのか、と感心してしまったので並べてみます。

ダイヤモンド型フレームのオシャレミニベロをそのままeバイク化。バッテリーパックをレザーケースに包んで、まるで荷台の荷物のようにこれ見よがしに配置。これ、すっごく良いアイデアですね。

グリップやサドルも同色のレザーで統一した一貫性のあるデザインが素敵。元より俺はこの形のミニベロ大好きなんです。

航続距離は45km。完全にポタリング用と割り切ってる感じのバイクですし、こんなオシャレなもんは俺の購入候補からは外れるんですが、乗ってる人はちょっと羨ましいなあと思う。そんなバイク。

 

以上、今のところ候補に挙がってるのはこんなところ。

これは絶対に試乗なしには選べないので、そのための外出自体がしづらい昨今、実際に購入するまではしばらく掛かりそうですが、買うつもりでいろいろ調べてる時間が一番楽しかったりするのでそれはそれで。

サプライズエイリアン理論 ー 最近観た映画の感想

コンスタンティン

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なんで悪魔憑きはみんな天井に貼り付くんだろうね。 

ディヴァイン・フューリー」を観たときにそりゃあもうすげえ中二病だなあと思ったもんですが、エクソシストものの宗教色を薄めるとどうやってもそうなるんだね、ということが分かりました。

前提が「聖」対「邪」だから絶対的正義が主人公サイドにあり、かっこいい聖書の一節を唱えながら戦う。ちょっと悪めのハードボイルド感なんて出したら完璧だ。何をやっても中二的格好良さからは逃れられないのなら素直にそれを楽しむのが正解でしょう。

聖なるメリケンサックと金ピカ十字架のクソダサ銃。ボーリング場レーンの裏のアイテム工房やちょくちょく唐突にぶっ込まれる地獄の映像、腕に浮かび上がる紋章等、詳しいことはよく分からないけど何かカッコイイからまあいいや、って感じで深く考えずにディティールを味わう映画です。

最近はヒゲモジャのイメージが定着しちゃってるので、この頃のキアヌ・リーブスはひたすらにイケメンで驚く。この人こんなだったっけ。そしてガブリエル役のティルダ・スウィントンも中性的でやたらとイケメン。イケメン映画。

カウボーイ&エイリアン 

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ダニエル・クレイグの左腕に変な機械が嵌まっていることを除けば、なんともスタンダードな西部劇が展開されるわけですよ。

流れ者のアウトローが、地元の権力者のチンピラ息子とひと揉め起こす。チンピラ息子は普段から父親の権力を笠に着てやりたい放題なので、保安官は流れ者とまとめてしょっ引いてしまいたい。二人まとめて護送馬車へ放り込み、いざ司法の裁きにかけようとしたところで、元軍人の父親が手勢を引き連れて登場、小さな開拓街は一触即発の雰囲気に。

   というところで宇宙人の戦闘艇が襲来、その場にいた人間を大量にさらっていって全てが有耶無耶になったのでクソ笑いました。なんだこれ。

「サプライズニンジャ」という作劇の法則が提唱されているらしく、いわく、「突然忍者が現れて、登場人物をなぎ倒して去っていく方が面白い場合は、そのシナリオの面白さが足りていない」んだそうで。

そうは言っても、どんなシナリオでも突然忍者が現れて登場人物をしばき倒してったらそんなもん面白いに決まってるので、相当高いハードルを課してるなあと思うのは俺だけじゃないはずです。

つまり、どうやったって面白すぎるサプライズニンジャを雑にエイリアンに置き換えたこのシーンも面白いに決まっているのです。(※注・映画が面白いとは言ってない)

大物俳優はダニエル・クレイグだけでなくハリソン・フォードまでキャストしているのに、西部劇の世界に唐突にエイリアンが襲来するのに、それなのに抜けきれない凡庸さ。エイリアンの超文明に対峙する絶望感や、それでも対立していた人間同士が手を取って立ち向かう熱さ、あるいは突き抜けた馬鹿さ加減など、どれも見当たらず中途半端が否めない。

どうせやるなら「バトルシップ」のような馬鹿さと熱さがほしかった。クリーチャーデザインもいまいち魅力がないし、全体的に妙に淡々としていて、どんな顔して観たらいいのか分かんないんだよね。

まあ最初のエイリアン襲来の瞬間はめちゃめちゃ面白かったのでそこまでは観てもいいんじゃないでしょうか。たどり着くまで30分かかるけど。 

沈黙の戦艦

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戦艦ミズーリの中でセガールがテロリストを相手にダイ・ハードするやつです。音に聞こえた最強コック、ケーシー・ライバック兵曹を一度観ておこうと思いまして。

古典ではないが、そこそこ古い映画の空気感。いかにも昔の金曜ロードショーでやってそうな感じ、今観るとすっげえ良い味わいがあります。

退官直前のミズーリの内部、古いコンピューターや計器類のビジュアルがフィルムカメラによる解像感甘めの映像で映し出されると「うわぁ、親父がビール飲みながら観てた感じのやつだ!!」ってなって、観たこともない映画に謎のノスタルジーを感じる。洋画を観て実家の茶の間を思い出すという。

内容は何の変哲もないダイ・ハードなので安心して観ていられます。元SEALSのセガール無双やセガール拳による謎のナイフ捌き、ただの足手まといから異様に頼れるパートナーと化すヒロイン、ラスボスのトミー・リー・ジョーンズのぞんざいな殺され方など、見所多数。

お約束・王道とよばれるものの源流に近い、こういう作品をたまに摂取するのはとても良いですね。

アップグレード

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Amazonおすすめからの高評価レビューで観てみたけれど、なるほど、これは面白い。

ある日、謎の男達に襲われて妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまった主人公。知人のAI企業トップの助けで脊髄へ最先端のチップを(非合法に)埋め込み、自由に動けるまでに回復したばかりか、人間離れした身体能力を手に入れることになる。

男は死んだ妻の復讐を果たすため、襲撃犯の調査を始めるのだった……。

まず、アクションがすごく良いですね。AIに体の操作を委ねることで、オートパイロット的に戦うことになるんですが、AIなりの合理的な動きと常識離れした身体能力により、人間の体で全く感情のこもっていない無機質なバトルが展開されます。

その面白アクションを強調する独特なカメラワークなども含め、「リベリオン」のガン=カタをちょっと思い出しました。絵面は全然違うんだけど、機械のような動きから何故か連想させるものがあります。

そして襲撃者とその黒幕を追うサスペンス。期待通りの展開、からすごいとこに着地する結末が素晴らしい。終わってから「すげえ良いタイトルだ」って思わされる。SF短編「スパイス」を読んだときのそれを思い出しました。 

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:森岡 浩之
  • 発売日: 2017/10/31
  • メディア: Kindle版
 

 最先端のAIチップがゲジゲジICなのだけは納得いきませんが。

前の

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ちっちゃいトラベラーズノート的なやつを自作した

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財布をMicro Sleeveに変えたことでジーンズの前ポケットが片方空いたので、手帳を突っ込もうと思ったのです。なぜなら手帳をジーンズのポケットから無造作に取り出すと格好いい気がするからです。俺の道具選びなんてそんなもんです。

んで、パスポートサイズのトラベラーズノートを買いました。

革製のカバーにゴム紐で専用のちっちゃいノート(リフィル)を挟むだけのもの。安くてごくシンプルだけど、質感や手触りがよく、革の変化も楽しめそうな良いものです。これは。

しかし如何せん、前ポケットにねじこむには微妙にでっかかった。入らなくはないのだけど、W30のリーバイスにはギリギリ。「格好良さそうだから」でポケットに手帳を入れようとしてるのに、出し入れにもたついてたら格好悪い。

大きさ的にはシステム手帳のマイクロ5穴(A7)サイズが理想的なのですが、俺、システム手帳みたいに真ん中にリングがあるミニノート嫌いなんですよね。書くとこ狭いのにリングが手に当たって尚更書きにくいから。

なので、自分で丁度いいサイズのトラベラーズノート的なやつを作ることにしました。実物を見れば分かりますが、最低限必要な加工は革切って穴あけるだけなので。

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左がオリジナル、自作したのが右。自分としてはほぼ完全に求めていたものが出来上がったといえる仕上がり。色がやたら青く見えますが、これはカメラの影響で、実物はもっと落ち着いた色です。

気に入らなければまた作ればよし。どんな色の革からでも作れるのも自作のいいところです。

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革がまだちょっと硬いので丸まった感じになってますが、使ってるうちにいい感じにヘタレて馴染むはず。

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縦は2cm、横は1.5cm程度のダウンサイズ。微妙な違いに見えますが、この差がポケットからの出し入れのしやすさに大きく影響します。

ちなみに自作しようという考えに至ったのは、トラベラーズノート売り場にオフィシャルのリペアキットがあったからです。

紐そのものは100円ショップので十分ですが、紐の通し方とか金属パーツの留め方が書いてあったので買いました。あとは革カバーだけ用意できればいいなと。

今回は雰囲気を寄せるために金属パーツはオフィシャルの部品を使いましたが、貴和製作所とかで気に入ったものを買ってもいいですし、結び目が気にならないのであればパーツなしでただの固結びでもいいと思います。金属パーツは留め具というよりはただの結び目隠しとしての意味合いが強いです。

リフィルとして市販のA7ノート(74mm×105mm)を挟むので、切り出す革のサイズは二つ折りでそれよりちょっとだけ大きくなるように。

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革は挟むノートの現物合わせで適当に切りましたが、出来上がりを測ってみたらこんな感じ。

カバー留め紐用の2.0mm穴はポンチ(100円ショップで買える)を使って、中央上下に開けたゴム紐を通す穴は目打ち(100円ショップで買える)で開けました。1.0mmのポンチを持ってたらそれを使えば綺麗に仕上がると思いますが、100円ショップにはなかったので。まあどうせ紐で隠れるのでいいです。

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革の厚みとか曲げたときのRがあるので横はそこそこ長いですが、これで折りたたむとノートよりだいたい5mm程度大きい感じになって綺麗にノートが隠れます。 

拡大すると革の裏面(床面)の処理をしていないのがバレバレですが、これは俺が未処理のモサモサした手触りが好きなのと、単にめんどくさかったから放置しているだけです。

革はこれの2.0mmを買ってミンクオイルを塗り込みました。安く買える革ですが全然問題なく使えますね。

ミンクオイルは革を油分で湿らせて色を落ち着かせるのと、革を柔らかくして、しっとりした高級感のある手触りにする効果などがあります。

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リフィルはLIFEのノーブルノートA7方眼罫を余ったゴム紐で2冊つないで挟みました。仕事用とプライベート用。A7で方眼罫のノートってこれしか見つからなかったんですが、ノーブルノートはデザインに高級感があるのでいい感じです。

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あと、オリジナルのトラベラーズノートでも売れ筋のリフィルらしいクラフトファイルもA7サイズで自作。B5のクラフト用紙をスプレーのりで2枚重ねして強度を確保。

これ便利なんですよね。俺はその日のTODOリストとしてちぎりとるタイプのノートパッドをよく使うので、残件のあるシートはちぎって挟んどけば忘れない。終わったら捨てる。

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実物を眺めながら俺が適当に書いた展開図を、CAD使いの嫁さんに清書してもらいました。嫁さん有能。

あとコバ(革の厚み面)はこれで塗りました。めっちゃ青い。水性アクリルって書いてあるのでプラモ用の塗料とかでも良かったのかも。

めんどくさいので詳細な作り方は書きませんが、ここまでに書いた情報と材料、あとはカッターナイフがあれば同じものが作れるので、興味があればハンズとかで材料揃えて適当にどうぞ。やること少ないので適当にやっても適当にいいのができると思います。

ちっちゃい必要がなければ普通にトラベラーズノートを買えばよいです。

もしA7クラフトファイルの展開図が欲しい方がいましたらtwitterで@baumkuchen_宛に言ってもらえれば適当なアップローダーに上げます。

エニグマとサメとワニ ー 最近観た映画の感想

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

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これは素晴らしい。

ひとつの作品でこれだけ多くの感情を描き、観ているこちらにも複層的でなんとも言い難い気持ちと複雑すぎる余韻を抱かせる。あらゆる感情てんこ盛りの映画だと俺は思うのです。エモい(語彙力)。

アラン・チューリングのチームによるエニグマ暗号機解読の実話を元にしたお話。

アランの尊大に見える態度や他人との会話の噛み合わなさから、社会性のない超天才が周囲の無理解をものともせずに無双して偉業を成し遂げる映画だと思わされるのですが、そういうテンプレめいた予想はやがて裏切られます。

アランは自分のマシンで暗号を解読するという方針だけは絶対に譲らないものの、自分ひとりの力ではそれが叶わないこともまた認めて、チームメンバーと打ち解けようと努力をする。んだけど、普段から人との関わり方を知らないからやりかたがヘッタクソで。それがたまらなく愛おしい。

一方で、アランをいけ好かないと思っているメンバーも選りすぐりの暗号研究者なので彼のやりかたの正しさにはやがて気づいていく。だからこそ、ぎこちなくも互いに歩み寄る。こういった友情とか仲間意識以外でつながる関係性が好きでねえ。

その潤滑油の役割を果たすのがチームの紅一点、キーラ・ナイトレイ演じるジョーン・クラークで、この人がまた、これまで見たどんなヒロイン像にも当てはまらない良さ。

アランが一目置く才能を持ち、軍の研究所という男社会で渡り合う。作劇的なテンプレで言えば「強い女」ポジにあたるはずなんだけど、この人はなんというかしなやかなのですよね。

誰にも負けない能力を持ちながら、一歩引いて好かれようとすることを厭わない。現代にまして立場の弱かった女性だからこその戦い方。アランもそんな彼女から学んでメンバーと関係性を築いていく。

その彼女が素晴らしい豪胆さをみせるシーンがとても好きなのですが、ネタバレになるので詳しくは伏せます。

歴史上の事実としてエニグマが解読される日が来るのは分かってるわけで、彼らがどうやってそのゴールに辿り着き、どんな振る舞いを見せるのかというのがこの映画の山場のひとつ。そこでめでたしめでたし、というのがプロジェクトものの映画ではよくあるパターンですが、それで話が終わらないからこの作品は素晴らしい。この作品の複雑な余韻は解読後を観てこそのもの。

単なる「プロジェクトX」で終わってても全然面白いところに、戦争のエグい現実や政治的権謀術数、アランが抱え続けて生きて死んだマイノリティの孤独などをぶち込んで終戦後までをたった2時間にパッケージ。その2時間で不足も蛇足も感じさせない美しい映画に仕上がっております。

たった2時間でこんなにも。「~が好きなら」みたいな枕詞抜きでおすすめ。

あと単純にチューリングマシンのビジュアルがめっちゃ格好いいのでメカ好きも観るのが良いと思います。

デビルシャーク

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超名作から最悪のコンボを組んでしまった。

Z級サメ映画には往々にして「サメがほぼ出ない」という特徴があるようですが、この映画もそれを地で行っています。

嫁さんが「ゾンビーバー」を観たことをtwitterで呟いたらフォロワーからこの「デビルシャーク」をオススメされてしまったらしく、また、俺は俺でこの映画の酷さは伝え聞いていたので、喜び勇んで嫁さんと一緒に観たわけです。

いや、すごい。これ観るとデビルマン」はまだマシなのがわかる。あっちは原作付きという事もあってストーリーは分かるもの。

誰かが水に近づく → 3秒ぐらい報道番組の解説CGみたいなサメのカットが映る → 襲われる、または取り憑かれる演技(サメ無し) → 突然場面が切り替わる

という事が延々繰り返されます。

とあるサメ映画のレビューで「サメと人が同じ画面に映っている」という褒め言葉を目にしたことがあるのですが、ようやく意味が分かりました。

低予算映画には演技が下手、脚本が下手、カメラが下手、画作りが下手、という作品が少なからずありますが、この映画は加えて編集が絶望的に下手、というか描写するのが面倒くさくなったら適当にぶった切って出来事の顛末は視聴者に各自考えてもらうという手法をとっています。

おかげですべてのシーンの繋がりに全く脈絡がないうえに、頻繁に全く意味のないシーンが挟まるので何が起きたのか一切把握できないまま映画が進みます。観ているとホラーと違う理由で心が不安定になってきます。

馬鹿なわけでもなく、悪ふざけをしているわけでもなく、ただひたすらに全てが下手くそなだけの映画。それでもこれを完成させて世に出す思考が一体どこから湧いて来たのか、それが分からなすぎて一番怖い。 

クロール ー凶暴領域ー

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サメからワニ。普通の評価がついてるアニマルパニック映画で口直ししようと思って。

超巨大ハリケーンが接近する中、家の床下になんかワニがいて、父娘が命がけの脱出を試みます。こんなシチュエーションですが、馬鹿パニックではなくシリアス系。

この父娘、ピンチに陥って話を盛り上げるためだけに愚かな行動ばっか取るんですが、これを観たときの俺はワニがちゃんとワニなだけで全て許せたし、ワニと人が同じ画面に映ってるのすごいなあ、とか思ってました。

ワニの皆さんは有象無象のモブをアグレッシブにお食べあそばされます。基本、水中に引きずり込まれて見えない所で食われるので、えぐいゴア描写が少ないのも良いところ。

食われるのは災害に乗じた火事場泥棒とか、視聴者的には何の思い入れもない主人公の姉の元カレとかなので、元気よくまりまり食われまくる食べコンボにはある種の爽快感があります。まあそれだけの映画なんですけど、アニマルパニック映画なんてそれで十分ですね。

あと、嵐の屋外の映像が彩度低めのコントラスト強めに加工してあって、水墨画みたいなカッコよさがあります。ワニもいいけど水害描写が良かったな。

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財布はもうbellroyのMicro Sleeveだけでいいや

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財布。以前買った中国製パチモンThe Ridgeが壊れたので、しばらく使い古したASUMEDERUのベスポジIIを再利用してたんですが、さすがにだいぶヘタレてきたので新しいのを買いました。

これまで使ってた財布がこれら ↑ で、新しく買ったのがbellroyのカードスリーブ。

上記の記事にも書いているとおり、小銭は最低限お釣り分だけ入ればいいという考えで自作の小銭入れを使っているので、財布は紙幣とカードだけ入るものがあればいいというのが基本スタンスです。

パチモンRidgeもベスポジIIもそこそこの枚数のカードが持てるものを選んだ結果なのですが、よく考えるともはやカードもそんなに使わねえなと。

  • SUICA → モバイルSUICAに移行済
  • クレカ → ヨドバシの黒カードだけあればいい(ヨドバシ原理主義)
  • 保険証・診察券 → めったに病院行かない
  • シネコンの会員カード → コロナであまり行けないしそもそも新作上映が減ってる

ということで、大幅に整理して免許証とヨドバシのカードとキャッシュカードの3枚だけ持ち歩くようにしています。それすらめったに使わないし。

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上から見た面積はベスポジII(普通の二つ折り財布程度)より少し小さいぐらい。

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しかし厚みが全然違う。ベスポジIIは折り返しの分だけどうしても端は膨らんじゃいますし、カードの枚数が増えてくると更に差が広がります。

ベスポジIIのカード入れは6枚分。それだけでもそこそこの厚みになりますし、重ねると普通にもっと入っちゃうのでつい入れちゃってました。

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一方Micro Sleeveの方は、1ポケットにカードはMax2枚。反対面にも同じ形状のポケットがついていて、全部で4枚入ります。

むりやりねじ込めば片面3枚もいけなくはないですが、キツキツで出し入れが極端にしづらくなりますし、革が伸びちゃって寿命も縮みそうなので公称スペック通りに運用するのが無難かと思われます。 

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紙幣は真ん中に。はみ出さないようにするには3つ折りにする必要がありますが、折り重ねればその分厚みも増えるので、2つ折りではみ出させたまま使うというのもありです。 革の弾力で挟むだけなので使用感はマネークリップに近く、そう考えると紙幣がはみ出しててもあんまり気にならないなと。

この写真は3つ折りで4枚の紙幣が入っています。額面別に畳んでおくと使いやすい。

入るか入らないかだけで言えば3つ折りでも10枚ぐらいは余裕だと思いますが、俺はそもそもそんなに現金を持ち歩きたくないので、そうはなりません。

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紙幣を出し入れする際はこうやって左右をぐっと押す。表と裏でカードの入る向きが対称になっているので上手くひし形に開いて指が入るようになります。

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カードで隠れちゃうところにメーカーロゴのフクロウが刻印されていて、取り出したときだけちょっと見えるのがけっこう好きです。

このMicro sleeveを財布代わりに使うことの良さは、言うまでもなくその薄さ。ジーンズの前ポケットに入れていると、あまりに異物感がないので、一瞬財布を忘れたかと思ってポケットを探ってしまうぐらいにスルッと収まります。

革製ということもあり、椅子に座ったり動いたりでポケットに圧がかかっても、硬いスマホのように存在を主張することはありません。画面を傷つける心配もないので、スマホと同じポケットに入れてしまってもいいですね。そうすれば財布とスマホで両方塞がっていた前ポケットが片方空きます。

空いたポケットを何に使うでもないんですが、多少持ち物が増えても手ぶらで外出できる余地が増えたというのが大事。外出時はできるだけ持ち物を切り詰めたいので、バッグを持たずに済むのが最上なのです。

ちょっと薄すぎて本棚と壁の隙間に落ちてたときには、買って早々に無くしたかと思って心底焦りましたが。置き場所はちゃんと決めておいたほうがよさそうです。

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あとこれを書くために昔の記事を見たら、小銭入れが作った当初から恐ろしいほどの変色と変形をしておりビビりました。「テスト運用」とかいいながらもう6年以上使ってるし、今後もまだ使う。物持ち良いんだか悪いんだか。

Chromecast with Google TVで毎日映画を観ている

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NetflixやAmazon Prime Videoのマイリストって溜まっても案外観ないんですよね。観たいと思ってブックマークしてるのに。

うちは「さあ映画観るぞ」とプロジェクターをONにするときを除いては、飯食うときにニュースを流したり適当なアニメか海外ドラマを流す以外に映像作品を観る機会がないのですが、最近はそのタイミングで映画を流すことが多くなりました。

普段から習慣的に何かを観ている時間に、観たかった映画をねじ込む。積読消化みたいなもんです。こういう映画の消費の仕方は怒る人もいそうな気がしますが、「時間ができたら観よう」は大抵時間ができても観ないので、消費だろうと消化だろうと観といた方が充実した時間が過ごせます。

もとより2時間ぶっ通しで観る気はないので、食事が終わったら中断したり、面白ければそのまま最後まで観たり。テレビの洋画劇場だってCMのたびにブツ切れになってその間にお茶入れたりトイレに行ったりするんだから、自宅で映画なんてそのぐらい適当に観りゃいいんです。

加えてさらに、映画を観始めるときのハードルを極力下げたいと思いまして。

もともとは食卓上に置いていたGoogle Nest Hub Maxの画面にスマホアプリからキャストして観ていたのですが、毎度アプリを立ち上げるのがかったるい&シーク性能があまりよろしくないので卓上サイズの小さいテレビとChromecast with Google TVを買ったのです。

Google TVめっちゃ良いですね。たぶんFire TV Stick 4Kでも同じようなことはできるので、その辺は個人の環境次第で選べば良いと思うのですが、同じインターフェースで複数のサービスを横断的に扱えるのが非常に便利です。

物理ボタン一発、もしくはGooglehomeへの呼びかけでテレビの電源ごと起動でき、ホーム画面には登録済のサービスからのおすすめがまとめて表示される。

もちろん検索も一括で。観たい作品がある場合、スマホやPCだとそれぞれのサービスで検索をかけなきゃいけないところが、Google TVならリモコンのマイクにタイトルを言うだけで視聴可能なサービスを全部引っ張ってきてくれる。

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上の画像なら、レンタル・見放題含め、4つのサービスで視聴可能ということ。便利すぎだわこれ。

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具体的にタイトルを指定しなくても、検索はGoogleですから適当に曖昧なワードを放り込めばそれなりの精度で返ってきます。

「SF映画」などの大きなワードで検索すると「人気のSF映画」に始まり「SFアクション映画」「SFファンタジー映画」「宇宙人侵略SF映画」「人工知能がテーマのSF映画」「地球外生命体がテーマのSF映画」「サイバーパンクSF映画」その他もろもろ、と細かくカテゴリ分けして大量に拾ってきてくれるのも結構すごい。

さらに、ユーザーはGoogleアカウントと紐付いているので、PCやスマホのブラウザで気になる作品を見たいものリストに入れておけばGoogle TVから参照できます。

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ブラウジング中に気になったものがすぐブックマークできるのがまず便利だし、加入しているサービスにない作品もとりあえずブックマークしておいて、見放題に追加されたらすぐ分かるようにしておく、なんて使い方もできます。

それと、当たり前ですが普通のChromecastとしても使えるので、スマホの対応アプリから映像を飛ばせます。

上の記事で書いているように、スマホで見ている動画を簡単に大画面でシェアできる、というのが主な使い方。家族がいると何だかんだでこの機能もよく使います。

他にも色々アプリはありますが、個人的にはSTEAM LINKが結構嬉しいです。手元のノートPCから手軽にゲーム画面を飛ばせるやつ。今嫁さんとBABA IS YOUを遊んでるところなので。

一人で遊びがちなPCゲーム画面が簡単にシェアできるのはなかなか良いものです。

ソニーのAndroid TV対応テレビも持っていますが、シームレスな使い勝手でGoogleTVが一枚上手。大型の上位機種にしか実装されていない機能(というか、それを上回る機能)を省スペースな小さいテレビでも実現できるということでもあります。

適当な映像に素早くアクセスできるので、従来テレビ放送の「とりあえず観るでもないBGVをすぐに流せる」という大きなアドバンテージも埋まってしまいました。

本当にいいですよこれ。元からうちにはアンテナを付けてないけれど、もう本当に地上波いらねーわ。

エナージェルの1.0mmが良い

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どうも、ぶっといボールペン愛好家です。

昔からボールペンはボール径が大きいものを好んで使います。線が太いとなんとなく字の汚さがやわらぐ気がするからです。

なので、ボールペンは1.0mm径のものをよく使っているのですが、最近買ったぺんてるのエナージェルがいたく気に入ったのでその話をします。

エナージェルの1.0mmはまあとにかく線が強い。ボールペンとしては破格に太いし黒い。書き味を売りにしたボールペンとしては三菱鉛筆のジェットストリームが一番メジャーだと思うのですが、同じ1.0mm同士を比べてもその違いは明らか。

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エナージェルはアホかってほどインクがドッパドッパ出るので書きだしから掠れることがありません。ジェットストリームも流石に貫禄の滑らかさなのですが、やはり油性インクは粘度が高いので、まとまりが良いぶん線は細いし、掠れもちょっと出る。

一方のエナージェルはペン先がもたつくとインク溜まりが出来たりするので一長一短というところですが、いずれにせよ些細な問題なので好みで選べばいいやつです。

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なので俺はエナージェルを選びます。

色々試し書きをしましたが、油性インクだと1.6mm径のボールでもこうはなりません。試した中で唯一同じような線が引けたのは同じくゲルインクのユニボール シグノ 太字だけでしたが、これはキャップ付きのペンなので、気軽さの点でノック式のエナージェルの方に軍配が上がります。

個人的にはこの線の視認性の良さが嬉しい。

写真で使っているのはちょっとしたメモ用に買ったロディアのメモパッド。方眼罫が濃すぎて文字が見づらく感じたので別にドット方眼のものを買いなおして使っていたのですが、この線の強さはロディアの方眼にも全然負けていません。

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比較するならもはやボールペンよりもサインペンや油性マーカー寄りで、線の太さや濃さで言えばマッキーの極細に近い。 

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しかし、裏写りの違いは歴然。次の紙にまで写っちゃいますからメモパッドではあまり油性マーカーは使いませんが、エナージェルなら余裕でぶっとい線が書けます。

また、滲まない分だけ若干ですが、線そのものもシャキッとエッジが立って、見やすいように感じます。

そして書き味は雲泥の差。大きいボールとゲルインクの恩恵か、なめらかで振動をほとんど感じません。俺はマーカーのカスカスとした感触やキュキュッという摩擦音が苦手なので本当にありがたい。

ラミーの記事でも書きましたが、インクを「擦りつけている」のではなく、「流しこんでいる」という感覚になるペンです。

滲まず、掠れず、抵抗なくこの太さの線がスイスイ引けるというのは面白い感覚で、何で俺はいままでこのペンを使ってこなかったんだ、とすら思います。(店頭でも目立たないところに置かれてる気がする)

これはデスク上に常備して、大きな文字でなぐり書きをするようなメモに使いたいですね。字が小さめになりがちな野帳には向かない気がするので、そちらは変わらずラミーで。ちなみに上の記事のときに買ったラミー、まだ使ってます。コスパ良すぎ。