wena wrist pro を3週間ぐらい使ってみた感想
諸事情により、高っけえ腕時計を引き取ることになりまして。身の丈に合わないとは思いつつも、使わないのも勿体ないのでつけてみたんですが、俺の手首ってかなり細いのでゆーるゆるだったんですよね。
普通のメタルブレスだったらコマを抜いて長さを調整すればいいんですが、引き取った時計はこういうメッシュのミラネーゼブレスってやつで、一番短くしてもまだ余る。
さらに長さを詰めたかったらショートタイプに交換するしかなくて、当然ながら交換部品もめっちゃ高価い。純正品はサイズ合わせのためだけにはとても手が出ないので、どうせ純正品でないバンドをつけるならと、発売されたばかりのwena wrist proに変えてみました。
wena wrist とは文字盤ではなくリストバンド側にディスプレイをつけてスマートウォッチにした製品です。以上説明おわり。
外見
時計のケースがステンレススティール製なので、シルバーのバンドで特に違和感ありません。変な安っぽさもなく。
バックルをケースにして部品を詰める関係上、細かい細工はしづらいのか、wena のロゴ以外に装飾と言えるようなものはほとんどなく、シンプルで武骨な印象。幅も22mmと太いですし、完全に男性向けの商品ですねこれ。
通知
bluetoothで接続したスマホから通知を受けられます。スケジューラーとかメールの着信とか。どんなスマートウォッチにもある機能ですが、便利ですよね。
俺は職場での会議をしょっちゅう忘れるので、Outlookのスケジューラーとスマホのカレンダーを連携させて、その通知を飛ばしてます。振動とディスプレイ表示で知らせてくれるので、ポケットに突っ込んだままのスマホと違って見逃しがないのがいいところ。
15分間スマホと接続できない場合、自動的に接続をOFFにする設定にできるのですが、これで接続が切れてしまうとボタンを押して再接続する必要があり、忘れて通知を拾い損ねることが多々あります。
かといって、常にスマホを探し続ける設定だとバッテリー消費が早まって、それはそれで煩わしい。
せめて接続が切れるときに振動してくれれば気付けるので、バージョンアップでの対応を期待したいところです。
電子マネー
クソ使いづれぇです。このために wena wrist pro を買おうとしている人がいるのならやめとけと言いたい。
アプリの出来が悪いとかそういうわけではなく。端的に言うと「人の関節はそんな方向には曲がらねえ」という話です。
俺は身長170センチちょいなんですが、自動販売機とかコンビニのレジのカードリーダーって大体ヘソぐらいの高さかそれよりちょっと下についてるんですよね。当然です。子供だって使うんだから低くないと。
壁の前に立って、その高さに手首の内側を当てようとしてみればすぐ分かりますが、まず手首の内側を前方に差し出すだけでめちゃくちゃ不自然なひねりが腕に加わります。
こんなん。肉離れ起こすわ。
ここから腕を上げたり下げたりしたら手首も上を向いたり下を向いたりしてしまうので、高さ調整は少しかがむか伸び上がるしかない。
おそらく一番楽な姿勢は腰を落として招き猫みたいにリーダーをタッチすることです。スマートウォッチなのにスマートのスの字もありゃしねえ。
結果、Edy利用3回目にして腕から外してタッチする運用になりました。バカみたい。
設計した人たちは本当にこの機能使ってんでしょうか。最初の製品ならコンセプト先行でやらかしちゃってても仕方ないけれど、proは第2世代なんだから直しとけよこんなもん。
例えばEdy機能しかない wena wrist leather はチップが内側ではなくサイドについているみたいなので多少は使いやすそうです。これなら肘を横に出せば角度や高さが調節できるので。proもこうすりゃいいだけなのにね。
あとEdyをアクティベートするのにiOS端末が必須というのもどうかと思う。俺はiPhoneユーザーだからいいけど、Android、それもXperiaユーザーだったらキレていいところ。まず自社製品との連携をどうにかしろよと。
歩数計
なくてもいいけどあればそれなりに嬉しいやつ。設定した目標歩数に達すると振動で教えてくれます。
スリープトラッカー
せっかく加速度センサーが付いてるんだし、活動量計にはお約束の機能だし、気持ちは分かるんだけどね。普通こんないかついメタルブレスの腕時計つけたまま寝ないよね。
「実装可能だから」ってだけで機能追加してコンセプトが迷走してる良い例です。とはいえこのために腕時計を付けて寝るひともいるだろうから否定はしない。
俺はいらないが。
感想
なんつーか、「昔のソニー」の良いところ・悪いところがどちらも色濃く出た製品という印象があります。
■昔のソニーの良いところ
- アイデア先行の商品でもキチッと格好良く、一定水準以上の品質に仕上げてくること
■昔のソニーの悪いところ
- アイデアや格好良さが先行しすぎて使い勝手とか色々大事なものを見失うこと
こういう頭の悪いとこ、嫌いじゃないですが。
wena wrist はビジネスの場でも違和感のないスマートウォッチ、というのがそもそもの商品企画の出発点だと思います。なので、見た目の高級感が何よりも大事、ということを考えれば十分価値のある製品ではあります。俺も時計を違和感のない形で腕にフィットさせられただけで満足です。
一方、スマートウォッチとしては最低限の機能しかないので、ガジェットのワクワク感は低め。本来は売りとなるはずの電子マネーが使いづらすぎるせいで単に機能の少ないスマートウォッチになっちゃってるんだよなあ……。
とはいえ通知は便利なので、これだけでも結構重宝します。仕事はスーツ着用で、いかにもスポーツギアっぽいシリコンバンドのスマートウォッチはつけられない、という人にとっては唯一の選択肢にもなり得る、うまいところを狙った商品だと思います。
俺は普段Tシャツとジーンズでちんたら仕事してるんで関係ないんだけども。