それ俺の知ってるTumblrと違う

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 Tumblrは「匿名で自分語りOK」なSNSで若者に大人気、という記事を読んで「どこの宇宙の話だろう……マーベルユニバース?」と思索にふけるなど。

 Tumblrって機能が多くてわりとどうとでも使えるので、中には自分語りのために使う人が集まる空間もあるのでしょう。ただそれは俺の楽しみ方とは違うので、俺の考えるTumblrの面白さについて書きます。*1

 

  使った事のない人に大雑把に説明すると、TumblrはSNS要素を持ったブログサービスで、

  • フォローしたユーザーの投稿がタイムラインに表示される
  • タイムラインに流れてきた投稿を「リブログ」することでそのまま自分のブログに投稿できる

という2点が大きな特徴です。さらに雑に言えば、普通のブログサービス並にカスタムがきいてリッチな投稿ができるtwitterみたいなもんです。リブログがtwitterのリツイートに相当すると考えてください。

 

 大量投稿をするヘビーユーザーを何人かフォローすると幅広いジャンルのWebコンテンツがタイムラインに流れてきます。ニュース記事の一部だったり、2chのコピペだったり、twitterのツイートだったり。画像ならかわいい猫gifからオシャレアート画像、ネタコラ画像にエロ画像まで。

 そうしたコンテンツから気に入ったものだけを自分のブログにリブログ。短文ネタで吹いたらリブログ、ゴネゴネと砂浴びをする猫gifに和んだらリブログ。リブログリブログリブログ。それをただただ繰り返す。

 もちろんリブログだけじゃなく、自分で投稿してもいい。

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 大項目としてメニューに置かれているのを見ても分かるように、Tumblrでは「引用」が大きなウェイトを占めています。他のSNSやソーシャルブックマークのようにコンテンツ全体をシェアするのではなく、気に入ったセンテンスのみ、画像のみ、といった投稿が可能。

 そうすることで自分のブログはWebから好きなものだけを集めたスクラップブックになります。ネットサーフィンで見つけたお気に入りをスクラップ。ついでに人のスクラップブックも覗いて、いいのがあったらコピーして自分のにも貼り付けられると。

 一次投稿として自分で文章を書いたり、撮った写真や描いた絵を投稿する場にしているユーザーも多いですが、俺は引用とリブログのみ。文章・画像問わず笑ったら無条件で投稿するようにしています。

 この使い方の何がいいって、頭を微塵も使わないのがいい。タイムラインの未読をさらって、何も考えずにリブログ。ネットサーフィン中にときどき引用ポスト。自分は何ひとつ頭からひねり出さないままに、自分にとって最高に楽しいブログが出来上がる。

 このブログの効能がものすごい。気分がささくれだっているときに読み返すと大抵の事はどうでもよくなってきます。だってそのブログの全ては自分が楽しい気分になったという事実とセットなんですから。

 

 俺の使い方は基本内向きで発信や交流を目的とはしていませんが、自分のためとはいえリブログはフォロワーへのシェアでもありますから、続けているだけで勝手に似た嗜好の人が集まってくるようになります。 

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 こんな感じで、誰がリブログや「スキ!」(twitterで言うところのfav)をしたかが全て辿れるようになっているので、自分のリブログから趣味の似通った人を探すことが可能。同じものをリブログした人のブログを見に行って、面白いものがあればさらにリブログ。ブログ自体が好みだったらフォローして自分のタイムラインに流れるようにしてもいい。

 逆もまた然りで、自分のブログからよくリブログする人がいたら、その人はこちらから見ても好みのブログを作っている可能性が高い。

 うちは嫁さんもTumblrをやっているのですが、やはり考え方が似ているので俺好みの猫画像や短文ネタなどを引っ張ってくることが多い。さらに付き合いの長い共通の知人に薦めてみたら、俺と嫁さんからリブログしまくる上に、俺の観測外から好みど真ん中な投稿をリブログしてきたりする。

 で、俺と嫁さんとその知人からよくリブログしている知らん人がいて、その人がまた心に刺さる投稿をしまくっているのでフォローして。こんなふうにじわじわと観測範囲が広がっていきます。そしてこのコミュニケーションは全くの無言。黙ってフォロー、黙ってリブログ。

「お前の投稿面白いな、いただき!!」「俺はこんなのが面白いと思うがどうよ?」リブログとスキ! だけで交わされるやりとりが何とも心地よい。コメント機能もあるにはあるけれど、そんなもんは不純物に過ぎんのですよ実際。*2

 

 著作権の観点から考えれば議論の余地すらなく真っ黒なサービスなのですが、それでもTumblrへの引用・リブログには一次発信者へのリスペクトがある、と思っています。

 時々自分の書いた文章が引用されるのを見る立場としては、Tumblrで自分の文章が流れてくるのは嬉しいですが、NAVERまとめだと腹が立つ。

 これは引用したものに対して「自分のコンテンツです」ってツラをしてるかどうかの違いだと思います。NAVERまとめは引用を集めて「まとめ」というコンテンツを作成することを目的にしているのに対し、Tumblrは単純に面白かったから引用しているように感じられます。(実際はどうあれ)

 だってTumblrの引用はNAVERまとめと違って対価がないんだもの。強いて言うなら沢山リブログされると嬉しいぐらい。カスタムで自分のブログに広告を付けることも可能ではありますが、やってる人を見たことがありません。ほとんどのユーザーは自分のタイムラインしか見てないから収益なんて発生しようがないし、誰かの投稿に広告が入ってきたとしたら鬱陶しいからフォローを外すだけ。

 

 また、Tumblrはコンテンツの拡散媒体としても良好です。一部だけの切り貼りに興味を引かれて俺はしょっちゅう引用元を見に行きますし、実際ブログ記事がTumblrで拡散されると結構なアクセスがあります。引用元へのアクセスを促すという意味でも、PVの上前をはねるだけのキュレーションサイト様とは大違いです。

 そもそもほとんどの投稿がPermalinkつきの引用ばっかりだし、フォロワーを集めても大した収益性がないのでいわゆるパクツイもなし。平和かつ無言のリブログだけが(俺の観測する)Tumblrにはあります。

 ポジティブな引用だからといって著作権法における引用の要件をパスできるわけではないのですが、遊び場として権利者に見逃してもらえているのは引用されるメリットのほうが大きいからかなと。もっともあのネズミの絵とか投稿したら一瞬でアカウントごと蒸発させられそうではありますが。 

まとめ

  • Tumblr面白いよ
  • NAVERまとめ滅びねえかな

*1:あくまで「自分にとってはこんな感じ」という話でそれがマジョリティだという気はないです

*2:時々補足コメントがあったりしてそれは助かってます。感想はいらない