マイク・タイソン・ミステリーズで英会話の勉強をしよう

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 などとトチ狂った事を嫁さんが言い出したので、俺は喜び勇んでDVDを米amazonに発注したのです。

 マイク・タイソン・ミステリーズはマイク・タイソン、養子のヤンヒ、幽霊のクイーンズベリー候爵、人語を喋るピジョン(鳩)のチームが、毎週伝書鳩で寄せられるミステリーを主に暴力で解決していくゆかいなアニメ。

 トレイラーを観ればどの程度アレかは概ね理解できるかと思います。

 海外ドラマを繰り返し観るという英語リスニングのトレーニング法がありますが、それにはまず言語のハードルを越えて、しかも何度も観たくなるような作品が必要です。よくフレンズなんかがおすすめされてますけど、個人的には何度も観たいとは思いません。

 そこでマイク・タイソン・ミステリーズですよ。実際観てみたらこれが存外教材に向いていました。

  • 1話10分程度でリピートが苦にならない
  • 日本語字幕がないので理解するためには一生懸命英語を訳す必要がある
  • というか超展開で何が起こっているのかが言語関係なしに理解できなくなるので、気になって嫌でも繰り返し観ることになる

 唯一問題があるとすれば、台詞にピー音が入りまくるようなアニメ*1なので、仮にこれで英会話をマスターしたところで実際には全く使えないことぐらいですかね。とは言え、そういった些細なことは気にならない程の素敵なクソアニメですので、俺が英語字幕とGoogle翻訳を駆使して必死で理解した第一話のあらすじを紹介します。

以下

 マ:マイク・タイソン

 ヤ:ヤンヒ

 霊:クイーンズベリー候爵

 鳩:ピジョン

Season1-1 The End

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マイクの元に依頼の伝書鳩が届く。

「みんな、ミステリー解決の依頼が届いたぞ」

「そんなことより俺はこの鳩の姿を元に戻す方法が知りたいぜ」

「あんたが奥さんに鳩にされたのは当然よ。だってクソ野郎だもの」

「お前の母ちゃんがお前を玄関先に置いてった理由はいらなかったからだな。謎は解けた!!」

「うっさいアスホール」

「アスっ……アスホール言うやつがアスホールだ!!」

「女性に向かってそんな口をきくもんじゃない」

「お前まだ居たのかホモ野郎」

「なんだとファックユー」

※会話は意訳かつ要約

開始直後の罵り合いで登場人物の属性が大方説明されています。つまり、こう。

  • マイク:マイク・タイソン本人
  • ヤンヒ:タイソン宅の玄関先に捨てられて養女となる。
  • 候爵:幽霊。ホモセクシャル。
  • ピジョン:元人間。別れた妻に呪われて鳩にされる。アル中。

鳩ひでえなこれ。

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依頼の手紙には文字がびっしり。やたらと詩的な表現で綴られており混乱するマイク。手紙は作家のコーマック・マッカーシーからの依頼だった。

「カルマ・マッカーサー……誰?」

「コーマック・マッカーシー。有名な隠遁作家だよ」

「何で引きこもってるんだ? 顔に大やけどして鉄仮面になってたりすんの?」

「違う」

「じゃあマジモンのロボットとかクリーチャーだったりするのか? 馬人間みたいな? 今回のミステリーはそれなんじゃないか?」

コーマック・マッカーシーはケンタウロスじゃないぞ

手紙によれば、今書いている本の結末が思いつかないとの事。

「それで引退したボクサーに助けを求めるって? 真のミステリーはコーマック・マッカーシーの気が狂ったのはいつなのか、だな」

全くだ。

このアニメ、マイク・タイソンだけでなく実在の著名人を普通にゴリゴリいじります。多分許可も取ってないんじゃないかな。大丈夫なんだろうか。 

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愛車の「ミステリーモービル」でマッカーシーの経営する牧場に向かうチーム一行。マッカーシーは不在のため使用人のラファエルが出迎え、依頼の詳細を伝える。

ラファエル(以下ラ)「それでは私は失礼します。今夜はチュパカブラ・ムーンなので」

「カパチャパ・ムーン?」

「チュパカブラ。ヤギの血を吸う奴です」

この後、マッカーシーのピューリッツァー受賞メダルを暖炉にくべて溶かしたり、依頼の本を読んで「カウボーイしか出てこねえ」と 愚痴をこぼしたりしていると外からラファエルの悲鳴が。

「チュパカブラだ!! 噛まれた!!」

大量の血を流して倒れるラファエル。

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そしてめっちゃ嬉しそうなマイク。

「俺のすべきことが分かった!! 俺の心はマコーミック(誰だ)の小説を手伝うのに使う。そして俺の拳はチュパカルマをブッ倒すのに使う!!」

たぶん本読むのに飽きちゃったんだね。駆け出すマイクと慌ててそれを追いかけるヤンヒ、呆然と見送る霊と鳩。

「『チュパカブラ』って単語はあいつには難しすぎるんだな」

いちいち鳩のツッコミが的確で笑う。

 

駆け出したはいいものの、月が雲に隠れて辺りは自分の手のひらすら見えない程の暗闇に。「目が見えなくなったらどうしよう」と怯えるマイク。(かわいい)

「そうだ!! 別の感覚(sense)で補えばいい!!」と持ち前のユーモアのセンスで何とかしようと試みているところに響きわたるヤンヒの悲鳴。

「お父さん助けて!!」

駆けつけるとチュパカブラに引きずられるヤンヒの姿が。

「おい、チュマモンガ!!

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迷いのない金的一発でチュパカブラをK.O.するマイク。

「ありがとう、お父さん……」

「いいや、お前こそが俺を救ってくれたんだ……」

心温まる親子のシーンだが、チュパカブラはまだ生きていた。二人に襲いかからんとしたその瞬間、岩陰から一頭の馬がいななきと共に現れチュパカブラを蹴り殺す!!

馬は首から上をおもむろに脱ぎ捨て    

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「こんばんは、コーマック・マッカーシーです」

ケンタウロスだよマジか

「だから言っただろ。何でお前は人の話を聞かないんだ」

言いあっているとチュパカブラの死体が発光し、人の形になっていく。

ジョン・アップダイクだ!!

コーマック・マッカーシー(以下コ)「ああ、ジョン・アップダイクだよ。彼は随分前に死んだと思われているが、実はチュパカブラに変身していたんだ

何でだよ。

 

「帰って小説を仕上げよう。いいエンディングを思いついたんだ」

「何を言ってるんだ? 小説なら先週出版社に送ったぞ?」

「だったらあの手紙を送ってきたのは誰なんだ?」

そこに現れるラファエル。

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    の霊。

「私がミスター・マッカーシーを装って送ったのです」

ああラファエル、お前死んだの?

軽いな!!

ラファエルはマッカーシーの牧場で働きつづけることで彼のような文章が書けるようになるのかを試したかったのだと言う。

「(誰もマッカーシーが書いたものではないと気づかなかったので)成功です!! 私の人生最良の日だ!! フェスタ!!」

スペイン語で歓声を上げながら踊り狂うラファエル。

死んだの分かってるのかしら……?

「時間が必要なのさ」

踊るラファエルをよそにマッカーシーの背に乗って駆け出す一行。マッカーシーに翼が生えて夜空へと飛び去る。

The End.

 

 うん。めちゃくちゃ面白いなこれ。何言ってんのか分かっても何が起きてんだか分からないあたりが。

 ストーリーの大部分は非常にどうでもいい会話で構成されているのでスルーしても大筋の理解度は大して変わらないし、それでいて会話には細かい(そしてどうでもいい)伏線が仕込まれてたりするので掘り下げると新しい発見があって解読のしがいがあります。

 例えば小説を読むシーンでは鳩がマッカーシーの本を腐しながら「ジョン・アップダイクの小説ならいい女が出てくる」的な事を言ってるんですね。アップダイクは唐突に出てきたように見えて、実は前もって話題にはのぼっているわけです。

 だからと言ってジョン・アップダイクがチュパカブラになっていたというオチが理解できるわけでもありませんが。(それは伏線と言うのだろうか)

 こんなに楽しいストーリーがシーズン1には10本、シーズン2には19本も入っています。気が狂いそうになりますね。クソゲーやZ級映画等、ある方面へ特化した趣味嗜好をお持ちの方は辞書を片手にでも観る価値がありますよとおすすめしておきます。

※米国仕様のリージョン1なので、日本のDVDのプレイヤーでは観れません。リージョンフリーのプレイヤーを用意するかPCで観ましょう。 海外からの購入が気にならないのでしたら、送料含めても米Amazonから直接買うのが安かったです。(Amazonビデオは日本からは購入できませんでした)

*1:DVDは無修正