衝動買いの仕方

最近チャリ関係でアレ買った、コレ買った、と書きまくっていたところ、「どこからそんなお金が出てくるの?」と聞かれました。

答えは働いて、稼いで、使ってなかったというだけの事なんですが、それじゃ面白くないのである程度具体的に書いてみようと思います。

こういう考え方で金使ってますよ、という話。 

「おこづかい」

まず俺は、自分の稼ぎは全額自分で管理しています。

いきなり本題から逸れますけど、俺の周りの既婚者は給料全額奥さんに渡して、そこから「おこづかい」を賜る、というスタイルが一般的なようです。大きな買い物をする時はお伺いを立てて、許可を頂いてから買うと。

皆それが普通だと言わんばかりですが、俺は御免です。彼らは口を揃えて「自分では管理できないから」って言いますけど、そこは管理しようよ。「PS3が欲しいんだけどカーチャンが許してくれない」って小学生じゃねんだからよ。

そもそも奥さんから「貰う」って感覚が分からない。自分が稼いだから、とかいう話じゃないですよ。そのお金は元々夫婦の共有資産だからです。だったら使えるお金は双方がきちんと家計を把握して、月々に使える額を合意の上で「分け合う」のが正しい。それなのに家計の部分を全部相手にぶん投げるからおかしな事になる。

分け合ったお金は「あげた」「貰った」ではなく個人のものですから、相手の使い道に関して口出しはしない。結果として使える額が同じでも、使い方に対する感覚は随分変わると思います。 

口座を分ける

「貯蓄のコツ」みたいな記事を見ると大体が生活費と貯蓄用の口座を分けろって書いてあるんですが、俺はそれに加えて自分の小遣い用口座も持っています。

貯蓄のためというよりも、「ここの金はスッカラカンになるまで使い果たしてOK」という口座を作ることで、生活と切り離してシンプルに金の使い道を判断できるようにするためです。

俺の勤めている会社は給料を複数の口座に分けて振り込んでもらうこともできるので、その時点でそれぞれに分配しています。

ちなみにどういう流れか忘れましたが会社の同期に口座を複数持っているという話をしたら、「何でそんなに金があんの!?」と驚かれました。ペイオフ対策だと誤解した様子。ねーよ。無いから分割すんの。 

生活費口座

どのように月々の収入を振り分けていくか。こういうのは機械的にやったほうが面倒がないです。

まず絶対に入金を確保すべき生活費口座ですが、ここに入れるのが家賃+生活費+雑費

家賃は払ったらおしまい。

生活費は全部嫁さんに渡して、残った分が彼女の小遣い、というやり方をずっとしています。具体的な金額は伏せますが、食費や光熱費を勘定して、普通に生活してたら大体1万~2万は残るだろうな、という額。で、もっと欲しかったら自分で稼いできてね、と。

批判もあるかと思いますが、俺の感覚としては「三度の飯代と住む所とネット環境は用意します。だから代わりに家事やってください。家事してくれる人とかマジ超リスペクト」って感じ。

こういう考えなのは、俺は二人暮らしの炊事洗濯ぐらいなら仕事しながら自分でも出来る、と思ってるからです。実際一人暮らしのときは(クオリティの違いこそあれ)やってたわけですし、料理や洗濯物が二人前になった所で負担は大して変わりません。

でもやってくれるのはもの凄い助かるし、飯も俺が作るより美味い。だから感謝の気持ちは忘れない。というか、忘れると確実に生活が破綻すると思ってるので気をつけてます。

また話逸れますけど、時々ネットで見る「専業主婦の仕事の金銭的価値は年収1500万円相当」って言説は一体どこから来てるんでしょうね。俺は専業主婦を叩きたい誰かがリアルシャドーしてるだけだと思ってるんですが、もしパートナーが真顔でこんなトチ狂ったこと言い出したら全力で逃げるのが正解ですね。

閑話休題。

嫁さんは「週3日、5~6時間の事務」といった、実にいい感じの仕事を見つけてきて小遣いを稼いでいます。ここで稼いだ金は全額彼女のもの。生活費に充てる必要はないとしているので、自由になる金だけで言えば彼女のほうが多いです。

今のところ生活は俺の稼ぎで何とかなっているので、こういう形を取っています。例えば嫁さんがフルタイムで働きたいと言い出してガチの共働きになったら家事は分担しなきゃいけないでしょうし、子供がいる家庭では家事のウェイトが跳ね上がるので、全く別の話になるでしょう。

最後に雑費。ここは多め(3万とか)に計上しておいて、忘れる。そして保険やプロバイダ料金等、ちまちました固定費をこの口座から引き落とす。当然結構余るので、積み上がった残高は家計の急な出費に充てる。「掃除機が壊れた!」とかね。 

貯蓄口座

収入から生活に必要なだけの金を差っ引いたら、残りが貯蓄と俺の小遣い。収入は月毎に多少ブレるので、定額を小遣い口座に、残りを全額貯蓄用口座に入れます。細かい収入の増減で小遣い額も変動させてしまうと、多い時はいいけど少ないときに切なくなるので。

小遣い口座に入れる額については相談の上、合意済み。引っ越して家賃が上がったりとか、俺の給料がガーンと上がったりして、収入と生活費のバランスが変わったら設定しなおします。まあ給料がガーンと上がったことはないんですが。

貯蓄口座の金は定期預金と、株式・債券での運用を。リーマンショックでは随分心臓に悪い思いをしたので、今は「頭と神経を使わない」ことを前提に「待ってりゃいつかはプラスになるだろ」程度のぬるーい投資をしています。

うまいこと儲かったら再投資。使わない。マイナスになったらプラスになるまで気絶。そういう投資。どうせ生活費は別にとってあるんだから、目先減ろうがどーでもよかろうと。

この辺は上手な人に鼻で笑われるのがオチなので、詳しいことは省略。 

小遣い口座

さて本題。

さっきも書きましたけど、この口座は使いきってOKという前提があります。その上で基本的には毎月余るようにペース配分して使ってます。

スマホの家計簿アプリや散財.comとかのWEB家計簿で使用した金額を逐一記録。当月分の残高が常に確認できるようにしておく。そんで俺は緩いルールとして、週に使える金額というのを意識しています。月の小遣いを分割して、週単位で収支を合わせるつもりで使う。

例えば一ヶ月で使って良いと決めた金額を3万円とすると、一日1000円、一週間で7000円。第一週が終わった時点で出費が7000円以下ならOK。オーバーしてたら二週目までにトータル14000円に収めるつもりで。

これが5万円だったら、完全に日割りにせずざっくり計算で週1万円位に抑えるようにしたりする。そうすると自動的に残金が発生することになります。

と言っても、これは単なる心がけに過ぎません。飲み会1回でたちまちペースは狂うので。ただ、ペースが狂ったら戻そうという意識が働くのは悪いことじゃありません。

こうしてると俺の場合、月に数千円~2万円弱ぐらいは残ります。趣味が本とゲームですから、図書館使って中古ゲーム買ってりゃそんなもんです。最近は自転車関係の小物にも結構使ってるので使い切っちゃうこともありますが。

余った金は翌月に繰越し。でも、手を付けない。その月の小遣いだけでやりくりするのが基本。物を買うときは本当に必要かどうかよく考えて買います。普段はね。 

衝動買いの仕方

そうして日々を粛々と過ごしていると、小遣い口座の残高はだんだん増えていきます。これが俺の衝動買い資金です。

ある日、「ここここれ欲しいいいぃぃぃ!! ほ、欲ーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」ってなったら、残高があれば買う。なければ諦める。購入するか否かの判断はそんだけ。

俺は「目的のためにコツコツ貯金」ということが出来ません。物欲センサーが振り切れたらすぐ欲しい。だからいつでも衝動買いができるように、普段は小遣いを使い切らないでいるわけです。

衝動買いの時は「本当に必要かどうか」なんて考えない。何故ならば、まとまった金を使うなら物欲がピークの時に使うのが一番気持ちがいいから。わざわざ冷静に考えて気持ちを冷ますことはない。

それに俺は自分の物欲センサーを結構信頼しています。「(略)ホアーッ!!」ってなった買い物はまず後悔しないので、躊躇なく衝動買いができます。

この時、幾らまで使えるか考えないで済むのが小遣い用の口座を分けることによる効果。ここで大事なのは「使うの勿体ない」とか間違っても考えないようにすること。小遣い口座の目的は貯めることではなくて気分良く金を使うことなんですから。

口座が枯れたらまた堅実な消費ペースに戻すだけのこと。 

その他

ここまで全て月々の収入で回しているので、それ以外は全部臨時収入扱い。出張手当とか、ゲームを中古屋に売ったりとかで手に入った細かいお金は全額俺の小遣いになります。

ボーナスが出たら、一部は小遣い口座に入れて嫁さんと半分こ。一部は生活費口座に入れて雑費の積み増し。残りは貯蓄口座行き。振り分け額は常に一定。自動化して考えないのが好きなんです。

ボーナスを当てこまないでも良いように普段の収支設計をしてあるので、多かろうが少なかろうが、貰えさえすれば「思わぬ収入」みたいな気分になれる辺りがお得っちゃお得でしょうか。 

まとめ

以上が「どこからそんなお金が出てくるの?」に対する回答です。

別に空から金が降ってくるわけじゃありません。まとめると「働いて、稼いで、使ってなかった」だけ。

これは俺がただ何となくやっていることで、他の家庭で同じように通用するとは全く思ってません。うちじゃ今のところ上手く回っているというだけ。

じゃあこんなに長々と書いて何が言いたかったのか、というと男共はもうちょっとちゃんと金の管理をしろよ。ということです(嫁さん任せではなく)。使える金額が限られているのなら、その範囲内で最大限気持ちよく散財するにはどうすればいいのか考えろ。ということです。

それで楽しくなれるなら、金も時間も存分にくだらないことに使えばいいんですよ。基本的に楽しいことってのは無駄なことです。

そのためにはきちんと金を管理して「バカになっていい金額」を把握しておくことが肝要。それをしないで「嫁さんに怒られる」とか言ってんじゃねーよって話です。

それにみんなお金好きでしょう?  俺は大好き。金があれば飯食えるし、本もゲームもチャリも買えるし、あと飯食えるし。好きなら有効に使うことを考えるのは結構楽しいもんですよ。

嫌いな人は俺にください。