Amazon Dash Buttonを有り難がるのはこんな奴

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 先日「Amazon Dash Buttonヤバイ」って記事がバズってまして、そこにこんなコメントがついてたんですよね。

Amazon Dash Buttonは何がヤバイのか – ところてん – Medium

これがステマでないなら、本当にこれを便利だと思って使っている人の話が聞きたい。激安ドラッグストアの隣に住んでいる私にはどのみち縁の無いボタンだが。

2017/01/19 22:18

 はい、俺です。ストッカーにフルグラのボタン吊るして使ってます。 

フルグラ Dash Button

フルグラ Dash Button

 

  何を考えてこれを使っているのかと言いますと、何も考えたくないから使っています。ということを書こうと思います。

 ちなみにうちのマンションには宅配ボックスがありますので、配達の受け取りそびれはありません。それが前提のお話です。これ大事。

使う理由

 いちユーザーとして感じるダッシュボタンの魅力は「発注タスクが発生した瞬間に消滅する」ことの気持ちよさに尽きます。

「あ、フルグラ切れそう」 → ボタン押す → 終了。

 もちろんPCなりスマホなりから発注してもいいんですよ。でも手数が全然違う。

「あ、フルグラ切れそう」 → スマホ取りだす → アプリ起動 → 起動待ち → フルグラを検索 → 検索結果からフルグラを選択 → 発注 → 終了。

 こんなの実際のところ30秒とかかりませんが、フルグラを器に盛って、牛乳注いで、袋を元の場所にしまってからすぐやるかといえばやりません。その時の俺はフルグラを発注するよりも先にフルグラを食べたいからです。ところがダッシュボタンなら袋をしまうと同時に発注ができるんですよ。

 これの素敵なところはフルグラの発注という些事を覚えておく必要がなくなること。こういうどうでも良いことを頭の中から追い出せるのが非常に嬉しいのです。 

 前にも書きましたが、俺は些細なタスクの手数を減らすことには金を出す価値が大いにあると考えています。「フルグラを買う」と覚えておくことも手数のひとつ。ひとつひとつは非常に細かいストレスにすぎませんが、それを排除したときの幸福感は思った以上に大きいものです。

 なぜならストレスというマイナスが帳消しになるだけでなく、それを帳消しにしてくれた買い物に対する喜びも得られるからです。ダッシュボタンで言えば、それを使う度に「これは便利だ。よい買い物をした」と思うことができる。日々の消耗品を購入するだけで買い物の喜びを感じられるなんて幸せなことじゃあないですか。

 と、そんなことを考えているそばからバーチャルボタンのリリースが発表されましたが、俺は「そういうことじゃねえだろ」って思いました。物理ボタンが品物のすぐ横にあるから嬉しいんだよ。いちいちスマホ持ち出すなら普通に買うのと大して変わらんよね。

 こういうことをするのなら、俺は任意の商品が登録できる白ダッシュボタンが欲しいです。

代替手段について

Amazon定期便

 Amazon定期便を使えば自動的に届く上に安いんですが、最短1ヶ月間隔で決まった日にしか届かないというのが微妙に使いづらいのですよね。そういう縛りを入れないとキャンセル自由なただの割引販売になっちゃうので当然なのですが。若干の使いづらさと引き換えに割引してくれるシステムといってもいい。

 消費スパンが配送タイミングと同期していないと足りなくなるか在庫が積み上がるか。足りないのは論外だし、ストッカーに入り切らない在庫を抱えるのも嫌。そうならないようにいちいち単独発注したりキャンセルしたりするのが面倒くさいんですよねえ。

 食料品はよく食べるときとそうでもない時があるし、「もうじき新しいのが届くから早く食べきらなくては」なんて状況はまっぴらです。

 そもそもフルグラの定期便は6袋セットしかないしね。そんな置き場所ないです。

ドラッグストアの安売り

 うちから最寄りのドラッグストアは徒歩7分。買うことを覚えておくのもダルいと思う人間が100円安くなるからってわざわざ足を運ぶ訳はありませんね。

 会社帰り等、別件での外出ついでに買うというのも同様。できることなら購入タスクを頭の中に置いておきたくないんだから。それで買い忘れたらストレスになるし、狭くてBGMがうるさいマツキヨでレジに並んで買うのが嫌というのもある。

 そもそもダッシュボタンは他の購入手段と排他になるわけではないので、その時々で都合がいい方法をとればよいだけだと思います。たまたまめっちゃ安売りしているのを見かけたらそこで買ったっていいんですから。

 どうせ1回使えば実質無料になるので、あればあったで便利ですよダッシュボタン。オモチャとしても面白いし。

まとめ

 Amazon Dash Buttonを便利だと思う人間とは。

  • 宅配ボックスがある家に住んでいる
  • 手数を減らすことに喜びを感じる
  • 細かいことを考えたくない
  • 怠け者

 俺がそれに当てはまるというだけの単なる一例です。おわり。

おまけ・元記事のこと

 もっかい貼ります。

 これ、ものすごく面白い考察なのですが、いくらか違和感を感じる部分もあったので書いときます。

電池1年で切れるの?

「ダッシュボタンの電池は1年で切れる」ってのが論のとっかかりになってますが、え、そうなの?

 この記事だと「1000クリック分程度」と書いてあって、自然放電分を考えたとしても軽く2,3年は保ちそうな気がします。

 1年で使えなくなるとすると魅力がちょっと薄まるので困る。1年毎に新しいの買って設定しなおさないといけないわけだから。そういうことをできるだけしたくないから使ってるのに。

「ビジネスモデル先行」について

Amazon Dash Buttonは、どう考えてもビジネスモデルから逆算してハードウェアを設計しているので、ハードウェアから設計して、ビジネスモデルを作ろうとしている連中は絶対に勝てない。

 単純に「ハードウェアから設計されるビジネスモデル」ってのが分からないんですが、それでコケたIoTの実例が何かあるんでしょうか? ハードウェアの仕様はコストと直結するんだから、商売として成り立たせる算段もなしに設計始めちゃうメーカーというのが想像できません。

 この話、単に「Amazon Dash Buttonは全く新しいビジネスモデルを生み出した」とか「それに合わせたハードウェアの割り切りがすごい」と褒めればいいだけで、架空の日本メーカーを貶めるこたないと思うんだよね。「Amazonすげえ」だけでいいじゃん別に。

日本のメーカー「IoTのデバイスは、何年も使われるから、電池のモチが最重要。5年は動くようにするのだ!」

 ビジネスモデルもなしにこんな事言い出すアホはさすがにいないと信じたいのだけど。