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最近観た映画10本-2016年9月

映画

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 前回は30本まとめて感想を書いて懲りたので今回は10本にしました。少しづつやっていきましょう。

前の

 

ナチュラル・ボーン・キラーズ 

 NETFLIXでディレクターズカットではないバージョンを観ました。

 無差別殺人を繰り返しながら逃避行を続けるカップル、ミッキーとマロリー。加熱する報道により彼らは一躍時の人に。色々あって捕まるけれど、人気TVキャスターによる獄内インタビューをきっかけにまた一悶着、と。そういうお話。

 まああんまり乗りきれませんでした。無意味な大量殺戮とか、取ってつけたような殺人鬼の哲学語りとか、そういった露悪が嫌なのかというとそうでもない。むしろ終盤の大立ち回りなんかはカタルシスすらある。

 ただ、逮捕前のミッキーとマロリーがヒーローとして祭り上げられるという流れが単純に理解不能でした。「私も殺して!!」とか言ってるファンのことね。ギャグでなしにすごい馬鹿を出されると気持ちが萎える。

 その熱狂に至る過程が作品内の描写ではさっぱり分からんし、そもそも殺人鬼のファンだから殺されたいって何だそりゃ。ほんの一瞬のカットに過ぎないけれど、世間の熱狂は後半のインタビューに繋ぐための大事なファクターだし、そこに違和感が残るもんでどうにも最後まで居心地の悪さが残りました。

 俺は大抵細かい部分は気にしないで映画を観る方なんですが、今回はたまたま引っかかる部分があった、という感じ。要するにこの映画が俺に合わなかっただけということ。

 窓に合成で別の映像を嵌めこんだり、すごい色使いでジョジョのカラーページみたいになってる映像はビデオドラッグみたいで良かったです。

 星空の下で語らうシーンは世界でいちばんダサいPVを思い出しました。

 

シャークネード カテゴリー2 

シャークネード カテゴリー2 [DVD]

シャークネード カテゴリー2 [DVD]

 

  どの世界にもゆるいファンを小馬鹿にして悦に入る嫌なマニアってのはいますよね。俺なんか映画に造詣が深いわけではないので、こうやって感想を書いて公開したりするとそういう御仁にはしょっちゅう遭遇するわけです。

 彼らのありがたいお言葉の中でも一番鬱陶しいのが「お前は作り手の意思・意図が分かってない」というやつですが、国語のテストじゃねえんだから「作者の気持ち」を考えるのは止めませんかね。不毛だから。 

 その点サメ映画はいいぞ。考えるのも馬鹿馬鹿しくなる。

 

【問1】作者の気持ちを書きなさい

【答1】「空からサメ降ってきたら面白くね?」 

【問2】作者の気持ちを書きなさい

【答2】「折角だから飛行機に突っ込まそうぜ!!」 

【問3】作者の気持ちを書きなさい

【答3】「チェーンソー最強!!」  

【問4】この作品を通して製作者が伝えたかったことを述べよ

【答4】特に何も 

 

「カテゴリー2」の舞台はニューヨーク。市街地にサメが大量発生というボンクラ極まる画ヅラが楽しかったシャークネードですから、大都会へ舞台を移すことでより一層の知能低下が実現されました。よかったね。(前作の感想はこちら

 飛行機で、スタジアムで、メトロで、高層ビルでサメとバトル。CGは大幅にグレードアップ、折角サメが飛ぶんだからとクライマックスには空中戦も盛り込まれ、1秒たりとも頭を使う必要のないエンターテイメント作品に仕上がりました。

 こういう作品は定期的に観ておきたいものですね。癒される。

 

レヴェナント:蘇えりし者

レヴェナント:蘇えりし者  (字幕版)
 

  熊と戦って瀕死になったディカプリオが息子を殺された挙句に自分は生きたまま雑に埋められたので、生き延びて復讐するためサバイバルをしながら仇敵を追います。

 ほぼ全編、極寒の荒野といった趣で映像としては素晴らしいと思うのですが、あまりに荘厳な風景を観せられると「コイツよく死なねえな」という思いが先に立っちゃいますね。

 先住民から隠れるために川の中に入ってずぶ濡れになってたりするのに、凍えて死ぬどころかメキメキ回復していって終いにはトム・ハーディとステゴロで殺しあうまでに。足折れてたんじゃねえのかお前。

 熊と戦うところが一番面白かったな。

 

シン・ゴジラ  

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

 

 通常・爆音・発声可能と3回観ました。初回鑑賞後には思わず拍手しそうになって、でも周りが静かだったのでしなかった平均的日本人こと俺です。

 怪獣映画は年季の入ったファンが多いですからネット上の考察もディープなのが多くて、読んで回っているうちに自分がこの映画へ感じたものが本当に自分の感想なのか誰かの受け売りなのか分からなくなってるようなところがあります。

 今から感想書いても誰かが言っていたことを無意識にパクってしまいそうなので、先日の発声可能上映で聞こえてきた叫びを列挙することで感想に代えさせていただきます。

 

「東宝!!」「ありがとー!!」「東宝ー!!」「映倫!!」「いませーん!!」「危なーい!!」「あっちゃーん!!」「総理ー!!」「正解!!」「尻尾だねー!!」「猫ー!!」「逃げてー!! 逃げて逃げてー!!」「駿ー!!」「ハーヤオー!!」「尾頭さああぁぁぁぁん!!(割れんばかりの拍手)」「ヒロミー!!」「尾頭ー!!」「かわいいー!!」「蒲田くううぅぅぅぅん!!(割れんばかりの拍手)」「待ってました!!」「かわいい!!」「目がかわいい!!」「汁!!」「がんばれー!!」「逃げてー!!」「立ったあああああ!!」「京急うううぅゥゥゥッ!!」「総理!!」「おじいちゃん逃げてー!!」「よく言った!!」「いや撃てよ!!」「またおいでー!!」「ガッズィーラ」「泉ちゃーん!!」「安田ァー!!」「安田さーん!!」「冗談ポイ!!」「オチビサン!!」「ごめんなさい!!」「いいよー!!」「許す!!」「素直!!」「おにぎり美味しそう!!」「ゴジラを守れ!!」「ゴジラを倒せ!!」「おつかれさまです!!」「はいりー!! はいりィィィィ!!」「匂います!!」「おかえりー!!」「かっこいい!!」「尻尾ー!!」「瀧さーん!!」「効いてないぞー!!」「池田がんばれー!!」「弾着……今!!」「やったか!?」「やってねぇー!!」「逃げてー!!」「池田ぁぁぁ!!」「総理!!」「米軍!!」「アメリカキター!!」「やったか!?」「内閣総辞職!!」「弊社あああああああ!!」「やめてー!! やめてやめてー!!」「ああ……(ため息)」「まずは君が落ち着け!!」「フゥー!!(歓声&拍手)」「泉ちゃーん!!」「ラーメンのびるよー!!」「あーあ」「肩書き長い!!」「ぱん(手拍子)」「よく言った!!(沸き起こる拍手)」「ヤシオリ作戦開始!!」「(伊福部音楽に合わせて全員手拍子)」「行けー!!」「700系ー!!」「フゥー!!(爆破と共に大歓声&大拍手)」「イッキ!! イッキ!! イッキ!! イッキ!!」「あぁー!!」「あぁーやめろぉー!!」「無人在来線爆弾全機投入!!」「うおおおおおおおおお!!(この日一番の盛り上がり)」「もう一杯!!」「イッキ!! イッキ!! イッキ!! イッキ!!」「やったか!?」「やったよ!!」「尾頭さああぁぁぁぁん!!」「ヒロミー!!」「かわいい!!」「ヒロミかわいいよー!!」「萬斎さーん!!」「伊福部先生!!」「伊福部先生ー!!」「庵野監督ー!!」「ありがとー!!」「アリガトオオオオオオ!!」

 

 以上です。

 尾頭さんと蒲田くんの登場時のリアクションが全く同じで面白かったです。上演後の舞台挨拶中継はアイドル的な扱いに戸惑い照れる尾頭さんが死ぬほど可愛かった。

 でも一番可愛かったのは俺の隣に座っていた白髪のおじさんが照れながらもちっちゃい声でいろいろ応援してたことです。昔からのファンなんだろうなー。こういう人たちと一緒に楽しめるなら劇場で観るのも悪くないよなと思いました。

 

ゴジラ 

ゴジラ

ゴジラ

 

 「シン・ゴジラ」の勢いのままに初代を観ましたが、俺には自分に年代フィルタをかける機能はなかった。

 着ぐるみとかミニチュアの出来が当時のクオリティなのは別に構わないんだけど、夜のシーンはダイナミックレンジが狭くて厳しいなーとか、主人公がいる意味まったくねえなーとか。

「また疎開か……」等、台詞の端々に当時の社会情勢が垣間見えるのは良かったです。

 

ゴーストバスターズ  

「ゴーストバスターズ」オリジナル・サウンドトラック

「ゴーストバスターズ」オリジナル・サウンドトラック

 

  盆に千葉の実家へ帰ったついでに先行上映で観たのですが、T・ジョイ蘇我の3Dメガネは重いわ暗いわで最悪でした。3D上映は画面輝度を調整するとかしないの? 暗いシーンが全部台無しでちょくちょくメガネ外しながら観たよ。やっぱ3D上映好かんわ。

 映画自体は好きです。オリジナル原理主義者には不評のようですが。正直ギャグは全く笑えなかったんだけど、体を張って大暴れする作業服のオバハンチームってそれだけで面白いじゃない。リケジョがどうとかいう日本のマーケティングなんかクソだぜホント。

 オリジナルと違ってバスターズは終盤までペテン師扱いなのであまり出動はせず。もうちょっとお仕事シーン欲しかったな。

 でもやっぱテーマソングが流れると気分は高揚します。特にホルツマンの二丁拳銃の時は滾る。あとゴーストで溢れるメインストリートに向かって4人並んだ背中の引きの画!! こういうベタで格好いい画をちゃんと入れ込んでるのもいい。

 オリジナル同様に完全に娯楽方向へ振り切った、真っ当なリブートだと思います。下手にジェンダー論とか持ち出してこないで本当に良かった。

 あとエンドロールでのクリス・ヘムズワースが語り草になっていますが、あれはいっそ本編にガッツリ入れ込んで「長げーよ!!」ってツッコミ待ちにしてくれれば面白かったのにな、と思いました。

 

スポットライト 

 これはかなり面白かった。

 神父による児童の性的虐待と、それを組織ぐるみで隠蔽する教会。新聞の特集記事「スポットライト」のチームがその特ダネを追う、実話を元にした物語。

 俺はクリスチャンではない日本人ゆえにその真のおぞましさは想像するより他にないのですが、子供から見れば神にも等しい神父がその子供たちに性的虐待を繰り返しているという事実は社会がひっくり返るほどのスキャンダル。

 それほどの大事件を追うわけなので、普段から起承転結のある物語ばかり観ていると露骨な妨害や影に潜む巨悪の存在を想像してしまいますが、それは一切ありません。

 記者の一人が決定的な証拠を掴んで興奮して表に飛び出すシーンがあるのですが、雇われチンピラか何かの車に撥ねられるんじゃないかとハラハラして、何も起こらなかった時に自分のドラマ脳を反省しました。

 淡々とした映画です。描かれるのはただひたすらに地道な取材と調査。でも義憤に突き動かされるジャーナリスト魂や、一歩一歩真実に迫るストーリー展開はなんとも心地よい。

 分かりやすい悪役が断罪されて失脚するような胸のすく結末は用意されていませんが、有能な人間がシャキシャキ働く姿を眺めるだけでも面白いし、その仕事がきちんと報われて終わるのもよい。良質なドキュメンタリーを観た後のような気分です。

 

メカニック

メカニック (字幕版)

メカニック (字幕版)

 

  続編の「メカニック:ワールドミッション」がもうすぐ公開ということで観てみました。普通に面白い普通のアクションでした。うん普通。

 ヒットマンのジェイソン・ステイサムは最強クラスの戦闘力を持ちながらも、基本は綿密な事前調査に基づいてひっそり静かにターゲットを消すというのが良い。

 ところで本作もそうなんですが、何でアメリカ人は壁一面に写真や資料を貼るんでしょうね。内緒で何らかの事件を追っている主人公が家族や友人に見つかりそうになって慌てて壁を隠すシーンをよく見る気がするんですが、そういうのはPCとかでこっそりやろうぜ。ステイサムは自分のアジトでやってるからいいんだけどさ。

 ラストのステイサム前転が特に面白かったです。たぶん236+Kとかでゲージ消費すると出かかり無敵になるやつ。

 

最強のふたり 

最強のふたり (字幕版)

最強のふたり (字幕版)

 

 異様に評価が高いので観てみましたが、確かに良かった。

 介護者を募集する全身麻痺の富豪フィリップのもとへ面接を受けに来た黒人青年ドリス。ドリスは失業保険を申請するために不採用通知が欲しかっただけだが、フィリップの気まぐれで採用されてしまう。

 学もなく、空気も読まないドリスだが不思議とフィリップと馬が合う。というか、フィリップは全く気遣いをしないドリスの振る舞いをこそ喜んでいるのだね。腫れ物に触るように扱われないことが嬉しいと。

 障害をネタにいじってみたり、無反応の足に熱湯を垂らしてみたり、エロトークに花を咲かせてみたり。車椅子を改造して爆走させるわエロいマッサージの店に連れ込むわハッパを吸わせるわ。

 観ていて何が良いかって、24時間テレビ的な「感動」方面へ持って行かないこと。どんどん仲良くなっていくフィリップとドリスの間に芽生えているのは同情ではなくまぎれもない友情であって、そこにはお涙頂戴の「感動」様を差し挟む隙なんざないのだよ。

 しかし逞しい黒人青年の介護士っていいですね。車いすに乗せたり風呂に入れたりは過酷な肉体労働ですからこの上ないほど頼もしく、フィリップも完全に信頼している様子がしっかり伝わる。これ、表情の演技がいいんだな。

 ドリスは気のいい兄ちゃんではあるけれど礼儀は知らず、観ていてハラハラするようなことも度々あるのですが、それを鷹揚に笑って眺めるフィリップがいるからこそ次第に周りからも認められていき、ドリス自身も大きく成長していく。

 人種、年齢、社会的地位などあまりにも対照的な二人が互いに補い合う実にいいコンビとして描かれていて、「最強のふたり」とは珍しく良い邦題だなあと思う次第です。

 

かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート 

  人はカリウムを摂ったらナトリウムが欲しくなるといいます。そしてナトリウムを摂り過ぎると今度は体がカリウムを欲すると。

 あまりに真っ当な映画を観てしまうとバランスを取ろうとする働きが俺の体に起こるようで、俺の指は自然とクソ映画にしか見えないこのタイトルに引き寄せられました。「ひどい邦題選手権」があればそこそこ健闘するんじゃないでしょうか。

 しかしながらよくよく見てみれば「主演:ドニー・イェン」「監督:ウィルソン・イップ」の「イップ・マン」コンビじゃないですか。ストーリーはともかく、アクションには期待できそうです。

 

 感想:いいから髪を切れ。

 

 漫画原作もののようなので無闇にデザインを変えられないのだと思いますが、主人公格の3人が揃いも揃ってクソうざったい長髪と地獄のようにダセえファッション。特にドニー・イェンは長髪の扱いに慣れていないというか、完全に長髪を持て余しており。 

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 向かい風で顔に長髪を貼り付けたまま喋るドラゴン兄さん。笑うわこんなん。

 

 とはいえ流石にアクションはしっかりとした殺陣で安心して観られます。というか、かなり良い!! 「捜査官X」なんかはアクションシーン少なかったからなあ。

 ラストバトルはワイヤーアクションとCGで急激にノリが変わりますが、漫画原作と分かっていればこれはこれで。

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 それよりラストバトルの舞台、横でチラッと観ただけの嫁さんが「筋肉番付」って呟いたのでそれにしか見えなくなった。どうしてくれる。

 

 以上。